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赤い瞳の銀の鳥   作者: アマメ ヒカリ
第四章 Always watching you
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時の環 ~インターミッション~

こんにちは。

日毎に土の中の温度が下がっています。

草が紅葉して枯れてその根本をみると、

新しい芽があります。

そこに情と愛を見出だすのは、人のお仕事かもしれません。





私は失った。

それだけはわかっている。私が飛べないのはなぜなのかは、わからない。



「私の翼は今どこにあるのだろう」



そう言いながら見る先は、大抵は空、更なる高みの蒼穹、そして天、または宇宙。



あんなに高くては、届かない。



赤い翼。

紅色の炎の羽。

虹をまとうあなた。

あなたはどこにいったのか。



まばゆく輝く円の中にいて、私を待つあなた。



円はどこにあるのか。


円とは何なのか。


なぜ

私は地べたを歩くしかできないのだろう。



私が行きたいのは、あの空、あの蒼穹の向こう。



なのに、どうして。



私を乗せて星の糸を編んだあなた。



星の髄からおもてへ沸き上がる、

止めることのできないほとばしりを、

私たちはからめて編んだ。


精霊王たち、けものの王、虫の者たち、鳥の長、人の代表たち。

たくさんの者と、歌い踊り、遊ぶ記憶。



星をまるごと祝い、笑い合った。



どこにいるのだろう。

私を背に乗せたあなた。



風を裂いて飛ぶのではなかった。

ただ風と共にあれば、翼と体の周囲に摩擦のない世界ができた。



懐かしい、せつない、

思い出。



私は最近、空を見上げる事はなくなった。

地面に生きる私には、遠すぎたので。



空の果てに行けないなら、地の底に行ってやる。

徹底的に這いつくばってやる。



そんな事を思う時があって、私は関心を自分に移したのです。


地の底に、探す翼はありませんでした。



でも、水晶の珠をたくさん保管する世界を見ました。


龍の出産を見ました。



木の根から植物の世界に入り込み、植物たちの共有する記録が網の目のように拡がるのを見ました。



山や川床に龍の柩を見たり、


行き宛を無くした巨大な人に出会った。





胸の辺りに火が灯る。



それは円。

丸い形のまばゆいものが、私の胸の辺りにあると気がつきました。



胸の骨の更にその奥に、

まばゆく輝く円を見つけました。



私を待つあなた。

私は、胸の奥深くにある円に、私を乗せた翼を見つけたのでしょうか。



まばゆい円の中で、あなたは飛ぶ。



ゆらめく虹色を纏うあなた。



今度こそ、私はあなたに会えるかもしれない。





また飛ぼうよ。

また飛べるさ。


と声がします。



風や、水が、言っているきがします。



地面の中や、太陽の陽射しに、そんな言葉がしまってある気がします。







私はきっと、あなたに会う。


そして再度、星を巡りましょう。


豊穣の力の担い手よ。


はやく、はやく、あなたに会いたい。

私のあなた。


あなたの源の輝きに、私は住む。

私たちは会う。

再び。

そしてもう二度と、分かたれない。



大好きなあなた。

忘れたことのないあなた。


まもなく、私たちは、会うのですよ。

そろそろ少年は星に帰ります。


世の中の少年は、色々なものに乗る。

いるかに乗ったり

はんようひとがたに乗ったり

鳥に乗ったり


何に乗るかはとても重要なのです。


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