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赤い瞳の銀の鳥   作者: アマメ ヒカリ
第五章 冒険王
19/50

15. ユ・ウマト

こんにちは。

今日もお疲れ様です。

夢を文章にしました。

うみたてほやほや。





光る渦は、右回り。

根源からの光のかけらが降り注ぐ。

砂のような、(れき)のような。

それらはもろくて、儚い。そして永遠。



ユーマは光に囲まれた中を下降する。

ほのかな明るさが面を照らす。

光の粒は戯れて、墨色の髪を揺らし、銅色の瞳を金で染めた。



子供は大人になる。

この自然なことは、老化なのか、成長なのか、どちらなのか。



この度のユーマの変化はどれ程だっただろう。

自分が幼いと知った。今の自分では進めないと思い知った。

ならば。



成長は時折、蝶に例えられる。

幼虫は幼虫であることをやめて、蛹になる。


殻の中で一度、命の元まで戻り、創り直して生まれ変わる。


幼虫が終末だと思う時、成長は成され、羽を得る。


変化変容の果実は、再生と終末でしか得られない事は、いつの時も変わらないのだ。






ユーマは、両手の下にある銀の羽根を撫でた。

美しい羽根に、自分の顔が映るのをぼんやりと眺めている。

光る粒に囲まれた自分。まだ子供の、僕。

なんだかしょんぼりした気持ちのユーマに、鳥は寄り添う。



銀の鳥は、少年に声をかけた。

「ほら、ご覧なさい。ユーマ。皆があなたを歓迎しています」


ユーマがふと下の方を見れば、たくさんの人影があった。


人は、生き物は学ぶ。愛よりも恐怖を、よく覚える。

ユーマは恐ろしくなった。

鳥にしがみついて、小声で尋ねた。


「ルゥ・ラァ……あれは、何?」



鳥は、己の対となる少年が大切だったので、自分に出来ることを探した。

まず、言葉を返す。

「ユーマ……あれは、あなたをずっと待っていた精霊達です。

ほら、皆、笑っています。星を囲んで踊ろうと、誘っているのですよ」


次に、体に太陽の光を溜めて全身を光らせた。

虹の揺らぎが、鳥の体を走り抜けていく。

光は音になってユーマの耳に届いた。


ユーマは、鳥がこしらえた美しい音色が心地よくてほっとした。

怖さに曇っていた目の前が晴れるようだった。

鳥は虹を体に走らせ続けていて、ユーマは泣きそうになった。


「ルゥ・ラァ、ありがとう」

鳥の首に頬を寄せて、羽根を撫でた。

「もう充分だ。ルゥ・ラァ。僕はもう、すっかり元気さ。

君のくれた音、忘れないよ。ずっと覚えているよ。ありがとう。」



ユーマは前を見た。たくさんの人影がこちらを見ている。

渦を囲んで手を繋いでいた。

その顔、体は、ほのかに明るい。


「おいで!おいで!預り手さん」

「一緒に踊ろう」

「星をかき混ぜよう」

「光で大地を耕そう」

「うみを見ようよ」

「わたしたちの記憶庫を見せてあげよう」

「おいで」

「おいで!」



僕は預り手だ。

だけど、ユーマ、君は僕はどうしたいの?

ユーマ、僕、ユ・ウマト。



ユーマは自分の心の中で自分に問う。

真の名を用いて問う。

心の中で自分へ問いかけができる程に彼は成長していた。

ユーマはそれにきがついただろうか。



「僕は、好きになろう。僕を、皆を、この星を好きになって、

この美しい光の子供をもっともっと星じゅうに分けてあげたい。」



鳥と少年は、精霊達の輪へむかった。

星に光を注ぐ輪の中へ、豊穣の預り手は進んでいく。

集落に戻る頃には宴の支度が整っている事だろう。

星を囲む躍りが始まる。







ユ・ウマトという真の名を隠すために、

ユーマと呼び名を付けます。

でもね、「ユーマと仲間たち」という時だってあるではないだろうか。

ユーマと➡️ユ・ウマト になりはしないかと

心配になりますが、夢の中ではこのように言うのです。

夢の文章化、非言語を言語にするチャレンジ。

チャレンジいちねんせい。

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