表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
交流しよっ!  作者: 一理
19/22

か・ぞ・く 19

 朝になった。

「・・・・今日子さん、遅いな」

 まだ帰っていないようだった。

「お父さん、おはよう」

 明日香が眠たそうに起きてきた。 

「お母さんは?」

 ヤッパリ聞くよな

「分からない、仕事残業なのかもしれないな」

「じゃあ、電話する」

 明日香が電話のシタにある引き出しを開けた。

「このメモにお母さんの会社先の電話番号あるの」

「賢いじゃないか」

 電話かけてみることにした。

 たった一度帰ってないからって電話するのは迷惑な気がしたが・・なんとなく声が聞きたいような気がしたから、かけることにした。

 なるべく手短にしよう。

 しばらくして電話が繋がった。

「もしもし・・あの石河今日子さんいますか?」

 向こう側の女性は普通に対応していたが、名前を聞いて小声になった。

『あの、もしかして・・晴生さんですか』

「えぇ?そうですが」

 女性がもっと小声で震えるような声で言った。

『あの、いますぐ逃げたほうが良いですよ!?今日子・・昨日捕まっちゃってるんです・・怖い人たちに・・私達も逃げられなくて・・できれば警察に・・っあ!!』

 乱暴に電話が取られる感じがした。

「誰だ」

『こっちのセリフだごら』

 がらの悪い男の声だった。

『おめぇもしかして晴生って野郎か?あ?』

「そうだ」

『まじか・・ちょっと待てろよごら』

 柄悪いわりには対応普通だな。ここで切ったらどうなるんだろうか・・ちょっと試したいような気もする。

「お母さん?」

「いや、違うらしい」

『もしもし?』

 また若い男の声が聞こえた。

「誰だ」

『俺?元虎君』

 自分で君付けか

「俺に何かようか?」

『うん、ちょっと来てほしいんだよね~今日子にも会いたいっしょ?殺してあげるからおいでおいで』

「あんた頭大丈夫か?」

 最初のほうはまだ分かるが・・最後のほう脅迫じゃないか

『来ないなら殺しに行くけど?』

「どっちにしろ死ぬんだな俺は」

『そ、あ、ちなみに警察に言っても無駄だから?』

 今日子さんが捕まっているのは本当らしいな・・だったら

「じゃあ行くから、会社の場所教えろ」

『・・え?』

「いくって言ってんだよ・・今日子さんに合わせろ」

『・・・・殺してやるよ・・あ、ちなみに場所は~』


 電話を切ると明日香が頬を膨らませていた。

「明日香もお母さんと電話したかった」

「お母さんじゃなかったんだよ」

 頭を撫でながら言うと、なんだと残念がった。

「悪いけど、俺今日子さんとこいってくるから、明日香はお隣のお婆ちゃん宅に行って待っていてくれるか?」

「うん。いつ帰る?」

「分からない、おばあちゃんに伝えてほしいことがあるんだが」

「何?」

 晴生は笑った。

「俺たち、オヤコになりますって・・」


  

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ