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第6話:物忘れってのは思い出せないから怖いんだ

「そういえば、真君。最近、学校はどうなの?」


俺のことを真君と呼ぶのは一人しかいない。

唯のお母さんである、如月 由佳。

色々な事情によりおばさんと呼んだら怒られるので、由佳さんと呼んでいる。


「いつも通りかな。特に変わったこともないし」

「授業はまじめに受けてるの?駄目よ、さぼったりしちゃ」


一瞬、ギクッとしたが平静を装い頷いておいた。

ちなみに、現在は如月家での夕食中。

テーブルには相も変わらず豪華な食事が並んでいた。


「この前、授業中居眠りし続けて呼び出されたのは誰だったのかしら?」


急に話に入ってきたのはもちろん唯だ。

今まで静かにしていたと思っていたら、口開いた瞬間にこうなるのか。


「真君。居眠りしたの?」

「いや、あぁそんなこともあった気がしなくもないかなぁ、なんて・・・」

「もう。駄目よ、それじゃ。次からは気をつけなさいね」

「分かりました」


俺の気落ちした返事を聞きながら、あの悪魔は笑っている。

まったく・・・。


「そういえば、真悟。明日までの英語の宿題やってあるの?」


突然、唯がそんな事を言い出した。

英語の宿題なんて存在したか?

というのが、真っ先に思い浮かんだ俺。


「英語の宿題?全然記憶にないんだが・・・」

「また寝てたんじゃないの?結構な量出てたわよ。おそらく、明日1人1つはあてられるでしょうね」

「まじかよ・・・。それはやばいな・・・」


英語の教師は校内でも1、2を争うほど厳しい先生だ。

時折、宿題を出してその範囲を生徒を指名して解かせるわけだが、もし間違えるようなことがあれば、英語で反省文を書かせられる。

仮に宿題をやっていて、あてられた問題を間違ってしまってもだ。

なんとも、理不尽な訳だが・・・。


「・・・唯、お願いがあるんだけど」

「駄目よ。宿題は自分でやらないと、身につかないのよ」


駄目もとで頼んでみたが、無理なものは無理か・・・。

こうなると、あいつの好きな物で釣るしかないわけだが。


「じゃあ、駅前のマロフラージュのケーキ2つでどうだ?」

「・・・3つならいいわよ」

「くそっ、足元見やがって。まぁ、3つでいいや」

「いいわ。その代り今回だけだから」


物に釣られておいて、何だそれは。

まぁ、これで明日反省文を書かされることもないので、いいだろう。

夕食を食べ終わった後に、


「真君、宿題は次からは自分でやらなきゃ駄目よ」


と由佳さんに言われたことは忘れることにしよう。



「はい、これ宿題のノート。明日忘れずに持ってきてよね」

「分かってる。本当に助かった。じゃあな」

「明日、帰ってくる前にケーキ買ってきなさいよ」



俺は分かったと返事をしてから、家へ帰った。

それから、すぐに風呂へ入ってリビングで面白くもないお笑い番組を見ていた。

そして12時を過ぎたころ、そろそろ寝ようと思い部屋へ戻る。

まぁ、その時には既に忘れていた。

明日までの宿題が存在したことなんて。


そして次の日、放課後俺は英語で反省文を書いていた。



今更ながら、唯のお母さんが登場。


そして今回は少しダラダラした何気ない物語。


こういうのが、気が楽ですが。


時にはシリアスも交えねばとか思いつつ。


これからも、よろしくお願いします。

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