表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テンプレどこいった?  作者: 土沢天樹
第3章 青年期
11/14

第11話 その設定まだ生きてたのね

主人公モテます。

「好きです!付き合ってください!」


目の前にいる少女から告白された。

やはりというか、特に美少女という訳では無いが、平均よりも可愛いくらいだ。



どうしてこうなった?





俺は高校1年生になり、いつも通りの暮らしをしてたはずなのに。変わったといえば、実家通いから寮生活に移行したということぐらいだな。

御場佳市は実家のある出間市(しゅつまし)に比較的近く、電車で通えたが、もうめんどくさくなったので寮に移行した。


そして高校生になってから2ヶ月だった頃、クラスの女子に呼び出された。

まさか告白されるとは。


前世の小学生の時にされた以来だ。


「えーと、あーと。」


やばいキョドっちゃう。


と思っていると後ろから足音が聞こえてきた。

あまり使われてない階段で、もうみんなが下校した時間なのに誰だよ。


ん?この感じは茜か?


あいつ帰ったんじゃなかったのか?


「スー君?そこで何してるの?」


うっ、やっぱり茜か。

くっそめんどくさくなりそう。


「茜、もう帰ったんじゃないのか?」


「スー君にこの前のを返そうと思ってたのに電話出ないし。」


「ご、ごめん。」


「まぁいいけど。で、何してるの?」


「え、えーと。」


「あなたには関係ないです!」


おっと告白してきた女子が茜に食ってかかった。


「関係あるよ。だってスー君の愛人だもん。」


その設定まだ生きてたのね。

ほらそんなこと言うから、相手の女子絶句しちゃってんじゃん。


「ご。」


ん?なんだ?


「ごめんなさーーーーい!」


凄まじい速さで去っていった。

身体強化使ってやがるなあれ。


はぁ、茜のせいでテンプレの王道修羅場が台無しじゃないか。爆弾発言するなよ。

まぁ今更だけど。


「お前、いつになったらその設定辞めるんだ?」


「ん?スー君と結婚するまで。」









は?こいつマジで言ってんのか?


「え?は?お前俺の事、す、好きなのか?」


「うん、好きだよ。」


こいつさも当然かのように言いきりやがった。てめぇには照れというものがないのかよ。


「え?じ、じゃー付き合うのか?」


「付き合ってもいいけど、今までとあんま変わらなくない?

たまにキスとか手を繋いだりするし。」


「確かにそうだけど。」


「まースー君が今付き合ってると思えばそれでいいんじゃない。」


「そ、そうか?」


「うん!じゃー今まで通りで!」


「分かった。」


茜の言うことは最もだ。

付き合ったところで、俺らは特に何か変わることは無い。


はぁ変な幼馴染を持ったなぁ。

俺はもうまともな恋愛が出来ない運命なのかもしれない。


もう寮に帰ろう。寮母さんが俺を待っている。


「多分待ってないよ。」


エスパー茜の呟きは俺には聞こえない。


俺は茜と別れて足早に寮に戻った。




次はまだ高校生です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ