第十一章-彼の頭には電球が灯った。-
「なんか…気が付いたら…ここの近くの森の前…に…」
そう話す亜里珠の顔はどんどん俯いていく。
「…本当かい?」
オリバーは顔を亜里珠の目線の高さに持ってきてきいた。
「はぃ…ι 寝て…起きたらこの世界にι」
「じゃあおうちは…?」
だからパジャマなんです。と続けようと思っていたのが、またしてもリサの言葉で遮られた。
先程もだが、リサは言いたくなったらスグ言ってしまう人種らしい。
まぁ、亜里珠も人の事は言えないのだが‥。
「家は…この世界には…無いんです…」
『だからね?』
亜里珠の言葉を聞き、待ってましたと言わんばかりにリストとローディアは髪の毛と同じ蜂蜜色の目を爛々と光らせて口をはさんだ。
『家に住ませればいーんだよvv』
「Σそれは良い考えじゃない!!!!」
リサが即座に反応した。
『Σんなっ…母さんι!!』
傍らでハモったのはセルリックとオリバーだ。
「は…はぅ゛…」
亜里珠に至っては、この展開の速さについていけていない。
「何?あんたらは反対なの?」
まさに鬼嫁さながらのオーラを発しながら旦那と次男を睨むリサ。
「ィ…いや、反対なんてしないさ。むしろアリスを歓迎するよ!でも子供たちが学校に行っている間アリスはどうするんだい?ちょくちょく戻ってこれる様な距離じゃないだろう?そもそもあの学校は島じゃないか。」
「(は?!?島?!?学校が島?!?意味ワカラン…)」
「ん…それもそうね‥ι」
リサは某悩みに悩む苦悩の銅像ばりの悩みポーズをとった。
“ピコーン!!”
誰かの頭に電球がついた(表現古)。
「俺に素敵に素晴らしい考えがあるのですが…?」
彼が言うと何故か不快極まりない敬語をしゃべったのはリスト。
どうやら頭に電球が灯ったのは彼のようだ。
ぬぁ…アリス落ち込みモード…