それは生物の本能。始まり
ダダンッ……
生物の本能。
誇り高き雄がおり、優しき清らかな雌がいる。2つの性が1つとなった時、新たな生物を産む。
常に進化、進歩を遂げることこそ。生物や時間に組み込まれた揺るがない遺伝子情報。
強い雄が雌を囲い、遺伝子を残す。
常識的、原始的、そして、最先端でもある。
「地球という星の、日本という国、東京という街に強い雌がいくつもいると聞いた」
人間だけではない。
あらゆる生命。例えば、宇宙人。彼等にとっても当たり前。
「強い遺伝子を残すには我等の繁栄がある。故に、強い雌と交配する」
「故に攫う」
「故に産る」
「故に選ぶ」
「故に喰らう」
地球の外側と言えるところから。6人の雄の生命体が乗る奇妙な宇宙船が、地球という星の日本という国を目指した。
◇ ◇
「これから宇宙人によって、日本が侵略される情報が入っているけど」
時はだいたい同じ頃だ。とある喫茶店の店主が、1人の野球帽を被った青年に食事と依頼を提供する。
「広嶋くん。戦わない?」
「どーいう用件で来るんだ?その馬鹿共」
広嶋健吾。
おそらく、日本という国では最強。世界を滅ぼすだけの力を誇る、奇術と超人能力を有する男。
彼は今回、戦わないので特に説明なし。
「なんでも雌を捕えに来るんだって、子孫繁栄とかの理由で。怖いよね」
アシズム。
この喫茶店の店主にして、地球だけでなく、宇宙中の神様である。平和な日常を好んでいるが、人間達に悪戯や救いをしたりもするので、広嶋達にとっては迷惑をかけている。
「あー、そう」
広嶋はコーヒーを飲み、パンとサラダを頂く。そんな普通の様子にアシズムは当たり前のように
「いや、薄情過ぎるでしょ。ミムラちゃんやのんちゃん。裏切ちゃん、灯ちゃん。などなど、君には女性の知り合いが多いじゃないか?攫われちゃうよ」
「あいつ等の友達でも彼女でもねぇーよ」
「せめて、仲間でしょ」
迫り来る仲間の危機。確かに言葉は冷たいが、仲間という言葉については否定しないし。だからこそって、言える事がある。
「あの馬鹿共を攫おうとする大馬鹿共だ。ここの女達に勝てる男は、そーはいねぇ。そーいうあいつ等への信頼は俺にはある……。あいつ等には言うなよ」
「サボる理由にしては男らしいね」




