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.%◇第5話 -絶望へのSTARTLINE-

病院に運ばれ美悠は

すぐさまオペ室に運ばれた。


美咲は顔を青ざめ

オペ室の前の椅子に

座っていた。


「美悠.....」


手を組んで祈るように

目を閉じていた。


「おばさんっ!!!」


その時聞き慣れた

優美の声が聞こえた。


「優美ちゃん...」


「おばさんっ!!!美悠はっ!??」


「まだ...」


そう言いかけた美咲は

ドアの開く音と共に

口を閉じた。


「美悠っ!!!」 


ベットに乗せられた美悠は

ぐったりとしていたが

手を握ると僅かに熱が

感じられた。 

「お母様ですね?」


美悠の後ろから

年老いた先生がでてきた。


「先生っ!!美悠は...美悠は大丈夫なんですか!!?」


焦る美咲に対し先生は朗らかにわらった。


「なに、心配いりませんよ。軽い脳震盪ですねぇ。おそらく軽いめまいで足をふみはずしたんでしょうねぇ。まぁもぅ大丈夫ですから〜。」


なんとも頼りなさげではあったが

美咲と優美はホッとした。

先程よりも顔色のよくなった美悠は

周りの音をよせつけず

静かに夢をみていた。 


ー病室。


ベットで健やかな寝息をたて

ぐっすりと眠っている隣で

美咲は美悠の手を握っていた。

その隣には優美が

うちらうつらしながら

椅子に座っていた。


「優美ちゃん?」


美咲の声にハッとする優美。


「優美ちゃん...もう大丈夫よ。私もついてるし朝練だってあるんでしょう?早く帰って眠らないと体が怠くなっちゃうわ。」


「でっでも.....」


妙な胸騒ぎがした。


このまま

美悠がいなくなりそうで。


目の前から消えてしまいそうで。


妙な胸騒ぎは

今も続いている。


「それに大会だって近いでしょ?」


...そうだ。

大会が近いのだ。


少しでもうまくならないと

レギュラーメンバーに

選ばれない。


「そう..ですね....じゃあ私、帰りますね。おばさんも、あまり無理しないでくださいね。」


「えぇ。ありがとね優美ちゃん。目が覚めたら美悠にも言って置くわ。」


「はい。それじゃあ失礼します。」


そう言ってドアを開け

静かに病室を出ていった。



..きっと...眠らない。

そう思っていたけれど

案外ぐっすりと眠ってしまった。


やっぱり

あれは...気のせいだっ!!!


そう思い

跳ね起きた優美は

いつもは2人で走る道を

静かに見つめ深呼吸をした。


絶対っ!!!美悠と

レギュラーになってやるっ!!!


ふぅっと息を吐き

いつもの道を1人で

走りはじめた。


絶望のスタートラインとも

知らずに.....

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