怒る人は怒りたい人
前回、“逆上する人"の例として今は亡きある社長を上げましたが、これまでいろんな会社や団体に籍をおいて来て、思い返して見ると私の“上司"というのがどういう訳かこの社長と似たような傾向のある人ばかりでした。
そうして、数多くの“怒る人"と接してきて、分かった事があります。
怒る人ほど
「怒りたくて怒っているのではない!」
って言うでしょ?あれは嘘ですね。
怒る人自身は絶対に認めないでしょうけれど、
「本当は怒りたくなんか無いんだ」
と言うのなら、怒らなくて済むように立ち回る必要があるんですね。
何の対策も打たないで、次もまた同じ様に怒るというのは、やっぱり怒りたいからなんですよ。
怒って見せる事で、具体的に何か解決すると思いますか?
緊急回避的な意味合いで怒って見せる必要がある場面もあるのは認めますし、交渉術の1つとして有効な事も否定はしません。
ですが、日常生活において感情を爆発させて怒りを顕にするのは、ほぼ八つ当たり以上の意味を持たないんです。
言い換えれば、怒る人は怒りたい人であり、同時に怒る以外の対処方法を知らない人でもあるのでしょう。
怒らなくて済むように立ち回るというのは、大きく二つに分けられます。
一つには、想定できるトラブルには事前に対策を施して置くこと。
二つには、行き違いがあったり自分の都合に合わせて動いてくれない人がいても、トラブルがあって自分が怒られたりしても、それで自分自身の価値が損なわれた訳ではないという確信を得ておくこと。
怒る人の多くは体面を気にする人です。
体面を気にすると言うことは、自分自身に対する価値の判断基準を外部からの評価に依存しているという事です。
それは、自分の身に降りかたったトラブルが自分自身の手で解決できるものだとは信じていないと言うことでもあります。
たった一言声を掛けるだけで、どれだけのトラブルが事前に防止出来るのかに気がついていないのか?
はたまた、たった一言声を掛ける事すら面倒がってやらないから、結果としてトラブルを増やしているのか?
どちらなのかは本人にしか分かりませんが、いずれにしても“怒る人"は“怒りたい人"であり、結果や成果よりも自分の感情の処理を優先する人なんです。