第2話 おっと口調が…
2話目行きます
俺の目の前には、でっぷりと太った醜い見た目の男が座っている。
眩しいほどの光と謎の浮遊感が収まったと思ったら、こんな所にいたのだ。
なにか男が言っているが気にせず周りを見渡してみる。
だいたいこういう場所だと白い空間だったり奥まで何も無かったりするのだが普通の日本家屋の和室のような場所だ。
なので床は当然のごとく畳で目の前の男は胡座で座っている。
「おい!聞いてるのかお前!」
目の前の男が喚く。
さっき言ってたような神々しさは全く感じない。このまま無視をしてもかわいそうなので一応返事をしておく。
「あっはい。聞いてますけど…」
「ふん、聞いてるならさっさと返事をせんか!」
「す、すいません」
「まぁいい。混乱しているなら仕方ない。」
「えっと、ここは一体?」
「余の家だ。ここでいつも過ごしておる。」
「えっ!ゆ、誘拐ですか?」
「違うわ!そんなことするわけなかろう!」
「ではなんでここに?」
「余が呼んだのだ。お前はあの場で死ぬ予定だったからな。」
「えっ!でも車に当たっていないですけど…」
「当たるはずだったのだ。ただ何故か当たらなかったのだ。そしてお前は死ぬ予定だった。」
えぇー!そんなことは初耳だ。まさか予定外のことが起こるなんて…。
「だから仕方なくこの場に呼ぶことにしたのだ。これからお前には2つの選択肢がある。心して聞け。」
「ち、ちょっと待て下さい!貴方は一体?」
「余の神々しさで分からんか!」
「えっと、神様ってことですか?」
「当たり前であろう!」
どうやら神様だったらしい。いやほんとに神々しさなんか感じないんだが。代わりに脂ギッシュさを感じる。すげぇお腹。叩けばいい音しそう。よし、あだ名はチャーシューだ!
「余は偉大なる神であり、名はチャーシューである。」
は?
待て待て待てなんわざわざそんな名前なんだよ。誰がつけたか知らねぇけど安直すぎだろ!
「ふん、偉大な名前を聞いて声も出ぬか。まぁ仕方ない。」
見当違いなことを言っているチャーシュー。まったくこんな名前をつけたら可哀想だということが分からんのか。
「えっと、ではチャーシュー様が俺をここに連れてきたということですか?」
「そうだ。お前を魔法で連れてきた。」
おっとここにきて魔法来ました。魔法はまじ憧れる。
「ただ余のこれは魔法と言うよりスキルだな。余はこのような仕事を受け持つため、固有のスキルを持っているのだ。リスクなしにほぼ自由に能力を使うことが出来る。まぁ余は他に能力など無いし、戦闘力など皆無だからな。お前とさほど変わらん。」
知らなかった。そんなスキルを持ってるなんて…
てか神なのに戦闘力ないのかよ!神様って強いイメージが…
「そんなことより話を戻すぞ」
「は、はい。」
「お前には2つの選択肢がある。
1つ目は、記憶を無くし同じ世界でまた赤ん坊になることだ。」
うん、テンプレな質問だな。うんうん満足。
「2つ目は、記憶を持ったまま死後の世界に行くことだ。まぁこれはあまりオススメはしない。死後の世界にいるといずれ魂が消滅するからな。次に生まれる魂の糧となる。」
は?
おいおいおいおいそれはねぇだろ!
そこは異世界に転生するのがテンプレってもんだろ!テンプレどこ行きやがった!ふざけんな!
「ちょっと待ってください!その2つしか選択肢はないのですか!異世界に転生とかはないのですか!?」
つい声に出てしまった。やべぇ厨二病がバレる。
「そんなものがあるわけなかろう。良いから早くどちらにするか選べ。」
「そんなぁ…」
なんでここまで来て究極の選択をせにゃあかんねん。おっと口調が…。
だって忘れそうになるけど俺めっちゃハイスペックなんだよ!なのになんでこんな目に!せめてワ〇ピースの結末を見たかった!
「早くしろ。余も暇ではないだ。3時のおや「待て!」」
ん?今おやつって言いそうになった?仮にも神様だよね?
え?話を妨害したの俺じゃないよ。
何も無い空間から女の人がでてきた。
神のごとき絶世の美女
ではなくごく普通の少しふくよかな40代前後の女の人がでてきた。
「待ってやれ。その者は特別な処置をくだすこととなったわ。」
マジで!今度こそ転生できるか!
やっぱ日頃の行いだよね!何故か女神様はテンプレじゃないけど…。
うーん現実はこんなもんなんだなぁ…。
ちゃんと転生します