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超年配の協会長

 そこからのユニの行動は、とんでもなく早かった。


 村人たちに顔を見せるどころか、それまで話していたパーティーとの会話さえ速やかに切り上げ、再び転移したのだ。


 本来の目的地であるところの、少し先にある街まで。


 一体、何故そんな選択をしたのか?


 それは、これ以上ここに居てもEXP(経験値)が得られないからであり、せっかく〝星詠み〟で『とある座標が示す場所に転移すると少し多めのEXP(経験値)がもらえるかも』という占いじみた未来視が脳裏を過ったものの、あの巨大かつ頑強な殻の特攻を止めただけで1ダメージも与えなかったが為にEXP(経験値)全てが彼らに渡ってしまったのだから仕方ないのかもしれない。


 そして、ファンだと言ってくれた2人の女性狩人(ハンター)への軽い別れの挨拶だけを交わした後、即座に転移したユニは今。


「……おや、久しいねぇユニ。 何年振りの再会だい?」


「ちょうど10年だよ、〝ドライア〟さん」


「そうか、もうそんなに……時が経つのは早いね」


 アイズロンの中では王都を除き国内で2番目に栄えている街、〝リュチャンタ〟に在る竜狩人協会(D・ハンターズギルド)の長と会っていた。


 どうやら実に10年前、ユニがまだ竜狩人ドラゴンハンターですらなかった8歳の時に出会った事があるらしく、たった1度の邂逅という〝縁〟だけを頼りにした要請を受けた事を思うと、ユニは目の前で安楽椅子に背を預けつつ煙草を吸う女性に何かしら思うところでもあるのかもしれないが、それはさておき。


「さて、まどろっこしいのは嫌いだろう? さっさとアンタを呼び出した理由を伝えようと思うんだけど、いいかい?」


「もちろん、いつだって備えはあるからね」


 ドライアと呼ばれたその女性は──……否、()()()()は御年121歳とは思えないほどギラついた紫電の瞳で射抜きつつ、Aランク相当の気迫を纏う声を発せど飄々と返すユニ。


 当然、そんな彼女だからこそドライアはわざわざ他国を活動拠点とする狩人ハンターと解っていながら要請を出したわけだが。


 そして、『ふーっ』と紫煙を燻らせてから一呼吸置き。


「まず、大前提として確認しときたいんだけどね──」











「──【白の羽衣(スワンクローク)】ってパーティーを知ってるかい?」


 ユニにとって旧知とまでは言えないが少なくとも知り合いではあるAランクパーティーの名を出し、そう問うてきた。

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