03-04.サプライズ
「というわけでね♪ ちづ姉♪」
「待て。わかった。仲直りしたのなら何よりだ。それ以上は口にするな。お前は教師に何を伝えるつもりだ」
それはそう。
「ごめん♪ ごめん♪」
「あまり浮かれすぎるなよ」
「もちろん♪ ちづ姉には迷惑掛けないよ♪」
「今まですまなかった」
「え? まだ気にしてるの? 大丈夫だって♪ ちづ姉のこと恨んだりするわけないじゃん♪ だいたい悪いのは詩葉とママズでしょ♪ どうせ♪」
「……そうか」
ちづ姉も相当無理を言われていたのだろう。ちづ姉はちづ姉で、うちのママたちに頭が上がらないもんね。そっちのルートで頼まれたんならどうにもならないよ。うんうん。仕方ない仕方ない♪ 私はちゃんと理解しているよ♪
「こっちこそごめんね♪ 色々振り回しちゃって♪」
「……いや」
なんだろう? まだ表情が優れない?
「何か気になってる?」
「……詩葉は何も言っていないのか?」
「うん。あんまり喋ってくれなくて」
「……そうか」
「目的を明かしてくれてもいいんだぜ♪」
「……やめておこう」
「そっか♪ ならもう聞かないよ♪」
「……」
むしろ話したいのかしら?
結局私は、それ以上問いかけることはせずに、また夏休み中に詩葉も交えて話をしようと約束して、ちづ姉と別れた。
それから教室に戻ると既にもぬけの殻だった。琴音は部活で奏は詩葉と一緒に帰ったのだろう。私も早く帰ろう。今日こそは詩葉といっぱいお喋りするんだから。
「あ! 響ちゃん!」
学校から出て暫く歩くと奏が駆け寄ってきた。
「詩葉は?」
「帰っちゃった」
薄情者め。
「忙しいみたい」
でしょうけども。
「奏はなんで待っててくれたの? 詩葉にも話を聞きたかったんでしょ?」
「詩葉ちゃんから頼まれたの♪ 響ちゃんを守ってって♪」
そういう口実で追い払われてしまったと。まったく。詩葉にも困ったものだ。折角協力してくれたのに。……だからか。奏とは顔を合わせづらかったのかも。キス未遂のせいで。
「詩葉怒ってなかった?」
「え? うん。いつも通りだったよ♪」
それはそれで不気味な気がしないでもない。
「帰ろっか」
「うん♪」
奏はあまり気にしていないようだ。
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今日は家に帰ると言う奏を見送って、一人で自宅に帰ってきた。
「おかえり」
なんとびっくり。詩葉が出迎えてくれた。
「ただいまっ♪」
思わず詩葉に飛びついた。
「っ!?」
詩葉は私の突発的な行動に驚いて固まった。
「抱きしめ返してくれないの? 恋人様のお帰りだよ?」
「……バカ」
うふふ♪
「詩葉良い匂い♪」
「……手を洗ってきて」
「はぁ~い♪」
シャカシャカ~♪ ゴシゴシ~♪ ガラガラ~♪ ッペ♪
「う~たはっ♪ なにやってるの♪」
「晩御飯の支度」
「早いね」
「用事があるの」
「あ♪ そっか♪ ヒコマちゃ」
「響」
「ごめんごめん♪」
恥ずかしいよね♪ 改めて口に出されると♪ もちろんからかうつもりはないんだぜ♪
「応援してるからね♪ 色々と♪」
「……いいの?」
「え? 何が?」
「……続けても」
「もちろん? なんでそんな事聞くの? いつも楽しみにしてるよ?」
「……そっか」
よくわからない。詩葉は何を気にしているんだろう?
「何か手伝えることはある?」
「……いいの?」
「もちろん♪」
だって私も食べるんだし♪ どうせなら私にも料理教えてほしいな♪ 私も将来は詩葉のために作ってあげたいもん♪
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『ハロハロ~♪ 真っ赤な烈火♪ ヒコマちゃんだよ~♪ 皆の衆♪ 今日はサプライズを持ってきたよん♪』
いつにも増してテンションの高いヒコマちゃん。
『なんとなんと♪ この度ヒコマに相棒が出来ました♪』
どうしてこうなった。
『ご紹介しましょう♪ 「堕白恋 ユリ」ちゃんです♪ オシロちゃんって呼んであげてね~♪ はぁ~い♪ 皆拍手~♪』
「……えへへ~」
ヒコマちゃんの隣に見知らぬ純白の美少女が映っている。私の動きに合わせて頬を掻いた。
『あらあら~? 照れてるみたいだね♪ そんなんでこの先やっていけるのかなぁ~?』
無茶言うな……。




