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会話が苦手になった僕  作者: たまや
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後ろめたさ

よろしくお願いします

8月16日、午後2時45分。

ひぐらしが遠くで鳴いている。

弱い雨が降ってきた。少しだけ扇風機から送られてくる風が涼しくなる。


自分が今置かれている状況を何となく整理してみる。

大学3年生の夏休み、僕は実家に帰省していた。

和室の部屋で横になりながらスマホを弄っている。

隣のリビングからは高校野球の試合の歓声がときたま聞こえてくる。


悪くない休日だ、とそう思う。だが、何かが満たされない。何かを忘れているような、そんな気がしてしまう。


大学3年生だから、インターンシップに行ったり、ボランティア活動をしたり、そういう就職活動のためのものではない。

もちろんそれも大事なのだが、お盆くらいはゆっくり羽を伸ばしたい。そう思っているからだ。


では。


では、一体この満たされない感覚はなんなんだろう。この、胸にぽっかり空いてしまってい穴の正体は。


……いや。

本当は分かっていた。

この感情の正体。分かっているのだが、どうしていいのかが分からなかった。


昔はこうでは無かった。

もっと自分に素直で、自由だった。

なにかに縛り付けられることもなく、誰かに気を使うこともなかった。

誰かに負い目を感じることも無かった。

なぜなら、自分が世界で1番だと思っていたからだ。

誰からでも好かれていたし、誰とでも楽しくやれていたのだ。


……しかし、歳を重ねて行くうちに、変わっていった。

自分の立場が、支配する側から、支配される側に変わってしまった、そんな表現が頭に浮かぶ。


考えなしに生きてきたせいだろう。

この歳になって、自分という人間の浅さを痛感することが多々あった。

そして、その度に自信が無くなっていった。


そして、僕は「会話」が苦手になった。

ありがとうございます

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