か・ぞ・く 17
「晴生さん!明日香」
扉を勢い良く開けて中に入り込むと、普通にご飯を食べ終えてお皿を片している二人が見えた。ほっと一安心してその場に座り込む。
「よかった、あの人に酷いことされているのかと思いました・・」
「あの人?」
晴生は今日子の手をとりながら立たせた。
「元虎さんです・・あの人も兄である元鷹さんに借金を負わされ、裏稼業で働いて・・というか悪いことしてお金稼いでるんです・・何かあったらと私」
明日香が今日子に抱きつく。
「大丈夫だよー・・今日は怖い人みてないよ」
「変な人は居たけどな」
「え?」
明日香がにこにこと笑った。
「へんなおじさんがお家間違えたかなっていいながら、飴くれたの」
「そう」
「小豆味だったよ」
「!」
元虎さんだ
どうして、元鷹さんに頼んでおいたのに・・あのドSに頼んだ私が愚かだったというわけなのね・・。
「お母さん大丈夫?」
「アナタが無事ならお母さん生きていけるわ」
可愛い子
「こほん」
晴生が咳をした。
「よく状況をつかめていないんだが」
「元虎さんが、来るんです・・私を連れ戻しに・・」
今日子は泣きそうな顔をした。
「あんな人に一生付きまとわれるぐらいなら・・私、死んだほうがマシです」
「ドンだけ嫌われてるんだ元虎さん」
少し同情してしまったぞ。
「晴生さん、私・・」
涙を見るのは初めてかもしれない
「泣くな」
頭を撫でる。
彼女が泣くと不安になる・・笑顔が見たい、笑っていてほしい・・もしかして、いや、もしかしなくとも俺は・・
「今日子さん、泣くな」
縋る彼女の手をひき、抱きしめる。
明日香が自分で目隠しをした。
珍しく賢明じゃないか
「好きだ」
泣いている彼女の唇を奪う。
「・・結婚しよう」
みっじかーい★