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明日は晴れると思う  作者: 奏路野仁
5/13

5話

江戸紫 然  雨男 杉本書店にてアルバイト フリーで翻訳の仕事 作家志望

青山 翔   ポストマン ボランティアで地元ラジオ局DJ

東雲 健太  大手自動車会社勤務 法人営業部 柔道部のスポーツ推薦入社

杉本 茜   杉本書店の二代目 通販大手に勝ちたい

松田 珊瑚  スペイン料理店「オラ」でバイト 声優目指して日夜レッスン

桜井 朱莉  大手自動車会社勤務 営業事務 バレー部のスポーツ入社

ブランシェア・ラクシーニュ  自称テンシ

シャルロ・ステファヌス・アートルメクス  自称アクマ


第五話

挿絵(By みてみん)


00 午後6時 頼代駅前 中央通り ラジオスタジオ

  ガラス張りのブース内

  青山「5月になりました。ゴールデンウィークも放送中のPMP。」

    「とは言え今日は月曜日。明日も平日。」

    「土曜日曜祝祭日。有給使って何日休みがありますか?」

    「サービス業には関係ねぇっ」

    「稼ぎ時だっ」

    「休んでいたら会社が潰れる。」

    「実際に僕の周囲から聞こえる本音です。」

    「奇しくもメイデー。」

    「元々の由来とか日本での意味合いとか」

    「時代と共にその位置付けは変えられているようですね。」

    「お休みの人、たっぷりお休みください。」

    「お仕事の人、がっつりお稼ぎください。」


01 19時頃。杉本書店内。お客はいない。

  江戸紫と杉本が閉店の準備をしている。

  シャリ「オッチャン、明後日木葉んとこ行っていい?」

  江戸紫「オッちゃんて言ったからダメだな。」

  シャリ「ノーーーッ」

  江戸紫「冗談だよ。」

    「木葉ちゃんて神社の子だっけ?」

  シャリ「そうだよー。」

  江戸紫「そうだよー。はイイけどアクマが神社とか平気なの?」

  シャリ「何か問題でも?」


02 夜。オラ店内。

  松田がお客を席に案内している。

  その途中で青山と桜井が食事をしているテーブル。

  桜井「今日は来ないのか?」

  青山「誰?」

  桜井「他の皆。」

  青山「エドは来るはず。打ち合わせあるから。」

  桜井「来る日って決まってるのか?」

  青山「金曜土曜以外。ラジオ前日の打ち合わせだから。」

  桜井「そう言えばそんな事言っていたな。私ら邪魔か?」

  青山「いや。打ち合わせのネタも増えるし、

    「エドにも良かったみたいだしな。」

  桜井「ふーん。」

  青山「ふーんて何だ。」

  桜井「友達思いなんだな。」

    「で、エドってどんな奴なんだ?」

  青山「あのまんまだよ。」

  桜井「いやいや、私たちが来る前さ。二人っきりで会っていた頃。」

  青山「何かイヤだなそれ。」

    「あ!」

  桜井「何だ?」

  青山「お前ら何だ、映画館で密会してるらしいなコラ。」

  桜井「密会?」

  青山「俺様の情報網を舐めるなよ。お前ら付き合ってるのか?」

  桜井「映画館行ったらたまたまエドがいたってだけだよ。」

  青山「うーん?(疑惑の眼差し)」

  桜井「何だその目は。」

    「だいたいエドのアドレス知らないっての。」

  青山「俺はメルアドだけ知ってる。」

    「で、話を逸らすなよ。」

  桜井「映画館で会ったのだってついこの前だ。それで付き合ってるて言えるか?」

  青山「他の誰かと付き合ってるから?」

  桜井「忙しくてそんな暇無いよ。」

  青山「じゃあ俺と付き合ってよ。」

  桜井「忙しいって言ったの聞こえた?」

    「それでエドって誰か付き合っている子はいるのか?」

  青山「無理だな。」

  桜井「無理?」

  青山「エドと付き合いたいのか?」

  桜井「いや、チョットな。」

  青山「チョット付き合いたいのか。」

  桜井「そうじゃ無くて、もうチョットしたら話てやるからまて。」

  青山「お前が付き合いたいって事じゃないんだな?」

  桜井「うん。」

  青山「じゃあ俺と付き合ってよ。」

  桜井「夕食ならいつでも付き合ってやるよ。」

  青山「待て!昨日も今日もお前が夕食一緒に行くか?て誘ったんだぞ。」

  桜井「そうだっけ?」


以下台詞なし

03 朝 頼代駅前 中央通り

   学校へと向かうブランとシャリ。駅へと向かう江戸紫が別れ道で手を振る。


04 午前 郵便局からバイクで配達に出発する青山。


05 午前。レッスンを受ける松田。


06 午前。東雲外回り


07 午後。杉本書店。杉本仕事中、江戸紫バイトで合流。


08 午後。オラ。松田バイト。


07 午後。桜井部活、バレー。


08 午後。東雲部活、柔道。


09 午後5時15分 ラジオスタジオ。 青山スタジオ入り。

以上台詞無しここまで


10 5月3日 祝日 朝 江戸紫宅。

  江戸紫「神社だっけ?」

  シャリ「うん。」

  江戸紫「イベントとか無いの?」

  ブラン「憲法記念日に?」

  江戸紫「いや祝日だからさ。」

  ブラン「あそこはあまり関係ないよ。」

    「もっとこう、アレな神社だから。」

  江戸紫「あれ?」

  ブラン「アレだよ。木葉のママさんどえらい美人さんだぞ。」

  江戸紫「それを聞かされてどうしろと。」

  シャリ「おっちゃんは今日もパラダイス?」

  江戸紫「いや、日曜祝祭日は行かないことにしているんだ。」


11 午前。釣堀。青山一人で釣り。


12 午前 桜井 バレー部練習


13 午前 東雲 柔道部 試合。


14 午前 松田 オラ店内 バイト


15 昼。江戸紫宅。

  パソコンに向かいながらサンドウィッチを食べる。


16 昼 駅前 寿司屋。

  青山一人で食事中。


17 午後。杉本書店。

  江戸紫。裏口から入店。

  江戸紫「こんにちわ。」

  杉本「はいこんにちは。2人は遊びに行っているの?」

  江戸紫「はい。トモダチできたようでホッとしました。」

  杉本「木葉ちゃんのママはめっちゃカワイイわよ。」

  江戸紫「だからそれを聞かされてどうしろと。」


18 午後。杉本書店。

  ブランとシャリが裏口から入店。

  シャリ「ただいまー。」

  江戸紫「おかえり。」

  シャリ、江戸紫に駆け寄り

  シャリ「今日ねー七夕(なゆ)早苗(さなえ)とトモダチになったー。」

  江戸紫「もしかしてこの前木葉ちゃんを追いかけてた2人?」

  ブラン「よくわかったな。」

  江戸紫「まあ何となく。」

  シャリ「あとねー。ハチとトラとミー助。」

  江戸紫「それはきっと猫だな。ノトさんの知り合いだ。」

  ブラン「お前実は凄い奴だったのか?」


19 夕方。オラ店内。

  江戸紫、青山、ブラン、シャリが座る。

  青山「ボスはどうした。」

  江戸紫「片付けしてる。帳簿も締めないと。」

  青山「で、明日の原稿は?」

  江戸紫、リュックからコピー用紙を出し渡す。

  江戸紫「GW中ってリスナー減ったりするのか?」

  青山「どうかな時間帯的に職場で聞くって人は元々少ないから。」

    「イベントの告知を他の番組で聞いてるって人のが多いくらいだからなぁ。」

  江戸紫「それってどうなんだ。」

  青山「二人は子供の日暇なのか?」

  ブラン「私とシャリか?空いてるよ。」

  青山「遊びに連れて行ってやる。」

  シャリ「おおうっ何処行くのー?」

  青山「実家。」

  ブラン「何で私たちがお前の実家に挨拶しに行くんだよ。」

  青山「毎年5月5日は実家に帰ってるんだよ。」

  江戸紫「イベントあるとか?」

  青山「菖蒲湯とかしわ餅。」

  ブラン「フツーだ。」

  青山「鯉幟と兜飾りも出る。」

  江戸紫「フツーすぎる。」

  青山「フツーって言うけど、お前そんな事するか?」

  江戸紫「子供もいないのにするかよ。あ、今はいるのか。」

  青山「あのな、うちの実家も子供いなんだぞ。

    「皆家出てるんだぞ。なのにイロイロ用意するのって普通か?」

  ブラン「普通じゃ無いな。」

  青山「そうでもしなきゃ誰も帰らないからそうするんだ。」

  全員「は?」

  青山「子供の日だから子供達は家に帰って来いって、

    「で、そこまですれば帰るかと思ったんだとよ。」

  ブラン「子供達って兄弟いるんだ。」

  青山「姉ちゃんと妹。」

  江戸紫「姉妹も集まるの?」

  青山「端午の節句は子供の日。」

  江戸紫「子供の日だから男女関係無いって事か。」

  青山「男だろうが女だろうが子供には違い無いんだってよ。」

  江戸紫「で一家で集まってかしわ餅つまんで菖蒲湯入るのか。」

  青山「そう。」

  シャリ「おかしな一家。」


20 5月5日 朝 江戸紫宅前

  青山が車で迎え。

  江戸紫「イイ子にしろよ。」

  シャリ「はーい。」

  ブラン「お前は保護者か。」

  江戸紫「保護者だろうが。」

  青山「ハイハイ。イイから乗って。」

  江戸紫「何時くらいまで?」

  青山「ラジオまでには戻る。遅くても5時頃。」

  江戸紫「判った。その頃多分本屋にいるからそっちに頼むよ。」

  青山「お前も来るか?」

  江戸紫「今日はヤメとく。」

  ブラン「たまには一人にさせてやんないとな。」

  江戸紫「そりゃご親切にどうも。」

  ドアを閉める江戸紫。

  江戸紫「じゃ迷惑だろうけど、頼むよ。」

  青山「それがさ、うちの母ちゃん喜んじゃってよ。」

  ブラン「へいへーい。早く行こうぜーい。」

  シャリ「かしわもち!かしわもち!」

  シャリ、ブラン同時に「かしわもち!かしわもち!」

  青山「判った判った。

    「(江戸紫に)じゃあな。」


21 車内、青山運転中。シャリ、ブランともに後部座席。

  ブラン「一つずっと気になってたんだけど。」

  青山「なんだい?」

  ブラン「身内以外が集まっても平気なの?」

  青山「あぁ、何、気ぃ使ってるの?」

  ブラン「お前はその言い方やめろ。」

  青山「(笑って)ゴメンゴメン。」

    「大丈夫だよ。最近この行事もマンネリでさ、

    「ゲスト連れてくって言ったら母ちゃん喜んでたよ。」

  ブラン「ならイイんだけどさ。」


22 江戸紫、部屋でパソコンに向かっている。

  ヘッドホンを首にかけている。僅かに音が洩れている。


23 青山家(実家)。鯉幟のある庭。

  家の中には兜飾りのある部屋。

  居間、一家、青山母、姉、妹が座っている。

  青山の車が到着すると全員が玄関から外へ出て出迎える。

  青山母が降りるブランシェアとシャリに向かい

  青山母「あらあらカワイイお客様ね。」

  青山姉「何よ彼女連れてくるんじゃ無かったの?」

  青山妹「もしかして隠し子?」

  青山「友達のトコの親戚の子って言ったろ。」

  青山家女性陣「知ってるわよ。」

    「言ってみただけでしょ。」

    「相変わらずねぇ。」

  青山宅、かしわもちを食べる一堂。

  青山母「あんたもっと帰ってきなさいよ。」

  青山「帰ったって用無いっての。」

  青山母「ご飯食べに来な。あんたまた痩せたんじゃないの?」

  青山「変わってないよ。」

  青山姉「ちょっと痩せすぎじゃない?」

  青山妹「もうちょっと肉あった方がいいわね。」

  青山「だぁ。うるせー。だから帰ってきたくないんだよ。」

  ブラン「もっと頻繁に帰れば言う事も無くなるって。」

  青山母「あら。ウマイ事言うわねー。」

  シャリ「(青山に)ウマイ事言ったの?」

  青山「知るか。」

  喜ぶ青山母、鬱陶しそうにする青山。


24 青山宅

  青山母が青山に笑ってちょっかいを出している

  青山邪魔臭そうにするものの笑っている。

  ブランシェアが餅を食べながらソレを見ている。

  シャリを見る。

  ブランシェアの視線に気付くシャリ。

  ブラン「うまい?」

  シャリ笑顔で頷く。ブランの笑顔。


25 杉本書店内。江戸紫バイト中。

  レジ接客中の杉本。江戸紫は相変わらず本の整理をしている。

  正面入り口自動ドアが開く

  杉本「いらっしゃいませ。」

  青山「こんにちわ。」

  杉本「あらこんにちわ。」

  青山「エドいます?」

  杉本「奥にいるわよ。」

  青山奥へ。

  江戸紫「ああおかえり。早かったな。」

  青山「ちょっといいか?二人共車の中で寝ちゃって。」

  江戸紫「そうか。じゃあ店の奥に運ぶよ。」

  青山と江戸紫出入り口へ、

  江戸紫「すみません店長。ちょっと失礼します。」

  杉本「はいはい。手足りる?」

  江戸紫「多分。」


26 杉本書店。裏。駐車場。ブランシェアは起きて目をこすっている。

  シャリは江戸紫が抱えている。

  江戸紫「(青山に)今日は悪かったな。」

  ブラン「(青山に)悪かったのかよ。」

  青山「悪くなかったよ。」

  ブラン「ほれみろ。」

  江戸紫「判ったからお礼言え。」

  ブラン「フン。」

  青山「帰りの車の中で聞いたよ。」

    「じゃまた後でな。」

  江戸紫「うん。」

  車に乗り込み去る青山。

  

27 杉本書店内。仕事中の杉本、江戸紫。

  ブランシェアが休憩室、裏口から店内へ。

  江戸紫を探し、本整理をしながらメモを取っている江戸紫の近くに。

  ブラン「シャリ起きたから帰るよ。」

  江戸紫「うん?オラ行くよ。」

  ブラン「今日はたくさん食べたし疲れたから帰って寝るよ。」

  江戸紫時計を見る。18:40頃。

  江戸紫「そうか。気をつけて帰るんだよ。」

  ブランシェア踵を向けながら

  ブラン「保護者か。」

  江戸紫、ブランの後姿を見る。


28 オラ店内

  江戸紫、青山、松田、桜井が座り食事中。

  松田「(江戸紫に向かい)どうしたの?」

  江戸紫「え?」

  松田「具合でも悪い?」

  江戸紫「いや?どうもしてないよ?」

  松田「そう?」

  桜井「二人が心配なんだろ?」

  江戸紫「まぁ、そんなトコかな。」

  青山「うーん。ウチいたときは元気だったからな。」

    「疲れただけじゃないか。」

    「うちの姉妹の玩具にされてたし。」

  江戸紫「まあそうだろうとは思う。」

  桜井「とは言っても心配だよなー。」

  桜井ニヤニヤしている。

  青山「お前イヤなヤツだなー。」

  桜井「だってエドってばカワイイんだもん。」

    「ねぇ珊瑚。」

  松田「ふえ?」

  

29 江戸紫アパート。部屋に入る江戸紫。電気は点いている。

  居間でテレビを見ているブランシェア、シャリシャリ。

  シャリ「おかえりー。」

  江戸紫「ただいま。」

  ブラン「早かったなぁ。」

  江戸紫「ん?そう?」

    「それより大丈夫なんか?」

  ブラン「何が?」

  江戸紫「いや、疲れてたみたいだからさ。」

  ブラン「あぁ大丈夫だよ。今頃チョットお腹減ったけど。」

  江戸紫「ホラ。」

  江戸紫コンビニの袋を取り出す。

  シュークリーム、プリン。2個ずつ。

  シャリ「プーーリーーーンーーー!」

  江戸紫「シャリはプリン好きなんだ。」

  シャリ「好きーーー。」

  ブラン「おじゃるか。」


30 夜中、江戸紫宅。

  江戸紫はパソコンで入力作業。

  隣の部屋の戸が開きブランシェアが出てくる。

  ヘッドフォンをしている江戸紫だが気付いて外す。

  ブラン「まだ起きてるんだ。」

  江戸紫「あ、キーボードの音煩いか?」

  ブランシェア黙って首を横に振る。

  江戸紫の近くに寄って画面を覗く。

  ブラン「ラジオ原稿?」

  江戸紫「いや、翻訳の方。」

  ブラン「ふーん。」

  江戸紫「どうした。アオの家で何かあったのか?」

  ブラン「別に。」

  江戸紫「ま、とにかく座れ。今ミルク温めるから。」

  ブラン「うん。」


31 夜中 江戸紫宅

  こたつに座ってミルクのカップを両手で持って飲むブランシェア。

  ブラン「プハー。もうそろそろ麦茶の季節だな。」

  江戸紫「まだ早いだろ。」

  ブランシェア答えずミルクを飲む。

  江戸紫も何も言わずにミルクを飲む。

  間を空けてから

  ブラン「軽いホームシックだから気にすんな。」

  江戸紫「ん?そうか。」

    「帰ればイイのに。そんな簡単に帰れないのか?」

  ブラン「そんな事ないよ。」

  江戸紫「じゃ明日も明後日も休みなんだから帰ればいいのに。」

  ブラン「恥ずかしいじゃん。」

  江戸紫「何が。」

  ブラン「んー。イロイロと。」

  江戸紫「家に帰るのが恥ずかしい事とは思えないけどなぁ。」

  ブラン「まぁすぐに治まるから。」

    「そんなに心配すんな。」

  江戸紫「眠れなくて夜中に起き出して心配するなって言われてもな。」

  ブラン「それはアレだ。昼間車の中で寝たから。あと本屋でも寝たし。」

  江戸紫「ふーん。」

  ブラン「それに帰って来てからも少し寝たし。」

  江戸紫「(微笑んで)うん。」

  ブラン「(赤くなって)ヤなヤツ。」

  江戸紫「来週の母の日に何か贈ったら。」

  ブランシェア、ハッとして

  ブラン「母の日か。珍しくイイ事思いつくな。」


32 花屋。赤いカーネーション、白いカーネーション。

  ブランシェアが女性店員と話している。

  ブラン「母の日に間に合う?」

  店員「大丈夫ですよ。」

    「現地の花屋さんが運んでくれますから。」

  ブラン「お金はコッチで払いたいんだけど。」

  店員「ええ、大丈夫です。」

    「カードの見本があるので選んでください。」

  ブラン「え。ソレって別料金?」

  店員「いいえ、サービスですよ。」

  ブラン「そっか。じゃあね・・・」

  ブランシェア、店内で花を見ているシャリと江戸紫を見る。

  ブラン「あと別で白いの2本ください。」

  

33 頼代駅中央通り

  白いカーネーションを胸に刺すシャリシャリと江戸紫。

  ブラン「カードにシャリの名前も入れたからな。」

  シャリ「うん。」

  江戸紫「何で白いの買って付けさせたの?」

  シャリ「えっとねー、赤いのはママにあげたからー。」

  江戸紫「うん。白いのは?」

  シャリ「白いのはシャリが付けるからー。」

  江戸紫「カーネーションて贈りものじゃ」

  ブラン「(遮って)白いカーネーションは自分の胸に付けるモノなんだよ。」

  江戸紫「そうなんだ。」

    「じゃあ何で自分の分は買わなかったんだ?」

  ブラン「はぁ(溜息)。チョット黙っとけ。」

  シャリ「えっとねー。ブランのママはシャリのママでねー

    「シャリのおかーさんはいないけど

    「ブランのママはおかーさんだからなの。」

  江戸紫「ちょっと何を言っているのか判らない。」


34 青山家(実家)

  宅配便。母が受け取る。差出人は青山。

  赤いカーネーションの束。

  青山母「自分のとこ(郵便)使えよ。」


35 江戸紫 モノローグ

  英語を第二外国語として学ぶ人に

  「最も美しい英単語は?」ってアンケート調査をしたら、

  一位に「Mother」が選ばれたそうだ。

  母の日について調べてみた。

  アメリカから生まれた習慣で、

  クリスチャンの女性が自分の母の命日に、

  信者の人たちに白いカーネーションを配ったのが始まりだそうだ。

  それから、お母さんが健在な人は赤いカーネーションを、

  亡くなった人は白いカーネーションを胸に飾って

  感謝の心を新たにするようになったそうだ。


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