第五章-世界って、広い。-
「…住む場所は?」
ふいに解かれる沈黙。
「…なぃ…(涙」
「…服。」
「コレ(パジャマ)のみ…ι」
「…金」
「全然持ってない…(泣」
…
……ハァ。
シンクロするため息。
二人は困った。かと言って、亜里珠に否がある訳では無いので何とも言えない。
「セルリックゥゥ(涙) ……長い(怒) セルでいーや。セルゥゥ(涙)あたしどうすれば帰れるの〜?!(泣)ってかまず此処はドコ?何?日本?」
亜里珠は取り乱す中、根本的な事に気付いた。
「取り敢えずまぁ落ち着けι 此処は、ハサウェイっていう国だ。んでもって、ハサウェイを東西に分けて、東側がハウウェルハサウェイ、西側がホセアスハサウェイ。此処はハサウェイの中でもあんま人がいないハウウェルハサウェイの端の方。ちなみに日本はこの世界には無い。」
セルがあまりにもサラッとシレッと言うので、亜里珠は聞き逃すところだった。
「日本が無い?!?![この世界には]って何?!だってセルさっきあたし見て[Asian?]って呟かなかった?」
確かに、思い返してみるとセルは先程亜里珠に対し[Asian?]ときいている。
「俺は、アジア含め日本の事を学校で習った。《異世界史》で。」
「……ほゎ?《異世界史》?《世界史》じゃなくって?」
セルは立って話すのに疲れたのか、亜里珠が座っているソファの足元にあぐらをかいた。
「お前が、日本人ならば、俺とお前の世界は違う。お前のいた日本とか、アジアとかがある世界は言わば【人間界】。此処、俺等が住む世界は【魔法界】。」
亜里珠はあまりの展開の早さに頭がついていかない。
「ぇ…?魔法…界…?じゃあ…セルは魔」
“ドンドン!”
ノックの音で一時中断。
「うぜーのがきた(怒 いーや。無視ろ。で?続き。」
亜里珠は無視していいのか…ιなどと思いつつ話を続ける。
「セルはじゃあ魔法が
“ドンドンドンドンドン!”
「魔法がッ
“セ――ル―――!!!?セルリックー?愛しの我が弟のセルくーん?(爆”
「だあぁぁぁぁぁあ!!!!!!うっせぇ―――――――――!!!亜里珠、ちょっと待ってろι」
そう言い残し、セルはドアへと向かった。