第10話 覚えてやがれ
俺は中学一年生になった。
小中一貫なので、御場佳中学校である。
ちなみに魔法はあの後、水も出来るようになった。
ただいま恒例の体力テストをやっている。
もちろん魔法はありだ。
種目は前世と変わらないが、数値が少々おかしい。
例えば、俺の握力は80キロである。
しかし、平均が71キロなため平均より少し出来るだけである。
俺の前世の時の状況とあまり変わらない。前世では平均よりたかかったが、トップではなく、3位くらいであった。
運動神経は良かったと思うから、ただの器用貧乏なだけだったんだろうなぁ。
これ以上は、ただの愚痴になるためやめておく。
例のごとく、俺はだいだいこと大倉 大輔とペアを組んでそれぞれ計測している。
だいだいは獣人のため、身体強化が得意で、今も、とてつもないスピードで反復横跳びをしている。
目で追うのがやっとだ。
ええーと、多分112回かな。
「よし!118回だ!」
違ったみたいだ。
たいだいの記録用紙に書いておく。
ちなみに反復横跳びの平均は、93回である。
いかに獣人の規格外さがわかるだろう。
俺でも109回なのに。
そして全ての種目が終わったので、いま茜の様子を見ている。
あいつは中学に上がってかなり可愛くなった。
とはいえ、絶世のとか、芸能人よりもとか言う訳では無い。
まぁ上の中と言ったところか。
そう思っていると、茜がこっちに来た。
ズンズンズンって感じの効果音がつきそうだ。
そして俺はぴゅー、と効果音がつきそうな勢いで逃げ出した。
あれは俺の考えてることを悟った時の反応だ。
あいつはエスパーだからな。
おぉー怖い怖い。
全く俺が何をしたというのだ。さっぱり分からない。
「スー君が失礼なこと考えたからでしょうがァ!」
バゴーーーン!
痛てぇーー!このクソアマが!
バゴーーーン!
「また失礼なこと考えたでしょ!」
「痛てぇなクソ野郎!てめぇはエスパーか!」
勢いで聞いてしまった。
ここはそうだと言ってくれ。
「なわけないじゃん。勘だよ勘。」
神は茜に勘というチートを与えたようだ。
あのデブやろぉ。覚えてやがれ。
そんな日常を3年間送りついに高校生になった。中高一貫のためまたしても、御場佳高校である。
全日制の普通科だ。このまま、また中学校のように3年間を過ごすと思いきや、大きな転機が訪れた。
やっぱり変化は大事ですよ。
少し変わります。




