第六章-突然の帰宅-
“ガチャ”
「てめぇら鍵持ってんだろ?!開けて入れし。」
ドアを開けるなりセルはキレる。
「ほぇ…?(何?誰が来たのかな…?)」
と、亜里珠はドアに目を遣る。
「ぇ!!ゎゎゎゎι同じだ…」
其処には双子が立っていた。
しかも
「……。」
亜里珠が見とれてしまう程格好良い。蜂蜜の色をした髪を少し立てているのが印象的だ。もちろん、顔も体系も人並み、もしくは人並み以下だと思い込んでいる亜里珠にしてみればセルリックも十分格好良いのだが、双子になれば、その迫力が違う(笑。
一方双子とセルはというと…
[何故鍵で入ってこない]という質問に対して、双子は声を揃えこう言った。
『だぁって俺らの弟が女の子といちゃついてるんですもの♪』
どうやらこの双子はセルリックの兄の様だ。
「…v」
セルは無理に笑顔を作った。
「普通弟が女といちゃついてたら兄貴は遠慮するべきだよな?」
恐い位に笑顔を浮かべているセルリック。…だが、双子は更に裏のある無邪気な笑顔でこう言った。
「嗚呼嘆かわしい。」
「セルが俺らをそんなふうに思ってたとは。」
『俺達みたいな兄貴らが遠慮なんてするわけないじゃん(笑)。 邪魔するに決まってるvV』
《あいつらいつか絶対息の根を止めてやる。》
とセルリックは後日談で語った。
『まぁまぁ。』
そう言いながら双子は亜里珠の所までやってきた。
『(……!!?)』
亜里珠を見て目を見開く。そして後ろでため息をこれみよがしにつくセルに、二人は代わる代わる耳打ちした。
「お前…ッ?!この子…?!?!」
「アジ…いや、日本人の特徴まんまだぞ?!?!?!」
「黒髪に」
「黒い瞳。」
セルリックは、先程亜里珠が話していた事を双子の兄たちに話した。
日本から来た日本人だということ。
寝てたら何故かこの世界にいたこと。
全くの別世界からきてしまったということ。
そしてもちろん、
衣・食・住
いずれも不可能な状況にあること。
「取り敢えず兄貴ら自己紹介でもしたら?」
と、最後にセルが付け加えた。
ので、双子は亜里珠に話し掛ける。
『初めまして☆彡 ぇえーと?ι』
亜里珠は未だ名乗ってないことに気付いた。
「あ、アリスです。アリス・ナカミヤ…(なんか名前先って変な感じ〜笑)」
『よろしくアリス。後、俺達敬語ヤダ。』
亜里珠は遠回しに言っているが《敬語使うな》と有無を言わさず言われている気がした(笑。
「は…はぃ、Σぇと…あ〜…うん!ι」
「俺が、リスト。」
双子の片割れが言った。
「んでもって俺がローディアね。」
もう片割れが言った。
二人は何から何までが似通っていたので、亜里珠はだいぶ混乱したが2〜3分もすればスグに見分けるコツを掴んだ(気がした)。
「…で、続きは?」
セルリックが言った。
亜里珠は忘れていたがスグに思い出し、
「セルは魔法使えるの?!」
と言った。
「そりゃなあ。」
と返すセル。
亜里珠は目をキラキラさせながらセルを見ている。
そしてその目は
《つ・か・っ・て・!》
と訴えていた。