ユータくんとケムリのプラピー
プラピーの体はケムリでできています。
プラピーは今年小学3年生になる、ユータくんのおうちに住んでいます。
プラピーは去年のクリスマスにクラッカーの中からポンッと出てきたのです。
プラピーとユータくんはとてもなかよしなのです。
あるにちようびのこと。
ユータくんとプラピーは外へあそびに行きました。
外に出るとき、プラピーはビンの中に入っています。
お母さんがとっておいてくれた、イチゴジャムの空きビンです。
プラピーが外に出るときはビンの中に入っていないと、
かぜにふかれてあっというまにまいごになってしまうのです。
おしゃべりをしながら川まで来ました。
そこではユータくんのともだちが、キャッチボールをしてあそんでいました。
そこでさそわれたので、ユータくんは川のそばの大きな石の上にビンをおいて「いってきます」と手をふりました。
プラピーも「いってらっしゃい」とビンの中から手をふりました。
ユータくんがげんきよくあそんでいるのを見ることが、プラピーはだいすきなのです。
キャッチボールがはじまってしばらくしたころ、プラピーのビンに一匹のネコが近づいてきました。
ネコはとてもふしぎそうにビンの中をのぞいたり、ふたのぶぶんをカリカリひっかいてみたり・・・。
プラピーはちょっとドキドキしながらネコを見ていました。
その時!
ユータくんがボールをとるのをしっぱいして、プラピーのすぐそばまでころがってきました。
ネコはそれにびっくりして、とびあがってにげ出しました。ネコの足がビンにぶつかって、ユータくんが「あー!!」とさけんだのがきこえたとたん、ゴロゴロとビンが石の上からころがって、ボチャンと川の中におちてしまったのです!
ユータくんがすぐにひろい上げようとしましたが川のながれがはやいらしく、プラピーの入ったビンはどんどん川をながれていってしまいました。
プラピーはとってもドキドキしながらビンの外を見てみます。
うんがいいことにビンのふたはしっかりとしまっていて、水は入ってこれません。
でも、もし岩にぶつかったらきっとビンはこわれてしまいます。そんなことになったらプラピーはどうなってしまうのでしょう・・・!
そんなことをオロオロとかんがえていると、
とつぜんプラピーのビンがヒョイッと持ち上げられました。
目をパチパチさせてまわりを見ると、そこにはユータくんの家の近所に住んでいるおじさんがいました。
おじさんは魚釣りのかっこうをして、手には虫取りアミのようなものを持っていました。
どうやらプラピーは、このアミで川からすくい上げられたようでした。
大急ぎでユータくんとともだちが走ってくると、おじさんはガハハと笑ってユータくんにビンをわたしてくれました。
釣りをしていたらとつぜんユータくんたちが走りだしたので、とっさに追いかけているビンをアミですくったそうです。
ユータくんはビンの中にプラピーがいることを確認すると、安心したようにビンをぎゅーっと抱きしめました。
それからまたともだちといっしょにキャッチボールをしました。
こんどはぜったい川におちないように、川からはなれたところにビンをおきました。
もしネコが来てもボールがとんできても、ここなら水からはなれているから安心です。
夕方、家に帰ったユータくんとプラピーは、泥水のついた服やビンをお母さんに見つかって「コラッ」と怒られてしまいました。ユータくんはそのままおふろに放りこまれて、ビンはあとで自分で洗うようにとせんめん所におかれました。
お母さんはきれい好きなので、おこるとちょっとこわいです。
ユータくんがおふろに入っているあいだ、プラピーはご飯を作っているお母さんの上をフワフワとんでいます。
ご飯を作っている時の湯気やケムリは、プラピーのごはんになります。
しかも今日はプラピーの大好きな焼き魚でした。
プラピーはお母さんをびっくりさせたり気をひこうとしたりして、なんとかお魚がこげないかとがんばりましたが、あまりうまくいきませんでした。ざんねん。
おふろもご飯もおわると、ユータくんは明日の学校のしたくをします。
でもテレビが気になって、なかなか終わりませんけれど。
プラピーはテレビも大好きです。
プラピーはずっとテレビのことを、箱の中に小さな人間が入っていると思ってるのです。
ちょうど、自分がビンの中に入ったりするみたいに。
ユータくんはなんども違うとせつめいしたのですが、プラピーはぜったいに人が入っているんだとゆずりませんでした。
プラピーはテレビでドキドキするたびに、さけびながら体をひねったり、テレビのまわりをくるくるとまわったりします。
ユータくんはテレビが見えなくなっちゃうよと注意をしますが、いつもプラピーの動きがおかしく思えて、最後には笑ってしまうのでした。
やがて、ユータくんのねる時間になります。
ふとんのよこに、きれいになったプラピーのビンをおいてユータくんが毛布の中にもぐりこみます。
プラピーはビンのふちから、顔だけちょこんと出しています。
二人はそのままねむるまで、「明日は何をしてあそぼうか?」などの話をします。
でも、もっとたくさん話していたいと思うのに、いつもユータくんはすぐにねむたくなってしまうのです。
うとうとして今にも目があかなくなってくると、ユータくんはプラピーのふわふわしている体をひとなでしてあいさつします。
「おやすみプラピー、また明日。」
おやすみユータくん、またあした。
ユータくんとプラピーはずっとなかよしなのです。
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