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02-04.お悩み相談




『えぇっ!? 「vicky-utalove」さん、お友だちとお別れしちゃうの!? ダメだよ! そんなの絶対にダメ! きっと誤解があったんだよ! ちゃんと仲直りしなくちゃ!』


 今宵のヒコマちゃんの枠は雑談配信だった。しかもお悩み相談まで受け付けてくれるという話だったので、折角だからと相談に乗ってもらう事にした。



『えっと「これからはヒコマちゃん一筋で生きていきます。どうか私の愛を受け取ってください」いやいやいやいや! ダメだから! リアル捨てちゃダメだから! そんな愛受け取れないから! 考え直して! 「vicky-utalove」さん!』


 やけに必死だね。



『ほら! 皆も何か言ってあげて! 「vicky-utalove」さんを勇気づけてあげて!』


 遂にはリスナーさん達に呼びかけ始めてしまった。



『一年も放っておかれたんでしょ?』

『え~流石に無いわ~』

『というかもう終わってる』

『とっくとっく』

『つかまだ一筋じゃなかったんかいw』


 コメントの民は概ね私に同情的だ。なんだかんだこの人達とも長い付き合いだもんね。中にはヒコマちゃんを私物化するなとか言ってる人もいるけど。ヒコマちゃんが私のコメントに大げさな反応を示したのが気に食わないらしい。いつものことだ。ふふん♪



『もう! 皆真面目に考えて! きっとその子にも何か事情があったんだよ!』


 え~。ヒコマちゃんまでそんな事言うの~。



『なんでそう思ったし』

『そんな要素無くね?』

『まあ喧嘩って両者の言い分を聞いてみないことにはなんともね。vicky氏が大げさに言ってるだけかもだし』

『ヒコマちゃんちょっとおかしいよ』

『実はヒコマちゃんがその幼馴染だったりして♪』

『w』

『名探偵現る』

『なるほど♪ そういうことか♪』

『てぇてぇ。痴話喧嘩てぇてぇ』

『ヒコビキ推しとしては聴き逃がせない』

『あぁん? ビキヒコだろぉぅ? 二度と間違えんなボケカス』


 盛り上がってるなぁ~。なんやねん。ヒコビキ推しって。いつからそんなんあったのさ。私は皆と同じファンの一人だぜ? 妄想逞しすぎない? まさか私達の薄い本とか作ってないよね? あったら教えてちょ♪ 当事者の一人として校閲させてもらわねば♪



『待て皆! きっとヒコマちゃんは内緒にしてるんだ! vickyが迷い込んできたのは偶然なんだ! 夢を壊さないように泣く泣く距離を取っているだけなんだ! 信じよう! 我らのヒキビコを!』

『全部言ってるw』

『ビキヒコだっつってんだろ! 表出ろやごらぁ!』

『お前は少し落ち着け』


 ヒコマちゃんが詩葉? 無い無い。そんなのあり得ない。私が詩葉の声に気付かない筈無いじゃん。


 きっとヒコマちゃんも似たような経験をしたのだろう。それで後悔しているのだ。私だって絶対するもん。あの時やっぱり仲直りしておけばって悔やみ続けるもん。それでも前に進むって決めたんだ。ヒコマちゃんの気持ちは嬉しいけど、相談しちゃったのは間違いだったのかもしれない。



『「ごめんなさい。相談は取り下げます」いいよいいよ! 気なんて遣わないで! 応援してるから! 絶対仲直りしてきてね! 約束だよ! 頑張ったらご褒美あげるからね! 「vicky-utalove」さんのお願い一つ聞いてあげるからね♪』


『ひゅ~♪』

『出た特別待遇』

『しゃあない。vicky氏は古参も古参だからな』

『今「なんでも」って言った?』

『言ってない言ってない』

『幻聴幻聴』

『お前……耳が……』

『いや。言ってたかもしれん』

『だな。むしろそっちの方が面白い』

『皆で考えようぜ♪ ヒコマちゃんに何してもらうか♪』

『賛成~♪ てことで頑張れ♪ vicky氏♪』

『俺達の為に!』


 勝手な事言ってらぁ……どいつもこいつも……。ふふ♪




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 ……なんでよぉ! なんでお別れするだなんて言うのよぉ! ここまで頑張ってきたじゃない! 後少しだったのに! 私だってずっと我慢してきたのに! 元はと言えば響が悪いんじゃない! 響が私に言ったんじゃない! どうして今更ひっくり返すのよ! これじゃあ約束が守れないじゃない!



 ……落ち着け。大丈夫だ。響は手段に拘っている。直接顔を合わせなければ済む話だ。幸いもうすぐ夏休みだ。少しばかりズル休みしたって問題ない。努力は続けてきた。周囲の信頼は十分に築いてある。ちづ姉には裏切られてしまったけど、それさえ障害にはなり得ない。まだチャンスは残っている。続けよう。全ては【響のため】。選択に間違いは無い。

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