プロローグ:第一話『大乱……開戦』
そこは……異能と呼ばれる、特殊な力を持つもの達が数多に存在する世界。その中でも和音と呼ばれる巨大貿易国家であり、国家間の人の出入りが最大とされる。通称『世界の駅』と呼ばれ、この国で物資調達をする場合が多い。そして、そんな国であるから……異能による犯罪発生率も、世界最大と言えるだろう。
「ーー魔界より来たれり…獣に非ず、然して魔獣と呼ばるる異質なる化物共よ、我の元に顕現し給えーー」
それは、この世界において最も一般的な人外や異能と呼ばれる異質な力を持つものたちに対抗する対策の1つ『術式』。それを簡易的に発動させる為の……詠唱である。
術式には発動条件が様々にあり、その中でもっとも簡単に行えるのがこの、詠唱だ。自身の中に流れる異能や術式等を発動させるための源流。『源力』を詠唱中に発生させる事で術式を起動する。
ーーそしてフード付きのパーカーを着こなしている緑髪紫眼の青年による詠唱、それによる術式の起動により辺り一面、そこから生まれるのは、水色の粘体。そして、疎らに赤黒い粘体や黄金色の粘体等が降り立つ。ドロドロ、プルプルと和音の中で人があまり寄り付かない山を駆け回り、巡回し始める。
「…………フィルテ様」
突如、そう低く、緑髪紫眼の青年はつぶやき、前をみあげる。そこには、青髪黒眼の男が立っており、ニット帽を被り、黒基調のジャケットに黄金色のバッジ、小さく『蒼』と刺繍され、その背部には『code』と書かれた黄金色の刺繍が煌めく。
事件は幕を開けようとするだろう。都市一つを巻き込んでしまうような、そんな事件が
ブクマ、評価等お願い致しますっ!今回は超短めですが勘弁してくださいなぁ