第7話:【北のエリア】
ストーリー考えるのって難しいですね汗 あと、読み返してみて結構、誤字脱字があるのに気がつきました。早いうちに修正しておきます笑
「……まさか、こんな事になるなんて。僕って本当についていないのかも知れないな」
《ポーション》の素材である《薬草》と《キレイな水》を採取する為に意気揚々と再び草原地帯へと戻った僕だったが、そこでさらなる不運に見舞われていた。
「……この川の水が《ただの水》だったなんてな。それじゃあ、一体どこで《キレイな水》は手に入るんだよ!?」
どこからどう見てもキレイな水なのに《小瓶》に入れてアイテム化したら《ただの水》だったのだ。これでは、《ポーション》を作る事は出来ない。つまり、僕の考えた《ポーション》で金策大作戦が出来ないのだ。
僕は早々と諦めて街へと帰ってきていた。
「……なあ、おっちゃん。僕、どうしたらいいんですか?」
そして、僕は再びバナナ屋さんのおっちゃん(NPC)の元へと訪れている。
「どうしたんだよ、兄ちゃん? 元気ねーじゃねーかよ。俺のバナナでも食うか?」
おっちゃんは一際大きなバナナを取り出すとホレホレと僕の方へ差し出してくる。相変わらず、俺のバナナとかキワイどい言葉使ってるみたいだ。
それにしても、このゲームのNPCはまるで生きてる人みたいだな。どんなシステムなのか少し気になる。
「いや、要らないです。それより、おっちゃん《キレイな水》がどこにあるのか知らないですか?」
ダメ元でおっちゃんに聞いてみる。
「《キレイな水》か? それなら、北門を出て直ぐの《ゾグドの樹海》で採れるぞ? なんでも、あそこの水はどこかの山から流れてくる水でとても美味しいらしい」
なんと、おっちゃんは《キレイな水》のありかを知っていた。そして、僕に教えてくれた。これは嬉しい誤算である。このおっちゃんには救われてばかりだな。
今度、お金が貯まったらおっちゃんのバナナでも買いに来てあげよう。
「ありがとうござい。すぐに行ってみますね」
ありかがわかればこっちの物だ。あとは、上手く採取して《ポーション》を大量生産して売りさばくだけだ。
今の《ポーション》が中々手に入りづらい状況下なら億万長者も夢じゃないぜ!!
早速、北門へ向かおうとしたのだが、バナナ屋のおっちゃんに止められた。
「待て待て、兄ちゃん。《ゾグドの樹海》はのモンスターは草原地帯のモンスターと比べたら桁違いに強いぞ? 特にオーガ種はやばい」
「そ、そうですか……な、なんとかなりますよ、きっと。あははは」
「おう、そうか。よっぽど腕に自信があるんだな。それじゃあ、もう俺が言う事は何もないぜ!! 気をつけな!!」
そして、僕はおっちゃんの店を後にしたのだった。
「……まずい事になったな」
おっちゃんの店から北門へ向かう途中、僕は自分の運のなさをしみじみと感じていた。
草原地帯の最弱モンスターである《パープルマウス》すらまともに倒す事が出来ないのにどうして《オーガ》なんかを倒す事が出来ようか?
ましてや、今の僕の装備は実質無しに近しい。防具は無論、唯一の武器である弓だって矢が無ければ使い物にならない。
矢があっても使い物にならないが……。
「それでも、行かなければ!! ただでさえ、出遅れてるんだ。此処で他のプレイヤーに追いつかないと、本当に詰んじゃうよ」
長年、MMORPGに興じてきた僕であるがこの《Second Life Online》ではどうも上手くいかない。だが、ベテランゲーマーとして出遅れるわけにはいかないというプライドだけは一丁前に持ち合わせているのだ。
まあ、いくら敵が強いといったって戦わなければ問題はない、というのが僕の見立てである。モンスターを見かけたらなるべく見つからないように避けて回れば殺される心配もまずないだろう。
「ただ、好戦的なモンスターに囲まれたらゲームオーバーだけどな……」
しかし、草原地帯のモンスターと違ってモンスターの方からプレイヤーを襲って来ないとは限らない。万が一にでもそのようなモンスターと出くわした場合、各自に殺されてしまうだろう。
「こういう時に、パーティーが組めれば楽なんだけどなぁ〜。生憎、僕の知り合いはβテスト枠を誰も入手出来なかったから完全なボッチスタートなんだよね」
本来なら、他のゲームで仲の良かった友達と一緒にプレイする予定だったのだが、βテスト枠が当たったのは僕だけだった。なので一緒にプレイする事は出来ないのだ。
なんとなく、先ほど知り合ったユンさんを誘ってみようと思いフレンド画面を見てみたが、既にログアウトしていた。
「こりゃ、本格的に一人で行くようだな」
僕は渋々、一人で北門へと向かったのだった。
◆
はい、という訳でやってきました《ゾグドの樹海》。
北門を出た途端、鬱蒼と木々が生い茂る不気味なフィールドに出た時はびっくりしたよ。
そして何より、ビックリしたのがモンスターのレベルの高さ。サルみたいなモンスターにカーソールを合わせてみたらなんとレベル45だった。
1レベルの僕じゃ歯が立たないよ……。
「まあ、取り敢えずは水を探すか。なるべくモンスターとは合わないようにしながら」
僕はビクビクしながら樹海の中を進んでいく。流石にこのフィールドのレベルが高いせいか、僕以外のプレイヤーは一人もいない。
「それにしても、よく出来てるよな。自然の匂いとか、物体の質感とかも本物と変わらないくらいしっかりしてるよ」
VR技術をMMOの世界に持ち込んでくれた開発者にはとても感謝しないとね。一世紀くらい昔の本とかにはVRMMOをテーマに扱った物も多かったらしいが、今やその技術は現実の物へとなったのだから、ぜひ昔の人にも見せてあげたい。
「そーいえば、VRMMOを題材とした小説でデスゲーム物もあったよな……。まさか、ね?」
ゾワリと嫌な感じがしたので慌ててログアウト画面を表示する。しっかりと表示されたので一安心だ。
「そもそも、僕、一回死んでるしね。これがデスゲームだったら今頃は生きてないよな」
……決して、僕はビビリな訳ではないからな!!
そんな、どうでもいい事を考えながら歩いていた時、突如それは現れた。
「グギャャャャォォォォォ!!!!」
甲高い規制と共に茂みの中から姿を現したのは、真っ赤な身体に獰猛な牙。そして、頭に二本の角を生やした大男だった。いや、鬼だった。
「……おう。本当に、ついてないな、僕」
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