プロローグ 6
翌日、俺は大学の広場でクイーンの報告を受けた。クイーンとの連絡は事前に登録し合ったlineによってとっている。
クイーン「あなたの研究室の人、全員見事に改心の余地が無かったわ。放っておいたら絶対にいろんな人の人生を狂わせる、そんな悪い人達よ!」
やっぱり…それを聞いて安心した。これで何の躊躇いもなく、あいつらを地獄送りにできる。俺は研究室へ向かった。
PM7時00分
市原「まさかお前がこんな気の利いた店知ってたなんてな!今日ばかりは恩に着るぜ!」
寺西「はは…もう時間だ、入ろ。」
俺達の研究室はこの日、メンバーと古田とで飲みに行く事になっていた。そこで俺は、別の居酒屋にバニーガールがご奉仕してくれるサービスを行っているところがあると言った。それを聞いたこいつらは、いとも容易く話に乗ってくれた。…俺とクイーンが用意した、偽物の店であるとも知らずに。
バニーガール「いらっしゃいませ〜♪ご予約の方でよろしいでしょうか?」
寺西「はい。」
バニーガール「では、こちらのお席へどうぞ♪」
このバニーガールの正体は、大方の読者の予想通りクイーンだ。
市原「あのバニーガール半端ねぇな!胸とか…」
寺西「悪い、俺トイレ行ってくる。」
俺はその場を離れた。
佐倉(研究室のメンバー)「お品書きがある!どれどれ…」
佐倉「え………何これ………」
〜本日のお品書き〜
前菜 梅田の生き血
汁物 市原の溺死体
お造り 鈴木、高橋、本田の三枚おろし
焼物 長岡の焼死体
揚物 薮の素揚げ
箸休め 佐倉と小林の永久土壌漬け
主菜 矢野の処刑盛り合わせ
デザート 院生の臓物
〆 研究室メンバーの火葬
薮(研究室メンバー)「お、おい…これ…何の冗談だよ…」
シュン シュン
その時、店の床から土の塊が棒状に出現し、研究室のメンバーの体を拘束した。
鈴木(研究室メンバー)「な、何だよこれ!?」
梅田「つ、土!?何が起こって
ザク ザク
梅田は突然全身をバラバラにされていた。その傷跡から、大量の血が噴水の様に流れ始めて梅田は倒れた。
佐倉「きゃあああ!!」
薮「今、何が…」
寺西「かまいたちだよ。」
俺はこれから殺人レストランを開業すべく、そいつらの前に現れた。
矢野「て、寺西!?」
寺西「風が吹いてきた箇所に突然切り傷ができると言われてる現象だけど、俺できるようになっちゃった!真空状態の空間に凝縮させた空気を入れ込むことで人の体は簡単に切断できる。厳密にはかまいたちとは呼ばないんだけど、お前らに言っても分かんないかw」
小林(研究室のメンバー)「こ、こいつ…人間…なのか…?」
寺西「しっかしお前ら恥ずかしい奴らだな!バニーガールがご奉仕します、なんてちゃっちいハニートラップに簡単に引っかかるなんて!」
矢野「寺西!!お前の変な力のことはこの際どうでもいい!研究室の者全員を騙して皆殺しってどう言うつもりだ!?」
寺西「ほざけ!散々人の事コケにしておいて!よくもまあ、毎日毎日怖い思いさせてくれたよなぁ!!挙げ句の果てに人の人生踏みにじりやがって!!」
寺西「お前らは全員1人を寄ってたかって傷つけるという大罪を犯した犯罪者だ。犯罪者は俺と言う名の正義に基づき殺されなければならない。この店は俺とあのバニーガールが用意した処刑場だ!今日が文字通りお前らの「最後の晩餐」なんだよ!もっとも料理されるのはお前らだがな!!」
高橋(研究室メンバー)「こ、こいつ、正気じゃねぇ…」
寺西「さて、フルコースもまだ前菜出したばかりだ。次は汁物スープか…市原さぁ、お前確か昔海で溺れて死にそうになったって話したよなぁ…?」
市原「あ!?お、お前、何言って
その時、市原の頭全体を水の塊が覆った。
市原「ぐぶおぉ!?ごぼ、」
本田(研究室メンバー)「こ、今度は水!?」
寺西「溺死なんてそんなお前にピッタリだよねぇ!海の臨場感も出すために塩もたっぷり…」
俺は用意していた塩の袋を破って水の塊に大量に投入した。
市原「があああああ!がああああああああああ!!」
寺西「あ?何言ってるか分かんねえよ。水ん中だししょうがないかw」
市原は暫くして、白目を露わにして息を引き取った。俺は市原の土の拘束を解除して、市原はその場に倒れた。俺は市原の頭を踏んづけて言った。
寺西「あーあ、死んだ魚の様な目しちゃって…お造りはこれからだってのに…なあ!?」
俺は鈴木、高橋、本田に狂気の笑みを向けた。
鈴木「三枚おろしって、まさか…」
寺西「お前ら俺呼ぶ時シャーペンで刺した事あったろ?そん時の傷の分、1000億倍にして返してやるよ!!」
俺はそいつらの体を先程行ったかまいたちもどきで綺麗に削ぎ始めた。まずは指の爪から切り始める。
本田「ああああああああああ!!」
寺西「あー見てるこっちまで痛い痛い!能力の精密性も分かった事だし、お前らの為にも、一瞬で終わらせちゃうか。」
俺は3人の体を皮膚、筋肉、内臓、骨にそれぞれ切り分けた。そいつらの周囲一面に、切り分けた物が散らばった。
佐倉「もう嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
長岡「て、店員さん!知らんぷりしてないで助けてよぉ!!」
店の店員は声を無視して作業を続ける。当たり前だ。この店員達はクイーンが用意した何処かの店の店員のコピー、操り人形みたいな物なんだから…
長岡「無視すんじゃねえよ!じゃあそこのバニーガールのお姉さん!早く助けてくれよ!」
クイーン「………」
クイーン「見苦しいですね♪」
小林「は!?」
クイーン「狭斗くんから話は聞きましたよ。散々彼に酷い事したんですって?それでいざ自分達が報復を受けると泣くわ叫ぶわ助けを乞うわ…自分達が蒔いた種なのにそれはないですよ♪」
長岡「う、うるせぇ!大体、あいつが嫌な感じ出してんのが悪いんだよ!弱い立場にいんのが悪い
寺西「うるせえのはお前だ、長岡。」
俺は長岡の顔に手を当てて火をおこした。
長岡「うわあああああああああ!!ああああああ!!」
長岡の顔に付いた火は髪の毛や服に移り、瞬く間に全身を火に覆われた。因みに、制御が効くのか火は長岡以外に飛び火することはないらしい。
寺西「お前確か昔家が火事になったんだってな。トラウマに襲われながら地獄へ堕ちろ。」
長岡だけが燃え続け、暫くして倒れたのち完全に炭だけが残った。俺はあるものを手にし、ついさっきまで長岡だった炭を踏みつつ藪の元へ向かった。
寺西「ここで藪、お前を使って実験してみたいんだ。物体を内側から揚げる事は可能かって事のね!」
藪「て、寺西!ごめんよ!俺が悪かった!これから何でもお前の言いなりになる!だから、俺だけでも…助けて…」
寺西「お前…スターだぜ。小物界の。今更ごめんで済むかよ!!」
俺は藪の口の中から大量の天ぷら油を注ぎ始めた。全部入れた頃には藪の腹はぱんぱんに膨れ上がっていた。
寺西「何だこの腹?デブそのものだな!目に毒だ。こんな奴さっさと消さないとな。」ドサ ドサ
藪「止めてくれえーーーーー!何でもするから!寺西様ーーーーーーーー!!」
寺西「うるせえ。消えろゴミ。」
俺は藪の口の中めがけてひ 火を入れ出した。すると、藪の体内が一気に赤くなり、引火した。暫くすると、体の水分と油とで水蒸気爆発を起こし、藪は破裂した。
寺西「予想通りだ!最後は水蒸気爆発で破裂したか。勉強になったや!」
寺西「次は…お前らか、小林と佐倉。感謝しろ!仲良しカップルのお前らに最高の処刑方法を用意してあげたよ!」
小林「く、く、来るなーーー化け物ぉぉぉーーーーーー!!」
グラッ
佐倉「え?え?」
2人を拘束していた土が動き出し、お互いを向き合わせた。その時、土と土同士がそれぞれの報告に動き出し、2人をぶつけてくっつけさせた。
小林「ぐわぁ!?」
佐倉「つ、土が、土が…」
土が地面からどんどん湧き上がり、2人を球状に包み込んだ。
小林・佐倉「ん……………!!…………………!!
中から何か言ってるようだが、聞こえない。俺は2人に向かって言い放った。
寺西「末永くお幸せに♪」
俺は土の塊を凝縮させ始めた。土の塊は2人をどんどん押し潰していく。やがて、土の中から何やら折れる音や潰れる音が聞こえてきた。俺は土の塊をそのまま放置した。土の塊はその場に倒れた。
寺西「おっと、デザート先に作んのは礼儀に反するけど、めんどくさいし院生の方々も処刑しとくか。この人達にも散々嫌な目に遭わされたし。」
俺は院生の奴らをかまいたちでバラバラにした。
寺西「さーて、主菜メインディッシュだ矢野!特にお前は俺の人生を台無しにしたんだ!最高に恐ろしい死に方をしてもらうぜ!!」
矢野「て、寺西!お前が今何やってんのか分かってんのか!?死刑レベルの犯罪だぞ!!いずれお前も死刑台行きだ!残念だったな!」
寺西「安心しろ。お品書きにも書いてあっただろ。最後に火葬するって。お前を処刑したらこの建物ごとお前らを燃やして証拠隠滅する。」
寺西「てかそもそも俺が超能力使って殺しました、なんて言って誰が信じるんだっての!大学教授のクセに頭悪いよな、お前って。」
寺西「…ところでさ、さっきからお前ら大声出してんのに何で誰も助けに来ないと思う?…このバニーガールさんの力だよ。俺たちで適当な場所見つけて一瞬で偽物の店作ってもらったんだ。しかも、人々に元からあった店と認知させた上周りに音の漏れない結界付きで。予め周囲には何もない廃墟選んだし、今までので精密な制御出来る事も分かったから、被害はここだけで抑えられる。後は駆けつけてきた消防士に適当言ってチェックメイトだ!」
クイーン「因みに、彼は消防士や警察の方々には大学まで忘れ物を取りに行ってたって言うそうですよ。あ、アリバイでしたら、既に彼のコピーを向かわせてますから。防犯カメラにもバッチリ映ってるでしょうね。狭斗くんはこの計画を昨晩の短い間で思いついたんです。彼の事を見下していた貴方や周りの人の完全敗北ですよ。残念でしたね♡」
矢野「な、なんなんだあんたは!そのゴミの肩を持ちやがって!俺はな、大学教授なんだぞ!俺が死んだら世界中の学会の損害になるんだ!そんな事も分からないのか!?」
クイーン「ん〜...だって私、女神ですから…可哀想な目に遭ってる人を救うのが仕事ですから♪」
クイーンは6枚の天使の様な羽根を出して正体を矢野に明かした。
矢野「………は…ははは…ははははははははははははははは!!何か何だかもう分かんないやーーーー!!!あーははははははははははははは!!」
寺西「うわぁ、壊れ出したよこの老害。最後だから勘違い教授に言ってやる。」
寺西「お前に宇宙に触れる資格はない。宇宙の為にも死ね。」
寺西「そしてそんなお前に相応しい死に方は……………今までやった処刑全てだああああああああああああ!!!」
俺はまずかまいたちで矢野の皮膚を切断、綺麗に削ぎ落とし、水で窒息させた。もうこの時点で息絶えていたが、関係ない。次に矢野の全身に油を注ぎ引火。消し炭になったところを土の塊で粉々にした。気づいた頃には、矢野は死体すら残っていなかった。
クイーン「も〜う、女神にこんな格好させて〜!恥ずかしかったんだから〜!」
クイーンは不思議な感じの色に体を包まれたかと思うと、一瞬で元のドレスの格好に戻っていた。そんな事を言ってるクイーンだが、表情は満更でもなさそうだった。
寺西「いいじゃん、目撃者のこいつら死んだんだし。」
寺西「さて…後はここを引火させてっと…」
俺とクイーンは無数の死体が転がった地獄絵図の様なところを後にした。そして俺は店を装った廃墟に火の塊をぶつけ、火災を起こした後、頃合いを見て消防署に連絡をした。
消防士や警察官には予定通り忘れ物を取りに行ってたと言った。その後大学の警備員と連絡してもらい防犯カメラの映像を見てもらった。そこにはバッチリ俺のコピーが研究室へ向かって、戻ってきている瞬間が映っていた。何を取りに行ってたか聞かれたため、俺はスマホと答えた。と言うのも、俺は予めクイーンにスマホのコピーを作ってもらい研究室に置いてたのだ。防犯カメラにもそのスマホのコピーは映っていた。よって、俺のアリバイ工作は無事成功した。