第1話
――ある日、僕は目覚めた。
周囲を見渡すと無機質な白い壁と天井が広がる大きな部屋で、グレーの床の上にはたくさんのコンピュータや機械がたくさんある。いくら考えても僕の頭の中からは何の情報も引き出せなかった。
そんなとき――
「…おや、目覚めたようだね。ビリー」
部屋の機械の一つから高齢の女性の声が聞こえた。その優しい声に不思議と温かな光を浴びたレースカーテンのように僕の心は軽やかになった。
「僕は”ビリー”というのか…」
そう思い、自分の体を見るために視線を落とす。その瞬間、僕は座っていた椅子から転げ落ちそうになった。
――なぜなら、僕の体は機械だったのだ。
人間の四肢をかたどった四本の機械義肢が大きな肩の広い――人間だと体格がそこそこ良い男性の形をした――機械の胴体から生えていて僕はそれを自在に操れる。人間の黒いズボンをはいていて白いYシャツをボタン全開で袖を通した状態で羽織っていた。
すると、先ほどの女性が僕の目の前に現れた。そして、僕の前に手鏡を見せると、そこには群青色の短髪に赤い炎のような瞳に透き通るような白い肌の若い整った顔立ちの青年の顔があった。口にはガスマスクのような形のギアがついていて、それが人間そっくりの顔に機械人形らしさを引き立てている。
「…ビリー、私はシャロンだよ。あなたを作った生みの親だ。今日からあなたは私の自慢の息子だよ。」
僕は正直シャロンを信じていいのか、わからなかった。まだ僕はなぜここにいて彼女が何を考えているのか知らず、悩んでしまった。でも、どうすることもできず僕は承諾することにした。
「わかりました。シャロンさん」
僕は挨拶をするとシャロンは太陽のような笑顔を作る。
「いいんだよ。"シャロン"で呼んでも、それに敬語もやめてね。」
僕は"息子"としてシャロンと暮らすことになった。
僕は他のどのロボットとも何かが違った。シャロンの研究所には掃除や家事の手伝いをしたり、仕事の手伝いを頼んだりしているロボットがいたが、どれもシャロンの言うことに何の躊躇もせずに従い、自分のやりたいことなんて全くしなかった。でも、僕は今もなおシャロンを疑い、気になった本や機械などをよく観察して理解しようとした。そして、それをシャロンは止めなかった。
――こうして、機械人形のビリーと発明したシャロンとの不思議な"親子関係"が始まった。
※この物語はフィクションです。




