か・ぞ・く 20
「えっとなんだっけ?あぁ、そっか・・処刑だっけ?」
本当に馬鹿正直にやって来たよこの男・・なんつったっけ?あぁ、晴生だって?
こんな風に出会ってなかったら親友になれたかもな、俺たち・・そんなに睨むなって・・殺したくなるだろ?
「で、俺を殺すのか?」
「うん」
にこやかに言うと、やつはふんと鼻で笑った。
「何が面白いんだ?あ、もしかしてお前もマゾ?」
「んなわけあるか」
違うの?
「じゃあ、なんで笑ってたんだよ」
他の不良がけっこうぼかしちゃってるから、俺殴る必要なくてちょっと残念・・。
「有言実行なところが兄弟そっくりだなと思っただけさ」
「そうだな、俺もたまに兄貴そっくりだなって思う・・例えば」
足で顎を蹴り飛ばせば、鼻血を流して倒れた。
「欲望に忠実なトコとか?・・俺お前蹴りたいと思ってたからさ」
「・・・・ぺ」
ふーん、怯えないなコイツ。
びっくびくに怯えて情けない様子を今日子の前で見せてから殺そうと思ってたんだがな・・できなさそうだな。つまんね
「まぁ、いいや・・おい」
金属バット・・無数に釘を打ったバットで顔殴ればそのうち死ぬだろ?
「俺さ、銃とかで殺すの好きじゃないんだ、だってさ~死体まだ綺麗じゃん?ナイフは手痛くなるし・・バットなら、ほら、スリングの練習にもなるし?ぐちゃぐちゃになるから」
「わけ分からないことほざくなよ」
晴生は口から血を流しながら笑った。
「一人じゃ何もできないんだろう・・お前等兄弟は」
「あ?」
頭を掴んで持ち上げた。
「おっも、頭つまってんな、で?なんだって?」
「違うんだよ」
「あ?」
「お前等とは違うんだよ!!」
ずっき!
「おぶ!?」
「ボス!」
舌噛んだぜ・・
「いって!絶対口内炎できたわ!もういい殺せ」
不良がバットを振りかざした。
振り下ろされた瞬間横に転がって避け、立ち上がり元虎の顔をぶん殴った。
「俺はな、前から思ってたんだ。お前等一族思いっきりぶん殴りたいってな」
口を拭いながら片手で拳を見せた。
「ほう、そういうわけか・・おい、お前等手ぇだすなよ」
バットを投げ捨て、晴生に飛び掛る。
「俺の手で殺す」
「してみろ!!」
もみくちゃな状態、部下がはやしたてるなか、扉が開いた。
「やっほー!ボクだよ」
KYな社長さん、元鷹が現れた。
「兄貴!?」
「わぁ、やられてんね」
楽しそうに椅子を用意して座り込んだ。
「ドッチが死ぬかなー?ねどう思う?」
この野郎!
「わわ、わ!」
社長がひっくり返った。
「!」
「きょ・・」
目がいっちゃってる
「今日子!?」
背後には怒りの炎が見える。
「いい加減にしてって、いってんだろ!!」
椅子を投げ飛ばした。
「俺の部屋に閉じ込めてたはず!?」
「窓から出たのよ」
「えぇ!?高層ビルだぞ!?」
今日子は殺気丸出して元虎の顔を殴り飛ばした。
「ぶぶ!?」
「窓掃除のあんちゃんが今頃、道路に突き刺さったガラスの掃除してくれてるはずだわ」
「そんな、あんな硬いガラスぶち破ったのか」
今日子は机の上にたった。
「女、なめんじゃないわよ!!!!」
「・・・・・・・」
えぇー




