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第2話

 ――ビリーが暮らし始めて一か月


 ビリーはシャロンに気に入られるために皿洗いをしようとキッチンに向かった。しかし、すぐにキッチン担当のロボットが何台かやってきて仕事を始めた。その様子を見てビリーはガクリと肩を落とした。

「僕はなんで作られたんだろう…」

 ただ、その言葉がビリーの電子頭脳でグルグルしていた。

 ビリーには機械特有の機能がなかった。喋ったり走ったりと人間と同じような動きはできるが、他に役立つ機能なんて何もなかった。ビリーが暗い気持ちを和ませるために外へ出ようと玄関のドアに手をかけたそのとき――シャロンが呼び止めた。

「ビリー!どこへ行くんだい?」

 ビリーはシャロンの気配に気づかず、一瞬ないはずの心臓がキュッと締まった感じがしたが、正直に答える。

「…なんか、居づらくて外の空気を吸いたくなったんだ。庭先に出てもいい?」

 シャロンはため息をつくとゆっくりうなづいた。

「それならいいよ。でも、約束は守ってね。」


 ――約束、か


 シャロンの言う"約束"とは「決して家の敷地内から出るな」のことである。ビリーもアンドロイドなので、この"約束"が初期からソースコードにあり、破りたくても破れない状態であった。

 ビリーは少し考えたが気を取り直して満面の笑みを作った。

「ありがとう!じゃあ、すぐに戻るね。」

 ビリーは窓からシャロンに見守られ(監視され)ながら庭の金属製のベンチにもたれかかって座り、晴れ渡る大空を見上げた。シャロンの家は『日本』という国のある山の中にあり、昔買った屋敷に住んでいるのだそう。

「この屋敷の外には何があるのかな…」

 ビリーはこのようなことを目覚めてからずっと考えていたが、内部でそれを行動に移すことをストップさせられていた。しかし、ビリーはこのことに疑問を持っていた。


 ――まだ、僕は『僕が作られた理由』を知らない。


 だが、シャロンに尋ねようとしてもシャロンの悲しそうな横顔を見ると、ビリーは聞くことができなかった。

 ビリーが物思いにふけっていると、辺りはすっかり日が暮れていた。シャロンがにこやかに窓を開けてビリーを呼ぶ。

「ビリー!一緒にボードゲームでもやりましょ!この前、良いオセロゲームを手に入れたの」

「うん!やりたい。負けないように頑張るね!」

 ビリーは胸の奥に疑問をしまい込み、ただこの幸せな生活を嚙み締めようと深く感じたのであった。

※この物語はフィクションです。

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