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明日は晴れると思う  作者: 奏路野仁
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10/13

10話

十話


挿絵(By みてみん)


ハロインて何だ?

市民権(?)を得たのはいつからだ?

その起源や元ネタを全く知らない。

子供が仮装して「いたずらかおかしか」と家を回る。

だけに留まらず大人たちも「扮装」し「馬鹿騒ぎ」の口実とする。

宗教的なイベントだとしたらタチが悪い。

「毛布を持った少年がかぼちゃ大王を待ち続ける日」

この程度で充分。


01 頼代駅前通りラジオスタジオ。

  青山がマイクに向かっている。

  青山「10月31日は何の日か知っているね。」

    「毛布大好き少年ライナスが信奉するカボチャ大王の日。」

    「ハーーローーーイーーーン」

  曲が流れる。halloween/helloween


02 杉本書店内。ラジオ。

  曲終りでラジオ局の案内が流れる。

  「番組へのお便りはハガキ、FAX、ホームページ、Eメール各種SNSで-」

  ブラン「前からちょっと気になってたんだけど。」

    「これって珊瑚じゃね?」

  シャリ「うん。」

  ブラン「お前知ってたの?」

  シャリ「今知ったー。」

  ブラン「エドは何か聞いてた?」

  江戸紫「いや。」

    「そもそもコレって本当に松田さん?」

  ブラン「どうなんだ?シャリ」

  シャリ「サンゴだよー。」

  ブラン「だそうだ。」


03 杉本書店内。

  客無し。江戸紫は本棚に向かってリスト作成。

  シャリとブランシェアがその隣で横槍。

  江戸紫「待て待て。ベンジャミン・サックスの新コロッセオは文学だろ。」

  ブラン「歴史モノじゃね?」 

  シャリ「文学歴史の20!」

  江戸紫「何でそんなの知ってるんだよ。」

  シャリ「ハンターーーーチャンス。」

  カウンター内(レジ前)の杉本が突然。

  杉本「エド。」

  江戸紫「ホレ、黙って仕事しろと。」

  ブラン「(敬礼しながら)サーイエッサー。」

  シャリ「(敬礼しながら)サー。」

  杉本「エード。」

  江戸紫「はい。静かにさせます。」

  杉本「そうじゃなくて。」

  江戸紫「なんです?」

  杉本「ちょっとアッメーリカに行ってくる。」

  シャリ「ドロンパ?」


04 映画館パラダイス。江戸紫、シャリ、ブラン入館。

  三人受付へ。誰もいない。呼び出しベルを鳴らす。

  受付のドアを開け、支配人が江戸紫の顔を確認するとロビーに回るよう合図。

  映画館パラダイス。サロン。

  支配人「突然で申し訳ないけど、この劇場は11月末で閉鎖する。」

  ブラン「本当に突然だな。」

  シャリ「いやーーっ。」

    「笑えないコメディとか泣けないロマンスとかもっともっと見せてよー。」

  江戸紫「残念です。本当に。」

  ブラン「なんで?儲からないの?」

  支配人「結構儲かってるよ。」

  シャリ「あんなラインナップで?」

  支配人「日曜祝日春夏冬休みのアニメ映画は儲かるんだ。」

  シャリ「アニメやってるの知らなかった(頭を抱える)」

  江戸紫「平日しか来ないからな。」

  ブラン「それじゃどうして?」

  支配人「ハリウッドに行く。」

  江戸紫「ここでもアメリカが。」


05 オラ店内

  テーブル席。江戸紫、青山、ブランシェア、シャルロ

  青山「ハロインイベントは30日の午後から許可取れた。」

  ブラン「前日じゃん。」

  青山「前夜祭って事で。」

  江戸紫「仮装行列するの?」

  青山「せっかくのメインストリートだから活用しないとな。」

  江戸紫「月曜から告知する?」

  青山「ああ頼むよ。」

  江戸紫「開始時間と終了予定と、雨降ったらどうするか。」

  青山「ストリート開放は14時から。行進は15時から。

    「駅からメインストリート左車線を通って」

    「折り返して駅前まで。行進終りは17時頃だろな。」

    「イベント終了は19時。」

    「で、雨天決行!」

  江戸紫「(メモしながら)了解。」

  青山「当日は仮装しないと行進には参加できないって加えて。」

  江戸紫「今日中に仕上げて明日渡すよ。ボランティアの手配は?」

  青山「そっちはこっちの仕事だ。そうそう不思議だったのがさ」

    「ボランティア頼んだ商店街の人達が揃って「そろそろいいかもね」て言ってたんだよ。」

  江戸紫「なにそれ。」


06 オラ店内。青山、江戸紫、シャリ、ブランに東雲、桜井が加わっている。

  東雲が手提げ紙袋。

  東雲「母が退院したんで。」

  言いながら紙袋から菓子折りを配る。

  青山「快気祝いってヤツだな。」

  シャリ「カイキイワイってー?」

  ブラン「お見舞いに来てくれたお陰で元気になりましたありがとう。て意味だ。」

  シャリ「ほうほう。」

  ブラン「(東雲に)でその後調子はどうだ。」

  東雲「本当に元気だ。」

  ブラン「あまり心配かけるなよ?」

    「それからちゃんと色々報告しろよ。」

  江戸紫「彼女って言うより親戚のおばちゃんだな。」


07 オラ店内

  杉本が加わる。

  席に着くと松田が注文を聞きに来るが

  杉本「あ、いいわ。すぐ戻らないとだから。」

    「それよりサンゴちゃんいるうちに言っておくわ。」

    「明後日から2週間アメリカ行きが決定したの。」

  青山「はやっ。」

  杉本「でコレから家で準備あるからすぐに帰るわ。」

  ブラン「随分急だなァ。」

  杉本「ええ、さっき親から店に電話あったのよ。」

    「どうせ断らないだろうからチケット取っておいたって。」

    「それ伝えるの忘れてたんだって。」

  桜井「アメリカの何処行くんです?」

  杉本「さあ?」

  青山「さあって。」

  杉本「いかんせん急だったから。」

    「まぁ2週間だけだし、帰ってきたらイロイロ報告するわよ。」

    「そんなんで忙しいから明日もココに寄れないから挨拶に寄ったの。」

  青山立ち上がって

  青山「ソレじゃ皆様グラスを持ってご起立ください。」

    「お冷の方もいらっしゃいますが今日のところはご了承いただいて。」

    「杉本書店のアメリカ進出第一歩と、旅の安全を祈願いたしまして。」

  青山「Salud!」

  全員「Salud!」

  杉本水を一気飲みして、

  杉本「で、エドは明日いつも通り店にきてね。」

  杉本慌しく退場。

  がすぐに戻り

  杉本「青山君。この街でハロインイベントするなら魔女に話通しておきなさいよ。」

  青山「まじょ?」

  杉本退場。

  青山「魔女って?」

  シャリ「ノトさんの家にいるよ。」


08 オラ店出入り口。

  江戸紫、シャリ、ブランが帰るのを松田が見送っている。

  松田店内へ戻る

  桜井、青山、東雲が何か飲んでいる。

  桜井「皆動いてるなぁ。」

  青山「お前はどうすんだよ。」

  桜井「何を?」

  青山「デルモのチャンネーになるのか?」

  桜井「ああ。やれる範囲ではやる。」

  青山「どういう事?」

  桜井「んー。仕事の一部としてならするって事だな。」

    「宣伝の一環として車と一緒に写るかも知れない。」

    「でもファッションモデルとしてとかなら出ない。」

  青山「ふーん。」

    「何か、勿体ないな。」

  桜井「本職のモデルに失礼だろうし

    「アタシは今の仕事好きだしな。」

  松田が戻り、テーブルの上の皿を片付けながら

  松田「朱莉ちゃんならモデルでも成功すると思うけどなぁ。」

  東雲黙って頷く。

  桜井「そんなに甘い世界じゃないだろうよ。」

    「なれるなれないはともかく、なる気が無いよ。」

  全員「勿体無い。」


09 朝。杉本書店前。シャッター閉じている。

  シャッターに張り紙「職員研修により11月3日までお休みいたします」

  店内

  杉本「で、エドには明日から二週間南町店に行ってほしいの。」

    「というか行ってね。話通してあるから。」

  江戸紫「判りました。」

  ブラン「しかし急だったな。」

  杉本「親が忘れていただけよ。」

    「チケットやら宿やらの手配は全部済んでるんだって。」

  シャリ「結局何処行くの?」

  杉本「えーっと、ボストン、ニューヨーク、ワシントン。だっかな。」

  シャリ「東を南下するんだねぇ。」

  杉本「そうなの?よく知らないの。」

  ブラン「まぁ二週間しか無いし無難なとこだろな。」

     「移動にかける時間が勿体ない。」

  江戸紫「で、何を見てくるんです?」

  杉本「ネット通販の対抗措置から本支店間経営。従業員教育ノウハウ。」

  ブラン「欲張りなヤツ。」

  杉本「行くからにはできるだけ吸収してくるわよ。」

  シャリ「明日のいつ行くの?」

  杉本「え?」

  ブラン「何時出発かって。」

  杉本「朝一ってとこかしらね。」

  シャリ「んー。」

  杉本「見送りなんてイイわよ。2週間で帰ってくるんだから。」

  シャリ「はろいん間に合わないねー。」

  杉本「本場のハロイン堪能してくるわよ。」

  シャリ「ハッ!そうか!本場モンか!」

     「うおおおっ一緒に行きてぇーーー。」

  江戸紫「今日は何をすればイイんです?」

  杉本「家で荷造りしないとだから帳簿よろしく。」

  江戸紫「付けた事無いですよ。」

  杉本「やれば判るわよ。」

    「昼頃また来るから、そしたら一緒に食事行きましょ。」

    「ブランちゃんとシャリちゃんは読みたい本読んでイイから」

    「しっかりエドの監視しててね。」

  ブラン「サーイエッサー。」

  シャリ「サー。」


10 オラ店内

  桜井、青山が向かい合って座っている。

  その席の横を店員に案内され歩く杉本達。

  先頭を歩くブランが気付く

  ブラン「おう。何の密会だお前ら。」

  シャリ「密会!密会!」

  杉本「こらこら邪魔しちゃダメよ。」

  と、行き過ぎようとする。

  桜井「商談です。」

  青山「商談?脅迫だろう?」

  ブラン「なにやらきな臭くなってきたぞ。」

  シャリ「きなこ餅!きなこ餅!」

  杉本「まぁまぁとりあえず座ってランチだ。」


11 松田オーディション会場へ。


12 オラ店内

  各自食事中

  ブラン「(桜井に)で?

    「(青山を指して)こいつ揺すったらいくらか出すのか?」

  桜井「人聞きの悪い。純然たるビジネスよ。ビジネス。」

  シャリ「アカリはゆすりを仕事にしているの?」

  桜井「違う!」

    「車を売っているの。」

  青山「脅迫してな。」

  桜井「黙れ。」

  青山「オレは客だぞ。」

  桜井「うるさい黙れ。」

    「あ、いや、お客様。ちょっと口を閉じていてくださいませ。」

  ブラン「あれ?変態DJはイイ車持ってるじゃん。」

  シャリ「海も行ったよねー。」

  青山「あれは母のだ。」

    「オレはバイクで充分。車必要になったら家族の誰かに借りる。」

    「今までそうだし、コレからも平気。」

    「(桜井に)ってずっと言っているのだがな。」

  桜井「必要になるって。車の一台くらい持っていないと笑われる歳だぞ。」

  シャリ「(江戸紫を指差し)わははは。」

  江戸紫「車なんて贅沢だ。」

  桜井「フリーターはともかく労働者は車買え。」

  青山「随分乱暴な言い分だな。」

  杉本「あれ?朱莉ちゃんて営業じゃないでしょ?

    「ノルマでもあるの?」

  桜井「いいえ。」

  青山「うちの局、あ、ラジオ局ね。」

    「コイツんとこがスポンサーに付いたんですよ。」

  桜井「で、その人気DJが車持って無いなんてオカシイだろうと。」

  杉本「上から言われてきたの?」

  桜井「いいえ。この際だから売りつけてやろうかと。」

  東雲入店。対応した店員に青山がいるか確認。

  テーブル前へ

  いつになく愛想の良い東雲。

  東雲「あ。皆さんお揃いで。」

  カバンからパンフレットを出し、にっこりしながら

  東雲「(青山に)車、買うよな。」


13 杉本書店内。

  江戸紫が本棚に布を掛けている。

  シャリとブランは座って本を読んでいる。

  シャリは司馬遼太郎「竜馬が行く」

  ブランはエドガー・アラン・ポーの短編集

  作業をしながら

  江戸紫「二人ともホントに本が好きだよな。」

    「でもそんな本読んで判るの?」

  ブラン「失敬な。」

  シャリ「実に遺憾だ。」

  ブラン「ワタシはコレの英版とフランス版を既に読んだ。」

  シャリ「えーと、うーと」

  ブラン「お前はポー好きじゃ無いもんな。」

  シャリ「でも乱歩は読んだよ。」

  江戸紫「すごいなぁ。今までどれくらい読んだの。」

  シャリ「お前は今まで食べたパンの枚数を覚えているか?」

  江戸紫「え?なにそれ。」

  ブラン「世界には言葉が溢れている。」

    「本ってのはそれを閉じ込められるんだ。」

    「まあ何処ぞの会社員が自費出版した自叙伝はただのゴミだが」

    「この世には読む価値の無い本は出版されない。」

  シャリ「えーっ面白いじゃん。中年サラリーマンの自分語り。」

  ブラン「(咳払いして)まあいい。」

    「お前にボルヘスの言葉を贈ってやろう。」

    「言語はまた音楽であり情熱であり得る。」

  江戸紫「世界中の本を読み尽くしそうだな。」

  杉本が裏口から来る。

  杉本「お疲れさまー。」

  江戸紫「荷造り終わったんですか?」

  杉本「ええ。二週間程度だし日用品は現地調達もできるでしょ。」

    「それより何をどう見て調べてくるのか整理するのに手間取ってるの。」

  ブラン「大佐英語は?」

  杉本「日本の平均的中、高校生レベル。」

  ブラン「じゃ読めるけと聞けない喋れない。てやつだな?」

  杉本「もうちょっと酷いかもね。」

  ブラン「ふむ。明日出発じゃあ本当に一夜漬けになるな。」

  江戸紫「見てくるだけでもイイんじゃないですか。」

    「商売の基本はそれほど違うとは思えないし。」

    「そんなに欲張らずに、今回は体験しに、

    「それこそ空気を感じてくるってだけでも大きいと思いますよ。」

  ブラン「相変わらず暢気な野郎だが」

    「今回は珍しく真っ当だな。」

  杉本「ホント暢気ねぇ。」

    「まぁでも今回はあまり欲張らないように方針変更かな。」

    「コレが最後ってわけじゃないしね。」


14 杉本書店

  杉本「さて。そろそろ終りにしましょう。」

    「本店の鍵エドに預けておくわ。」

    「何かあったらよろしくね。」

  ブラン「いいのか?こんな奴に任せて。」

  杉本「任せられない理由は無いわよ。」

  杉本、江戸紫に鍵を渡す。

  ブラン「さて、しばらく会えなくなるから

    「何か言っとけ。」

  江戸紫「楽しんできてください。

    「土産話待ってますので。」

  シャリ「冒険ってのは無事に帰るから冒険なんだよ。」

    「(泣きながら杉本にハグ)生きて帰って来るんだよー。」

  ブラン「二人ともマトモだなぁ。」

  江戸紫「お前は何か言わないのかよ。」

  ブラン「うん?うーん。そうだなぁ。」

    「道を知るのと歩くのは違う。」

  杉本「は?」

  ブラン「いや、どこぞの暢気君と違って大佐は判ってるな。」

  杉本書店裏口で鍵を閉める江戸紫。

  ブラン、シャリが杉本に手を振っている。


15 図書館

  窓から空を見上げる江戸紫。

  飛行機雲が伸びていく。


16 三原家前

  ブラン「で?お前はともかくどうして私達までここにいるのか説明しろ。」

  江戸紫「青山から頼まれた。お前ら黒猫ノトの知り合いだろ?」

  ブラン「家主とは知り合いじゃないよ。」

  シャリ「この時間だとノトさん神社だよ。」

  江戸紫「そこまで把握しているのは怖いぞ。」

  三原家の門、インターホン押す前に声。

  市野萱友維(いちのかや ゆい)「そんなところでゴチャゴチャ言っていないで入れ。」


17 三原家リビング

  市野萱「で?」

  江戸紫「え?ああはい。えっと10月30日に駅前の通りでハロインのイベントを予定しておりまして。」

  市野萱「おう知ってる。回覧板来た。それでうちに何の用事?」

  江戸紫「商店街の方々が揃って魔女に話を通せと。」

  市野萱「それはねーちゃんだ。」

    「心配するな。ねーちゃんも胸を撫で下ろしていたから。」

  江戸紫「つまり過去に何かあった?」

  市野萱「聴きたいか?聴きたいんだな?この街の魔女伝説。」


18 頼代駅前 中央通り

  ハロインイベント。

  車道で仮装行列

  歩道で江戸紫がシャリと手を繋いで歩いている。

  シャリは不貞腐れている。

  松田「シャリシャリちゃんどうしたの?」

  シャリ「ほっといてください。」

  松田、江戸紫を見る。

  江戸紫「腐った卵が入手できなかったんだって。」

  松田「腐った卵?」

  江戸紫「こいつらのハロイン恒例イベントらしいよ。」

  松田「腐った卵どうするのよ。」

  江戸紫「さあ?」

  ブランシェアが走ってくる。

  ブラン「シャリ!コレで機嫌直せ。」

  綿菓子とライダーのお面を渡す。

  シャリ「(満面の笑みで)直ったー。」

  江戸紫「何から突っ込んだらいいんだ。」

  ブラン「うるさい黙れ。」

  松田「ねぇ、腐った卵なんてどうするの?」

  シャリ「えっとねー、お菓子くれない人の家のドアにぶつけるの。」

  ブラン「違う。仮装行列に投げつけるんだろ。」

  松田「手に入らなくて良かったわ。」


19 ラジオスタジオ前。青山がカボチャの面を頭に載せて風船を配っている。

  ブランに

  青山「お菓子くれないといたずらするぞー」

  桜井「やめろ変態DJ」

  ブラン「命が惜しくないならいたずらしてみろ。」

  青山「惜しいです。」


20 スタジオ前

  江戸紫がシャリがしていたライダーのお面を頭に乗せて風船を配っている。

  シャリは隣でカボチャのお面をして木葉達といる。

  ブランと青山はラジオスタジオのブースにいる。

  青山「本日はハロインスペシャルとして

    「ゲストにテンシのラクシーヌ嬢をお迎えしております。」

  ブラン「どうぞよろしく。」

  青山「それではテンシサマ。そもそもハロイーンとは何でしょう。」

  ブラン「諸説あります。」

    「聖人達をまとめて祝う日だとか」

    「ケルト人の収穫祭だとか」

    「ざっくり言うと大昔のヨーロッパの行事がいくつかくっついた御祭りですね。」

  ブラン「仮装するのもそのケルト人のお祭りの一つの悪霊追い払う儀式の名残りかと。」

    「日本で言うところのナマハゲとか。」

  ブラン「日本のお盆てありますね。」

    「茄子が牛で胡瓜が馬でって。」

  青山「ええ。」

  ブラン「ハロインのカボチャやお菓子やら仮装やらも」

    「お盆の馬やら牛やら同様意味はありました。」

    「ですが現在その意味は失われ形だけが残りました。」

  青山「なるほど。今は特に宗教的な意味合いは無い。と。」

  ブラン「お前は浅草でサンバる奴らに宗教的意義を問うか?」

  青山「はい?いえ、あの」

  ブラン「何でお菓子なんだ?金目の物寄越せよ。」

  青山「いやあのそれはちょっと子供っぽくないと言うか。」

  ブラン「大人達だって馬鹿騒ぎの口実にしているくせに何を言うか。」

  青山「君本当にテンシ?」


21 スタジオ前

  風船を配る江戸紫と桜井。

  桜井「で魔女って何だったの?」

  江戸紫「この街の魔女が子供の頃ハロイン=魔女って構図が嫌で」

    「お菓子くれてもイタズラするって言いながら街中を荒らしたんだって。」

    「それ以来この街ではハロイン禁止。」

  桜井「それで魔女って何。」

  シャリ「魔女は魔女だよ。」

  木葉「うちのママの先生って言ってた。」

  桜井「魔女が先生?」

  木葉「若い頃はヴァンパイア燃やしたとか言ってた。」

  桜井「なにそれ怖い。」


ハロインは何のお祭り?

通りを仮装しながら歩く何人が答えられるだろう。

この街には不要だったのかもしれない。

神社で見たあの舞。

あれこそがこの街だ。

もしかしたら魔女はそれを知っていたのかもしれない。

この街の人達は魔女を言い訳にこの街でハロインをしなかった。

でもそれはきっと今の僕と同じ気持ちだからだ。


通りを歩く仮装行列

歩道から眺める江戸紫

仮装して歩く子供達が手を振る。


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