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赤い瞳の銀の鳥   作者: アマメ ヒカリ
第四章 Always watching you
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月を読む ~インターミッション~

おはようございます。

今日も良い一日でありますように。

鳥と少年のお話は、インターミッションを幾つか挟んで、

まだ続きます。


個人的には風の王さまが好き。





昔々、あるところに、広い土地がありました。



その土地は河の流れに従って暮らす場所でした。



河が溢れ、集落のある土を満たしました。



水が引くころには、河の流れも家の境界も変わってしまい、人々は自然と、測る技術を編み出しました。



腕や指を基準にして、広さや深さを計りました。



便利なので、月や太陽の位置、星の動きを目印にしました。



この集落に住む人達は、星と河の流れを統計的に記録しました。



記録は長い間の積み重ねで、膨大な量になりました。


先祖から受け継いだ記録は、子孫が受け継ぎ、改良を重ねました。



星と河の流れの記録には、作物の栽培方法や土地の測り方や、季節毎に流行りやすい病の事も加わりました。



病に効く薬草や、心を強くする言葉、土や水や火などの(すい)との付き合い方も加わりました。



風土病や季節の過ごし方の知恵をまとめたのです。



河の流れが毎年変わる、この土地に住む人達は、こうして長い年月をかけて、星の運行を元にした暮らし方を確立しました。



よその土地から来た人から見れば、自然を使いこなす知恵は、妖しい術に見えたでしょう。



原理を理解していない者には、なぜそうなるのかがわからない知恵や技術だったからです。



そのうち、その知恵をよその国に広めて勢力を広げようとする時代が来ました。


能力者の集まりを作り、船を作り、乗せました。



船に乗り外の国に行き、自分達が持つ技術の提供と引き換えに、作物や労働力を得る方法で集落は豊かになっていきました。



技術の発達は益々進みます。



集落は国になりました。



ある日、新しい航海術を発見し、陽の上がる方へ行けるだけ行こうとした時がありました。



国は広がり、豊かになりましたが、暮らすのには更に必要なものがありました。


星を読む人たちは、最新式の船を作り、陽の上がる方へと出発したのです。



着いた先は、彼らが思ってもいない豊かさを持つ国でした。



その国の王を探し、謁見し、技術提供を申し出ました。



この国の人は彼らよりも自然のしくみを知り、生活に生かしていましたが、星の運行の観察についてはまるで知りませんでした。



その国の人にとっては、星は美しいもので天と交流する手段でしたから。



彼らの星の知識は、各地で歓迎されたのです。



彼らは、この国の温かさ、豊かさ、穏やかさに驚きました。



祖国に帰らずに、この国に永住する者がほとんどでした。



二つの血は、穏やかに混じりました。



祖国の王は、この事態を快くは思いませんでした。



王は、最新式の船を作らせ、たくさんの強い腕を持つものを乗せました。



陽の上がる方へ、船は出帆しました。



その光景を、天から見るものがいましたが、何もできません。



その中から、皆が止めるのも聞かずに地に降りた者がいました。



昔々のお話です。



今はもう終わったお話です。







夢の中の光景を文章にするチャレンジ。

非言語を言語化するチャレンジ。

チャレンジいちねんせい。

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