表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

.%◇第2話 -出会い-


-放課後。


「んーやっと終わった!!!」


美悠は思い切り伸びをして

息をはいた。


「さっ優美!!!部活行くよ!!!」


「うんっ♪....ッてあぁ!!!」


鞄の中を見て唖然となる優美。


「ん?どうした...?」


「これ...」


そう言って鞄から

一冊のノートを取り出した。

そこにはハッキリと

【月島 優斗】と

書かれていた。


「これ...優斗兄の?」


「うん。お兄ちゃんの...」


「なんで...優斗兄のノートが優美の鞄に入ってるの?」


「たぶん...」


優美が言うには

昨日塾に行くとき

部屋に向かう優斗と

ぶつかって

鞄の中身をぶちまけた

そうだ。

急いで塾に向かっていた

優美は慌てて中身を拾い

飛び出していってしまった。

その時に優斗のノートを

入れてしまったと

いうわけである。


「これ...もしかして必要かな!??」


「なら急いで返しに...」


そう言って教室に出ようとした

美悠達だったが

同時に放送が鳴った。


『中等部2年3組、月島さん。連絡があるので職員室まできてください。』


「わっ私!??嘘っ!!!!」


「....。」


ここまでツイてない人も

珍しいなあ...と

思わず感心してしまった美悠。

「じゃぁ仕方ない!!!」


「...?」


何を言うのだろうかと

思っていた美悠に

優美はノートを渡して

言った。


「そういうことだからノートよろしくっ!!!」


「はっ!??ちょっちょっと優美!!?」


「じゃっ!!!」


有無を言わせず

優美はさっさと

教室をあとにした。


「冗談でしょぉυ」


美悠と優美の通う学校は

私立【春麗学園】。小中高一貫の進学校。


名門の学校で美悠達は

市内のバスケチームから

推薦で入学したのだ。

それと、優美の兄

優斗にあこがれ入学した

学校でもある。

美悠達は現在は中学2年生。

優斗は高校2年生。

年が離れていることから

妹のように可愛がって

もらっていた。


「優斗兄は1組だよねっ♪」


美悠は優斗のノートを

抱きしめながら

上機嫌で高校校舎へと向かった。 


-高校2年1組。


春麗学園は名門中の名門校。

その中でも特進クラスが

作られている。

人数は20人。

テストで上位20人だった

人達だけが入れるクラス。そして一人の少年は

このクラスで憂鬱な時を

過ごしていた。


帰りのHRが終わると

同時に安斎 藍

《あんざい らん》は

逃走体制に入った。 

「あっ藍。お前また逃げんの?」


「当たり前だろ。」


「「きゃぁぁぁ!!!藍くぅぅん!!!!」」


「げっ来たぁぁ!!!」


藍は慌てて前のドアから

逃げようとしたが

女子に塞がれ

既に犬一匹入れる

スペースを失っていた。


「なっなら後ろ!!!」 


そう言って後ろのドアに

突っ込んだ。


が、


「助かっ・・・わぁ!!」


「きゃぁっ!!!」


丁度、優斗を訪ねてきた

美悠とぶつかってしまった。


「ごっごめんね?大丈夫?」


「「藍くんっ!!!逃げないでー!!!」」


「げっ来たぁぁ!!!」


慌てて鞄を拾い

駆け出した。

そしてそのあとを

女子が全速力で

追い掛けていった。


「なっ何あれ....」


美悠は唖然となり

座り込んでいた。


「あれ?美悠?」


「あっ優斗兄!!!」


「何座ってんの?」


苦笑いをしながら

美悠に手を貸して

立ち上がらせてくれた。


「ありがとうっ!!」


「いえいえ。で、どうした?美悠が高等部に来るなんて珍しいな?」


「あっそうっ!!これ...」


美悠はぶつかった時に落とした

ノートを拾って優斗に渡した。


「これ...俺の?」


「うん。」


「ああ...優美か。」


「そうだよ。」


「わざわざ、ありがとう。」


そう言って微笑し

美悠の頭を撫でる。


「うん♪」


美悠も照れ臭そうに

微笑した。 


「でも...なんで座ってたんだ?」


「えっ...あっそうそう!!!」


そこで美悠は

今までのことを話した。


「あー...藍だな...」


「藍?あの人、藍っていうの?」


「そうそう。」


それから優斗は

藍のことを話しはじめた。


「安斎藍って言ってバスケ部のエースなんだよ。成績も常に5位内に入ってるいわゆる模範少年ってやつだな。」


「模範少年...」


「ああ。あとあの顔だろ?女子はほっとかないってわけだ。」


そして一人で頷く。


「だからあんなに女子が...」


「そういうわけだ。」


バスケ部なんだ...

エースってことは

相当上手いのかなぁ...


そう思い

藍の去っていった後を

眺めた。


「あっ美悠。お前練習ないの?」


「あっ行かなきゃ!!!!じゃぁね優斗兄!!!」 


そう言って

慌てて駆け出した美悠を

優斗は苦笑まじりで

見送った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ