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共鳴同盟*  作者: 千羽
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第十五章-何もかもが未知で。-

“ガチャ、バタッ”

『ただいま〜。』

「ただいまじゃないわよ!!!!アリスはちゃんと無傷で見つかったの?!」


リサは帰ってきた双子を怒鳴る。


「ちゃんと保護したよ。」

「キズモノになる一歩手前でね(笑)」


“ガチャ”

双子に続き再びドアが開く。


「アリス!!!無事だったのね…よかった…!!!!」

亜里珠は入った瞬間にリサにぎゅっと抱きつかれた。


「あ…はい、でも…あたし戻ってきちゃっていいんですか…?ι」

亜里珠は困り顔できく。


「いいのよ!私家族が増えるのなんて大歓迎よ!!!ね?!」

半ば脅し気味に家族に同意を求める。

だが否定する者など居なかった。



「そう、アリス、私達はきみが出ていってしまってから、東の塔に住むモラリス先生という、哲学者の所へ君の事を相談しに行ったんだ。」オリバーが言った。

そして彼は続ける。


「異世界からきた女の子がいるんだ。帰り方が解るまでうちの子として育てて学校に行かせたいんだけどどうすればいいんだ?って。」

オリバーは亜里珠にむかってニコリと笑った。


『そしたら?』

息子三人がきく。


「モラリス先生は生憎用事があったようでね。明日当人も一緒に連れていって会おうということになったよ。」

オリバーは答えた。亜里珠の頭の中は《?》マークでいっぱいだった。


あまりの展開の早さにイマイチ頭がついていかない。

「アリス…ι」


オリバーが見事に顔をしかめる亜里珠を見兼ねて声をかける。


「あ…はい。はい。全然大丈夫です。」

もはや《全然〜ない》と使うべきの《全然》も正しく使えていない。


「じゃあ、続けるよ?すぐ終える。」


亜里珠は頭を縦に振った。


「そう、だから明日アリスを連れてモラリス先生の所に行ってくる。学校等の話はそれからだ。」


「俺等がついてってもいいのか?」


セルが言った。

亜里珠が彼の兄たちを見ると真剣に弟に同意している。


「来たいのならば別に私たちは…なぁリサ。」


「えぇ。あんた達も来なさい。丁度明日シルフィアも紹介しようと思ってるし。」


《シルフィア》。

この名前を亜里珠は何処かで聞いた様な気がした、が、思い出せなかった。


「さぁ、もうご飯にしましょ!もう七時よ?!」


リサが言ったことばに亜里珠は驚いた。

自分はそんなに長くさ迷っていたのだろうか。


「しばらく待っていて、ご飯が出来たら呼ぶわ。」


『はぁい』



皆好き好きに散っていく。

その中セルリックはオリバーに呼ばれた。


手招きされオリバーの座るソファーの方へ行くと、セルは向かい側に設置されているソファーにボスン!ともたれる様に座った。


「何。」


セルリックがぶっきら棒に言った。


その間亜里珠はこの家に溢れる、人間界では見たこともないような道具を目を輝かせて見ていた。

双子はそんな亜里珠に、

「これは何?」

「どうやって使うの?」

「あっ、じゃあアッチのは?!」

と、いう具合に質問責めに遭っていた。


オリバーは言った。

「アリスを寝かせる部屋がない…からおまえの部屋で寝かせてもらいたい。リストとローディアの部屋にとても女の子は置けないι」


「ってか」

「あんたアリスに手ぇ出したらただじゃすまさないからね!!」

台所から聞こえてきたリサの言葉で中断されたものの敢えてスルーしてセルは続けた。


「ってか俺が兄貴んトコで寝ればいいんじゃないのか?ι」

セルリックは心の中で何故そんな事も気付かないのか呆れ返った。


「そうか!そうだな。うむ…早めにアリスの部屋を作らないと…。」


「もう話は終わったな。じゃあ俺部屋片付けてくるわ。」

そう言うとセルリックは二階の一番奥にある自室に行ってしまった。


一方、亜里珠はアルローディア家に置いてあった魔法界の絵本に夢中になっていた。

開くと、其処にページは無く、右側に文、左側に絵がある。

其処までは日本にある絵本と何らかわりはないのだが、さすが魔法界とでも言おうか、文部分はその一文を読むとスゥッと溶ける様に無くなり、次の一文が浮き出てくる。

絵部分は、現在読んでいる文に対応してアニメの様に主人公が紙の中で動いていた。

亜里珠はソレに感動して夢中で読んでいる。

魔法界の本は読み手の言語に反応するらしく、文章は日本語表記されていた。

「(日本が異世界扱いなのに何故日本語表記が可能なのかしら…?)」

さすが魔法の国。侮れない。


そんな事を考えていると、リストとローディアが話し掛けてきた。


「なぁに読んでんの!?」

ローディアが亜里珠の肩越しに絵本を奪う。


「何何…えぇーっと…」


絵本に出ていた日本語がスゥッと溶ける様に消え、いそいで同じ部分が英語で表記された。

つくづく便利な代物だ、と亜里珠は思った。


「えぇと、猫のトーマスはどうしてもその蓮根が欲しくなりました。…ってなんだこの話ι」

「題名見てみろよ。」

双子は本を閉じて表紙を眺めた。


『魅惑の蓮根。』


亜里珠は題名なんて気にしちゃいないので笑いがこみあげてきた。

「(魅惑!!!魅惑ッ!!!?魅惑の蓮根!!!よりによって蓮根!!!かなり変な題名だったのね…。)」

「懐かしいな。俺これ読んだ記憶あるよ。」

リストが言った。


「俺も思い出してきた。あれだよな?猫のトーマスが蓮根に誘惑されてなんとしても手に入れたくなる話だよなぁ。」


「今思うとリアルに男女間の奪い合いを描いているような気がするな。」


リストはニヤリと相棒と視線をかわした。


「変なの。猫のトーマスもリストもローディアも。」

亜里珠がそんな言葉を口走ると、台所からリサが叫んだ。


「ご飯飛ぶわよ〜〜!!!」


亜里珠は思った。

何が?ご飯?

飛ぶ?!


辺りを見ると、リサのその台詞と同時に、後ろにいた双子はシュッと身を屈める。


訳がわからずに茫然とつっ立っている亜里珠を見て、ヤバい!!!と、すぐに手を無理矢理ひっぱりしゃがませる。


“グィッ”

“べしゃ”


「…はぃ?!」

「おっとぉ〜」

「危ねぇ。」

「ナァ〜イスキャッチι二人とも。ってか、君たちがひっぱったんだよ、ね?(苦笑」

リストとローディアはものすごい勢いで亜里珠を引っ張ったので、亜里珠はあえなく、座り込む二人にもたれ込む形でバランスを崩した。


『だって。アリスだって熱いし痛いのは、ついでに汚いのは嫌いだろう?』

双子はそう言って座ったままうえをむいた。亜里珠もつられて上を向くと…










ものすごいスピードで宙を飛んでいく皿。と、料理。



こりゃあ…



「危険だわぁ…。」


と、亜里珠。


『だろ?』


と、双子。



亜里珠はリストに腰に手を回され膝の上にのっけられている体勢にも気付かずに、風圧で何故料理が落ちないのか。などと真剣に考えながら、ひたすら宙を舞う料理と皿を眺めていた。

長くなっちゃぃましたね(>_<) こんなんでも後書きまでょんでくれてうれしいです♪ 変な文ですがこれからも末長くよろしくお願いします。

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