第6話 後日談
――ビリーがシャロンから離れて数日が経った。
シャロンとは、あの屋敷の山あいに消えゆくパトカーを見送って以来、全く会っていない。ビリーは最初こそシャロンとの面会を激しく望んだ。しかし、シャロンはそれを拒み続けた。
――それにいくらシャロンのことを訴えても、アンドロイドのビリーは"物"として扱われるため警察には馬耳東風であった。
最近になって、ビリーはようやくシャロンとの生活の再開を諦めて、篠原家の農家の手伝いをすることにした。瑠璃は社会人で都会に戻らなくてはいけなかったのでビリーの協力は必須だったのだ。
彼はとても力が強く、高齢者ばかりだった農家の役に立てた。
(僕は…やっと人の役に立てた……!)
屋敷の中でボードゲームをすることも楽しかった。
でも、より多くの人々の笑顔に囲まれることこそが、自分たち――ロボットにとっての"真の喜び"であることをこの篠原家の生活の中で初めて知ったのであった。
晴れ渡る青空の下、ビリーは視界に必ず映り込む山々を見ると、あの屋敷を自然と想起させる。その彼の左腕には少し汚れているがかなり高級感のある止まった腕時計が日光を反射させてキラリと輝いた。
*****
ビリーは弥生から心のサンプルを得たからか、感情の起伏が大きい。
――えっ?だったらシャロンのことは忘れたのかって?そんなわけない。
――ビリーはシャロンとの思い出を今もなお忘れてはいない。
※この物語はフィクションです。




