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独り言  作者: 玄冬玄武
3/8

イケメン


今日も例の“時間”を過ごすとしますか

さあ、 今日のテーマは何にしようかな~と

どれどれ~


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他愛もない雰囲気が教室の中に充満している。プロレスごっこをする莫迦な男子どもや

大声で歌を歌っているこれもまた莫迦な男子もいる。廊下のほうに目をやると女子グループが 

廊下を塞ぐようにして固まって話に花を咲かせている。

黒板に目をやるとふざけた男子が下品な言葉を黒板に白チョークで書いているのを

女子達が「ちょっと男子~」と独特のイントネーションで注意をしている。

下ネタを口に出したがる男子も高校生といえば高校生らしいがもう少し自重して欲しいもの

である。それに、わざわざ、あの男子に突っかかる女子の神経がわからない。あの男子のこと

が好きなのだろうか、出会いでも求めているのだろうか。だとしたら、もう少し男を見る目

を養ってもらいたいものである。


そうこうしている内に“憎きあいつら”が教室に入ってきた。


「なあ、京介。この後、スポーツでもしねえか?ちょっと体が(なま)ってきたからさ~」

そう問いかけるのは、サッカー部所属の御手洗峻煕。髪は茶髪(たぶん地毛じゃない)。

背丈は、172~3㎝とみれる。顔立ちは、某男性アイドルグループほどのもの。

性格は・・・知らん。が、人当たりはよくしているもよう。ちなみに、彼女は鹿島らしい。

「おう、いいぜ。 けどタダじゃつまんねえからサッカーで負けたほうが何でも言うこと

聞くってのはどう?」

御手洗の提案に応えるのは、五十嵐京介。髪は黒髪。御手洗と同じくサッカー部所属。

背丈は178㎝ほど。笑顔をひとたび見せれば老若男女目眩いてしまうほどのもの

(私以外はな・・・・・・ふんっ)。

笑顔を見せずとも卒倒してしまう女子もいるほどの美丈夫。

部内では№1の実力を持ち、キャプテンをも担っているという。

学校中の女子という女子が彼に告白をしているらしい。しかし、告白に首を縦にフったことはない

らしい。相手をフったことはあるけれども。

好きな相手が已にいて告白を待っているのか、自分が告白しようとしているのか、将又

彼女を作るつもりはないのか(一生作らないでいてもらいたいが)、

遊んでいるのか(遊んでもらうのも甚だ困る)、わからないしわかりたくもない。

人気は女子だけではなく、傍の二人を含む男子にも人気は高い(私以外)。

「おおっ!?面白そうーじゃん。おれもいれてよ。」

二人の会話の中に入り込むのは、汐留勇気。髪はダークブラウンといったところか。

背丈は、170㎝程度。若干二人の存在で影が薄れているが、

テニス部に所属していて、インターハイに出るほどの筋金入りの実力を持つ。

女子テニス部、男子テニス部両部ともに彼に憬れる人は多い。

「俺と峻煕が組んだら差があるから、俺vs峻煕と勇気で勝負な?」

昼休みは、友と校庭でスポーツに興じる。

中世の貴族か、それとも平安貴族か?いい御身分だこと。

「それで、いいぜ。二人がかりでも手加減はしねからなあ?」


「さて、どんなこと聞いてもらおうかな~。」

とんでもない自信を持つ京介。サッカーに関しての才能は周りの評価よりも

自己の評価が大きいとは、救いようのないナルシシストだ。

最初(はな)から俺たちが負けるようなこというなよ~」


「悪りぃ、悪りぃ。でも、絶対ぇ負けねえから。」


「おれ先にボール取って来るわ。」

率先してボールを取りに行く勇気。大切な親友を大切に思っているからこその行動

なのか、その姿まるで斥候・足軽の如きかな。

「京介、忘れ物は取ったか?」

どうやら、教室に寄ったのは忘れ物を取りに来たかららしい。

「おう、もう大丈夫だ。」

そういいながら、机の横にかかっているスクールバッグからスマホを取り出し

ポケットに入れる京介。

「俺たちは先にウォームアップでもしとくか。」


「そうだな。俺は準備万端だぜ?」


「さすが、エースは違うぜ。」

そんな会話をしながら二人は教室を後にした。


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テーマ探しとは雖も“憎きあいつら”の話に耳を傾けるのは我慢しがたい。

別に彼らに何かされたわけではないが“憎きあいつら”(リア充)へ向ける

(ぼっち)の目はこんなものだろう。


さて、彼らから頂いたテーマは・・・・・『イケメン』だ。


まず、『イケメン』の定義から確認していこう。


『イケメン』とは「イケ(・・)てるメン(・・)ズ」の略である。


問題は二つある。

「イケてる」という抽象的概念が私の中で混乱を招いている。

「イケてる」とは、『イカしている』とか『かっこいい』とか『魅力的』という

意味である。この、「イケてる」というのは何に対して言っているのか。

そこで次の問題が出てくる。それは「メンズ」だ。「メンズ」とは、男性のことである。

そう、ここ出てくるのは

『「イケ(・・)てるメン(・・)ズ」を「イケ(・・)てる()」だと思っている人結構多い問題』だ。

「かっこいい男性」であって「かっこいい顔」ではないのだ。

誤解している人の誤解が解けたとしても、まだ問題は残っている。

残る問題が今回の本題かもしれない。それが、

『「かっこいい顔」じゃなっかたら「かっこいい男性」ってどの基準が

当てはまるのか問題』だ。


『イケメン』には「かっこいい顔」の意が含まれているのか?

含まれているとしても、あくまでも一つの指標と仮定しておこう。

では、「かっこいい顔」で「かっこよくない性格」だったらどうなのだろう

『イケメン』と言えるのだろうか?

逆に「かっこよくない顔」で「かっこいい性格」が『イケメン』なのだろうか?

よくある『イケメン』に関する疑問だ。

つまるところ『イケメン』は「顔」か「性格」かどちらが「かっこいい」のか

ということだ。答えは目に見えてる気もするが、私の結論はこうだ。


『イケメン』は「かっこいい顔」と「かっこいい性格」両方とも言えることだ。

個人個人の捉える『イケメン』の定義は除くとして、客観的に述べることとする。

「かっこいい顔」で「かっこよくない性格」であっても、

「かっこよくない顔」で「かっこいい性格」であっても『イケメン』は

『イケメン』であるのだ。


「かっこいい」という抽象的概念をどう具体的に表すのか?

「かっこいい顔」と聞いて頭に浮かぶのはどんな顔か?

皆それぞれの顔が浮かぶであろう。

「かっこいい」という抽象的概念では具体的にはイメージしにくい。

しかし、「かっこいい」の後に「顔」という名詞(具体)がつくことによって「画」という具体的イメージはしやすくなる。

「かっこいい顔」で画像検索をしてみてほしい。

さまざまな芸能人の「顔」が出てくるであろう。これが具体だ。

逆に、「かっこいい」の後に「性格」という名詞(抽象)がつくことによって抽象的イメージでしかできなくなり、具体的イメージはしにくい。

「かっこいい性格」で画像検索をしてみてほしい。

「性格」は一つも「画」では出てこない。これが抽象だ。

「かっこいい性格」にはどんなものがあるのか。

『どんな問題にも真剣に向き合う』? 『悩みを真摯に聞いてくれる』?

『気前がいい』? 『気遣いができる』? 『優しい』? 『差別しない』?

『頭がいい』? 『努力家』? 『ポジティブ』? 『面白い』?

『適度な人付き合いがうまい』? 『仕事ができる』? 

『大切なものを大切にする』? 『大切な人を守れる』? 『寛容的』?

『穏やか』? 『メンタルが強い』? 『健康的』? 『野心家』?

『経済的に余裕がある』? 『計画的』? 『自分の考えを持っている』? etc.

なるべく多くの事象を書き出してみた。

上記の事象がイメージできたとしても、思い出しづらいであろう。

つまるところ「かっこいい性格」を具体的に一言で表すと・・・

『女性の気持ちがわかる』であるだ。ことが「かっこいい性格」である。

簡単なことだ。已に、知っている人は知っているし、やっている人はやっている。

上記の事象すべての頭に『女性のために』をつけてみてほしい。

しっくりくるではないか!?見えない文字が隠れているのだ。

「かっこいい性格」を持つ『性格イケメン』は『女性の気持ちがわかる』人なのだ。


「源氏物語」の光源氏が次々と女性を篭絡できたのは『顔イケメン』と

作者が女性であったことによる女性ならではの見方のできる『性格イケメン』

だったからである。

女性の気持ちがわからずして、『性格イケメン』にはなりえないのだ。


キーンコーンカーンコーン 


おっと、時間だ。今日はここまでだな。

5時間目は化学になる理科室に行かねば。移動しなければならないので私は、

一足先に失礼するとするよ。



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