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明日は晴れると思う  作者: 奏路野仁
12/13

12話

十二話


挿絵(By みてみん)


01 夜。頼代駅前 中央通り。

  魔女率の高いクリスマスの飾り付け。イルミネーション。

  買い物袋を提げている江戸紫

  隣にシャルロとブランシェア。

  シャリの顔は不機嫌。

  ブランと手を繋いで歩いている。

  江戸紫「ここんとこ不機嫌だけどどうした?」

  ブラン「毎年この時期は不機嫌だよ。」

  江戸紫「何で。」

  ブラン「クリスマスだから。」

  江戸紫「シャリはクリスマス嫌いなの?」

  ブラン「こいつアクマだぞ。」

  江戸紫「だから?」

  ブラン「聖なる夜とか言っている何処にアクマの居場所があるか。」

  江戸紫「何か関係あるの?」

  ブラン「いや。ただの思い込み。」

  江戸紫「そうなんだ。」

  ブラン「子供の頃それでちょっとな。」

  江戸紫「(今も子供じゃん)」


02 映画館パラダイス前 午前9時前

  江戸紫と青山が劇場内を飾り付けしている。

  ジュースの自販機は撤去されている。

  ポップコーン売り場も閉鎖。

  江戸紫「悪いな休みの日に。」

  青山「仕事中のが無理だろうが。」

  シャリ「ふんサボりの常習犯めが。」

  青山「(江戸紫に小声で)まだ治らないのな。」


03 映画館パラダイス。

  東雲が現れる。

  青山「どうだった?」

  東雲「あった。」

  東雲、持っている紙袋からクリスマスの飾り付けを取り出す。

  東雲「お菓子とジュースは車にあるから。」

  青山「おう。降ろすの手伝うよ。」

  東雲「あとこれ。局の宛名で良かったんだよな。」

  青山、東雲から領収証を受け取る。

  東雲「他に何か忘れていないよな。」

  青山「多分。まあ忘れてたらエドが走るさ。」


04 映画館パラダイス

  桜井、松田が加わり会場の準備。

  サロンでコーヒー、お茶の準備。

  青山はコーヒーを松田から受け取る。

  青山「ありがとう。」

  桜井「まったく。もっと早く言えよな。」

  青山「悪かったよ。自分主催イベントじゃないからすっかりと。」

  桜井「仕切りたがりが珍しい。」

  青山「ま、今回はな。」

  桜井「それはそうと紙コップこんなもんで足りるのか?」

  青山「足りるんでない?」

  青山時計を見る。


05 映画館パラダイス

  ロビー時計が9時40分くらい。

  子供を連れた家族が数組ロビーから館内へ。

  青山「なんとか体裁は整っただろ。」

   「皆映画見ていくの?」

  桜井「あーいや、もっと紙コップ必要かも。」

  江戸紫「あー。それなら大丈夫。助っ人くるから。」

  青山「助っ人?」

  江戸紫「もうそろそろ来る頃だと思うけど・・・」

  江戸紫時計を見ると同時に杉本が入館。

  シャリ「(毒々しく)すげぇ。こんなタイミングありえねぇ。」

  江戸紫「もういい加減機嫌直して。」

  江戸紫出迎え

  杉本「裏の駐車場に止めたけど何処運ぶの?」

  江戸紫「あ、はい。やります。」

  江戸紫、外へ出て車まで。ダンボールを運び戻る。

  杉本がレジ袋を持ってドアを開け二人中へ。

  レジ袋の中には紙コップ。

  青山、ブランに向かって

  青山「あいつ結構気配りできるのな。」

  ブラン「お前のおかげだな。」

  青山「なんだそりゃ。」

  江戸紫電話を取り出し少し離れて電話。

  青山「今度は何だ?」

  ブラン「さあ。」

  江戸紫が戻る。

  青山「何か問題か?」

  江戸紫「支配人呼んだんだよ。」

  青山「へー。」

  江戸紫「何。」

  青山「結構動くんだなお前。」


06 劇場パラダイス

  江戸紫は映画館支配人と映写機を調整。

  スクリーンにはカラーバーが映っている。

  支配人「サーバーにデータ入っているから」

    「フィルム交換もいらないよ。」

    「デジタルは有り難いねぇ。」

  江戸紫「音量の調整は、これですね。」

  パソコンの画面を見ながら調整。

  支配人「作品毎に設定できるよ。これ。」

  江戸紫「これ設定しちゃったらあとはお任せなんですね。」

  支配人「停電にでもならない限り勝手に上映するよ。」

    「昔はいちいちフィルム交換とか」

    「古いテープは途中で切れちゃったりして大変だったなぁ。」

    「いつの時代も恐竜ば絶滅する。」

  カラーバーを見つめる支配人と江戸紫。


07 劇場パラダイス

  ロビー時計は9時55分。

  席は親子連れで埋まっている。

  賑やかな館内。

  ブラン、サロンでコーヒーを啜りながら

  ブラン「なんでホームアローンなんだ?」

  江戸紫「何でって親子向けじゃん。」

  ブラン「エルフサンタの国からやってきたにするって言ってたじゃん。」

  江戸紫「言ってない。」

  シャリ「お?エルフをバカにするのか?」

  江戸紫「してません。」

    「今回はベタな映画を選択しただけ。」

  ブラン「だからどうして。」

  江戸紫「映画ってさ、状況や雰囲気が変われば見方も変わるだろ。」

  ブラン「へー。チョットは考えているんだ。」

  江戸紫「チョットだけな。」

  シャリ「じゃあバッドサンタにすればいいのに。」

  江戸紫「じゃあって何だ。あんなの子供に見せられるか。」

  シャリ「(偉そうに)シャリは見ましたが?」

  江戸紫「じゃあ余計他人に勧めるなよ。」


08 劇場パラダイス

  館内は満席。

  明るく騒がしい館内にブザーが鳴り

  照明がゆっくり落ちる。

  広告等無く上映開始。


09 劇場パラダイス

  映画上映中。

  観客の笑顔。笑い声。

  シャリ、ブラン、木葉、七夕、早苗も座って観劇。

  支配人も座っている。

  江戸紫、青山、東雲、杉本、桜井、松田は

  狭い映写室にパイプ椅子に座りスクリーンを見ている。

  杉本「ある意味特等席ね。」


10 劇場パラダイス

  ロビーの時計11時40分頃。終了する。

  スクリーンはエンドロール。

  立ち上がる数組の客。

  青山「お前どっち派?」

  江戸紫「残る派。お前先出る派か?」

  青山「うん。」

  江戸紫「(桜井に向かって)そう言えば桜井さんも出る派だよね。」

  桜井「見たって知らん人だし。」

  青山「だよなぁ。知り合がい関わったなら見るかもしれねーけど。」

  松田「えースタッフロールの後にオマケとかあったら見過ごすじゃない。」

  江戸紫「そう言うからには残る派だね。」

  松田「うん。」

  青山「大佐は?」

  杉本「誰が大佐だ。」

    「今まで黙ってたけど、私映画って最後まで見られた事無いのよ。」

  青山「は?」

  杉本「いっつも途中で寝ちゃうのよねー。」

    「それが判っているからDVDなんて借りた事も無いの。」

  青山「商売道具の否定だ。」

  杉本「子供の頃親に南町の映画館に連れて行ってもらったらしいけど」

    「すぐに寝ちゃって。それからもう連れて行ってもらえなくなったのよ。」

    「テレビでも映画やるでしょ。

    「あれ見ていると必ず寝ちゃうのよねー。」

  江戸紫「でも今日は寝ませんでしたね。」

  杉本「そうなのよー。こんな事初めて。」

    「結構見入っちゃったわ。」

  ニコニコしている江戸紫

  青山「シノも寝る派だろ。」

  東雲涙をボロボロ流し、ハンカチで拭いている。

  東雲「何か言った?」


11 劇場パラダイス サロン

  午前上映の最後のお客を見送る。

  青山「さあ入れ替えだ。フィルム交換手伝うか?」

  江戸紫「うん?ああ平気。準備してあるから。」

    「それより皆でお昼に行って来てよ。」

  青山「そうなの?少しバタバタするくらいのが思い出に残るのに。」

  江戸紫「別に全部付き合わなくてもいいぞ?」

  青山「まあ暇だから。」

  江戸紫「今日暇とか大丈夫か?」

  桜井「なにそれ私に言ってる?」

  松田「私に言っているのかも。」

  江戸紫「ひぃっ。ちょっと映写室でセッティングしてくるっ。」

  青山「さっき準備してあるって。」


12 劇場パラダイス 映写室

  江戸紫「ふぅ。」

  ブラン「逃げおおせると思ったかっ。」

  江戸紫「ひぃっ。止めろっ。」

  ブラン「何か手伝うか?」

  江戸紫「いや大丈夫。もう済んでいるから。」

    「皆を引き連れてお昼に行ってきてよ。」

  ブラン「シャリが行きたがらん。」

  江戸紫「どうした。まだイラついているの?」

  ブラン「いやお前が行かないからだよ。」

  江戸紫「なにそれ。」

  ブラン「チョットマジメな話するけど、」

  江戸紫「うん?」

  ブラン「それで困った事になるかも。」

  江戸紫「何?」

  ブラン「私たち、そろそろ帰らなきゃいけないんだけど、」

     「シャリが嫌がると思うんだ。」

  江戸紫「帰るって、いつ頃。」

  ブラン「来年早々だな。」

     「遅くても春になる前には帰る。」

  江戸紫「そうか。で困るって何。」

  ブラン「シャリが泣く。」


13 劇場パラダイス 映写室

  江戸紫「泣くって。」

  ブラン「おまえシャリに泣かれてもイイように何か気の利いた台詞考えとけよ。」

  江戸紫「お前が説得しろよ。」

  ブラン「断る。」

  桜井「エド。」

  開いているドアから桜井が顔を出し江戸紫を呼ぶ。

  江戸紫「何で断るんだ。え?はい?」

  桜井「すまん。盗み聞きするつもりで聞いた。」

  江戸紫「は?」

  桜井「ついでにもう一人にも気の利いた台詞頼むよ。」

  江戸紫「(ブランを指差して)こいつに?」

  桜井「じゃなくて。」

  江戸紫「じゃあ誰ですの。」

  ブラン「まったくコイツは。順を追って話してやれアカリ。いやいい私が話す。」

  桜井「え?ちょっと何。」

  ブラン「珊瑚がお前に惚れてるから引越したくないんだと。」

  江戸紫「は?」

  桜井「直球すぎる。」

  ブラン「このバカが遠まわしに言って通じると思うか。」

  江戸紫「え?誰が何だって?」

  ブラン「どういうワケか珊瑚はお前に惚れー」

  桜井がブランの口を押さえる。

  桜井「チョットだけだぞ。チョットだけだ。」

  江戸紫「は?」

  桜井「珊瑚にとってお前は大事な友達だって事だ。」

  江戸紫「はあ。」

  桜井「そのお前と離れるのが辛くて引越しを先延ばしているんだ。」

  江戸紫「はあ。」

  桜井「だからお前が気の利いた台詞を言って珊瑚を送り出してやってくれ。」

  桜井息切れ。

  江戸紫「はあ。」


14 劇場パラダイス

  13時30分頃

  カップル、若い夫婦等20数名。

  子供の姿は無い。

  青山、東雲、杉本、桜井、松田は席に着く。

  江戸紫は映写室に一人でいる。


15 劇場パラダイス

  ロビーの時計は4時15分頃

  場内は明るく最後のお客が外へ出る。

  青山「二時間以上あったんだな。」

    「あ。だから次4時半にしたのか。」

  ブラン「お前は何に感心しているんだ。」

  江戸紫「次も二時間超えるから見るなら今のうちに休んで。」

    「見ないならオラにでも行って休んで。」


16 劇場パラダイス

  ロビー時計は6時30分頃

  スクリーンは「素晴らしき哉、人生!」上映中。

  シャルロ、ブラン、青山、東雲、桜井はいる。

  杉本と松田はいない。


17 劇場パラダイス

  江戸紫、ロビーのゴミ箱から紙コップの入った袋を回収。

  シャリ「中はゴミ無いよー。」

  江戸紫「お疲れさま。お腹空いたろ。」

  シャリ「そうでもないかなー。」

  ブラン「お菓子食べ過ぎだ。」

  江戸紫「また皆で先にオラに行っててよ。」

    「大佐と松田さんが準備してくれているはず。」

  ブラン「お前は?」

  江戸紫「支配人に挨拶して鍵を返さないと。」

  ブラン「そうか。じゃあ先行ってる。」


18 オラ店内

  江戸紫と松田以外が座る。

  シャリの前にパフェがあるが手を付けない。

  青山「お菓子食べ過ぎだ。」

  ブラン「違うよ。」

  青山「違うって何。」

  ブラン「シャリはアクマだ。」

  青山「だから?」

  ブラン「ったくどいつもこいつも。今日は何の日だ。」

  青山「クリスマスイブ。」

  ブラン「シャリはアクマなの。」

  青山「は?」

  ブラン「何処のアクマがキリスト生誕前夜を祝うか。」」

  青山「何か関係あるの?」

  ブラン「まったく無いっ。」


19 劇場パラダイス 裏口外

  ドアに鍵をかける支配人。

  車に乗り込み走り去る。

  江戸紫はそれを見送り灯りの消えた映画館を眺める。


20 オラ店内

  江戸紫合流

  江戸紫「雪降ってきたよ。」

  ブラン「黙れ。余計な事言うな。」

  江戸紫「ええ?」

  ブラン「ホワイトクリスマスとかこれ以上シャリを怒らせるな。」

  青山「世界が滅ぶ?」

  ブラン「かもな。」

  江戸紫「それで松田さんがケーキ止めてパフェ用意してくれたのに。」

    「いらないなら僕が食べ」

  シャリ「ダメーっ。」


21 早朝 雪。

  劇場パラダイス

  裏の駐車場に青山、東雲、杉本、桜井、松田がいる。

  江戸紫、シャルロ、ブランシェアが現れる。

  江戸紫「お待たせ。」

  青山「おう。何かあったのか?」

  ブラン「クリスマスプレゼントにシャリがハマった。」

  シャルロは仮面ライダーストロンガーの衣装コスプレ。

  タッタッタと駆ける

  シャリ「ライダーッキーックっ」

  青山に飛び蹴り

  青山「どわっ」

  シャリ「でなた変態DJタイツ男!」

  シャリ「(ポーズを決めて)天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶっ悪を倒せと」

  青山「悪を倒せって、お前が倒されるのか?」

  シャリ「(うずくまって)うぐぅおっ。おのれ変態タイツ男。」

  シャリそのまま薄っすら積もった雪をかき集め青山に投げる。

  シャリ「ライダービームっ」

  青山「ストロンガーにビームとかねぇっ」

    「それからせめてDJを付けろっ。」

  青山追いかける。逃げるシャルロ。

  シャリ「ギャーっ変態タイツ男がーっ誰か通報してーっ」

  フェードアウト


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