~四話 彼女の秘密が気になるんだが…~
[四話 彼女の秘密が気になるんだが…]
下校時間はとっくに過ぎて、陽は沈みかけている頃だった。俺は一人学級委員の仕事を残ってやっていた時にある美少女に出会った。背丈は百五十位で銀髪ポニーテール。彼女の名前はサラ・ヘイト、彼女もまた俺と顔見知りだった。
小学生の時、サラはフランスからの留学生で俺の家でホームステイしていた時があった。
サラも凛桜に入学していることを知らなかったのでまたも驚いた。
「偶然だな…サラも凛桜だったなんて」
「はぁ?なんか文句でもあるの?」
「いや、無いけど意外かなって」
相変わらず口が悪いな。
サラの言葉にトゲのある所や顔も昔とほとんど変わってなかった。なぜだがそこが俺は嬉しかった、だがなぜだかサラの表情が暗いような気もしていた。
「なんか、元気無いけどなんかあったか?」
「別に…」
「相談のるから言えって」
「何でもないって言ってるでしょ!」
そう怒鳴り散らすと、サラは走り去っていった…その時のサラの目には涙が浮かんでいた。普通じゃなく感じた俺は学級委員の仕事をほっといてサラを追いかけていった。
あいつ、速くないか?全然見当たらない…しかたないもう一周するか…
「へぇ…その昔の知り合いを追いかけたために仕事を全部やってないと?」
「そ、そゆことだ、申し訳ない!」
「英介さまが優秀だからと全部仕事をやってもらおうとしたわたくしも悪いですが理由が理由なので許せませんわ」
「もし許してほしいのなら反省の証のキスをさぁ//」
そう言うとアンナ目を瞑り、顔を軽く前に出した。
最初は嘘で言ってるの思っていたが途中からおこりだしはじめたアンナを見て本気だと確信した。
確信したとはいえ、するようなバカではない。むしろ俺は頭はいいし、察しもいい。このあとの末路が見えているからここは無視して昨日やるはずの仕事をやるのが妥当だろう。
「何してるの。アンナさん、貴方、英介からなにしようとしてもらってたの。」
遥がアンナを睨みつけながら言ってきた。また始まる…だが、俺はなにかしようとなんてしてないから…
「英介さまにキスを…//」
「おぉい!」
「なにしてんのー!英介がアンナにするなら私にもしてね」
遥の紫色のオーラが見えた。玲奈は怒るどころか逆にねだってきた。さらに紫色のオーラが濃くなるのが分かる。
今、第三回戦のゴングがなった。
相変わらず、遥の罵声はひどく、玲奈も負けじとガツガツ言う。一方アンナは英語で日本では明らかに「ピー」という効果音がなる事を連呼しまくっている。
アンナに上品さの欠片もなくなった。そして矢印が俺に向いた…
「何で?何で?そこのアメリカのメスブタとなんでキスを?」
「メスブタとはなんですの?わたくしは英介さまがしてくださるという目をしていたから求めただけですのよ?」
「メスブタの話は聞いてない、まず最優先はいとこの私だから!」
「おまえらいい加減にしろ!あることないこと言うな!」
今回の授業は国語だ。教科がなんであろうと全てを大学レベルまで習い終わった俺の敵じゃない。前回同様、落書きと窓から外を覗くので上の空だった。
落書きも書くことがなくなり、外を覗くとサラのクラスの四組が体育をしていた。昨日の件を忘れられない俺は次のお昼の時間にサラに会いに行く事を決めた。
チャイムがなり授業もおわったその時だった、嫌な振動が胸に伝わる…
「worning!~昼休みが終わるまでに人の胸を揉め。」
いつものようなぶっ飛んだ命令をみた瞬間に俺は黙って三組へ走っていった。
人の胸と言われたはすだ、性は問われていない。ラッキーすぎる…
「親方はいるかぁ!?」
「なぁんだぁい?」
通称、親方の彼は三組の学級委員だ、外見からして柔らかく、その溢れんばかりの人の良さで学級委員となった。
「お願いだ!俺の命が掛かってるから俺が今からすることは忘れてくれ!」
「わ、わかったよ」
俺は親方の胸をわしづかみにして上下に揺らしたり、左右に引っぱったり、とにかく親方の胸を揉みしだいた。なぜだか親方も揉み方のアクセントにより表情が変わるのが癖になり俺は中々、やめられなかった。そこをたまたま通った小松先生は一瞬、見て見ぬふりをしたが、親方の素晴らしい表情に先生は萌えていた。
「私にも揉ませろ!揉ませろ!」
我慢できなくなった小松先生に俺は、弾き飛ばされた。はっと我に帰り無意識にずっと親方の胸を揉み続けていたことに気づく。どうやら、親方の胸には洗脳性があるらしく小松先生の顔がエサを欲しがる犬のようになっていた。
親方の胸…なんて危険なんだ…
「worning!~英介さま、クリアおめでとうございます。一回だけ女の子の本音が聞けます。」
「そうだ!サラに会わなければ!」
「アタシが、どうかした」
不機嫌だな…いやいつもか。
サラに会いに行こうとしている矢先にバッタリサラと遭遇した。サラも昼食がまだらしいので一緒に食堂に行った。
食堂につくと早速サラに隠し事がないか確かめるためタブレットのハートボタンを思いきり押した。
「chance!~英介さま、今から一度だけ女の子の本音を聞けるようになりました。」
「なぁ、サラ、俺に隠し事てないか?」
「あるわよ…」
「Chance!~終了です。」
「やっぱりあるんじゃねーか!」
「え!なんで口が勝手に…」
やはりサラは隠し事をしていたらしい。その隠してることを何度も聞いたがサラは答えてはくれなかった。
思ったことをすぐ言っちゃうタイプなのに、隠し事だけはきっぱり隠しとおすんだな。
「なぁ、本当に教えてくれよ!」
「なんでそんなしつこく聞くの?無理なもんは無理なんだよ!」
昼食のラーメンに口をつけず、またサラは涙を浮かべて走り去っていった。と同時にチャイムがなり俺もクラスに走って戻っていった。
「小松先生はある一種の精神病にかかった恐れがあるから私が代わりに今の時間を担当しまーす」
副担任の先生が代わりに来てくれた。
裏山があとで詳しく聞いたところ、小松先生は親方の胸を揉んでいらいずっと親方の胸から離れないらしく保険室でなんとか今剥がそうと奮闘中らしい。
「今回の授業は来月にある臨海学校での野外活動の時のグループ決めと一日目と二日目の野外活動の説明をしますー」
「やったぁ!」
「英介くんなろぉ!」
あちこちで俺の名前が上がる。どうやらこのグループは四人一組で野外活動も三日目の自由行動も宿泊も全部がこのグループらしい。
やれやれだぁ…誘われない内に裏山と組まなければいけないな。
「裏山なろぉ…」
裏山を誘おうとして伸ばした手を遥と玲奈とアンナに掴まれた。三人からは黙って見つめられて、どうしようもできずにうなずいてしまった。そのあとに一組の全員の女子を断るのと一人取り残された裏山を見ているのが大変だった。
「さぁ、決まった所で野外活動について話します。」
どうやら、野外活動一日目は海についての勉強。二日目はサバイバル体験らしい。裏山となれなくてやさぐれてい俺にはどうでもいい話だった。
今日も一日があっという間に終わった。昨日は帰るのが遅くなったので早く寮に帰った。
部屋に戻ると、ももの靴があったがももはいなかった。そんなことは気にせずに早く帰るために走って汗をかいたから、俺はシャワーを浴びに行った。
一応、風呂場も寮の癖に普通にいい風呂だ。夏も近いので湯船はつからない、そもそもためていない。
まず、シャワーを思い切り顔から浴びた。元気なシャワーが疲れを癒してくれる。
シャンプーをしようとシャワーをとめたその時…
「失礼します…」
「えぇ!?」
将来の夫と裸をみせあうのは当たり前と、ももが風呂に入ってきた。
いや、分かるけど俺達年頃の男子と女子じゃん…?
そもそも俺は婚約破棄するつもりだし…それ言ったら鬼が出てくるかもしれないから言えない…
「とにかくこんなのおかしい!でてけよ!」
「下、隠さないと見えちゃうよ?」
くっそぉ…先に上がらせない限り、俺の裸体を見せることになる…まぁ、上半身は見えてるけど…
なんにもできないのが現実だ…
「背中洗ってあげるね…」
「いや、いいって!自分で…」
「ひゃあ!?」
ももは自分の胸にボディーシャンプーをつけて胸の上で泡立てて、俺の背中に胸を擦り付けて洗った。
「な、な、なにやってんだよ…」
「背中をあらってんだけど?」
「いや、それはちがうでしょ…」
「こうしたほうが男の人は喜ぶてネットで見たから…」
話しているとなぜだか外が騒がしかった。次の瞬間、遥と玲奈とアンナが風呂場に入ってきた。
「ももぉ!なに抜け駆けしてんだ!おらぁ!」
三人は声を揃えて言った。
もものこともそうだが、なんで遥と玲奈とアンナがここにいるとわかったんだ…おそろくしなってきたぞ…とにかく今思ったことは…
「修羅場だぁ…」