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天史拾遺長歌集  作者: d_d本舗
56/112

座談─ざだん─ 二の会3

望月「まぁまぁ、気を取り直して」


穂葉「むぅ〜……」


史「ったく。 もう俺が読むぞ? このまんま」


穂葉「ちぇー……」


望月「ちょっと待って!」


史「あ? どうしたん?」


望月「……それ、私が読む。てか見なかったことに、できない……、かな?」


史「なんでだよ?」


幸介「せっかく送ってくれたんだろ?」


珠衣「紹介しなきゃ失礼だよ?」


望月「えっと……、じゃあ……、続いてのお便りは《うたたね慕情》さんから頂きました。ありがとうございます……」


禍津星霊神(まがつほしたまのかみ)っていう名前、史さんは嫌がってるみたいだけど、それを連呼するのヒドくないですか? それはそうと、なんでそんなイカつい名前してるんですか?』


穂葉「うわ………」


史「………ちょお見せろ、それ」


望月「いやいや、なんで?」


史「あん? 別に他意はねぇよ。 住所見るだけだ」


穂葉「ほら全然ヒトのこと言えないじゃん!」


ふゆ「誤解があったのなら謝ります」


愈女「ごめんなさい。 でも、むしろ逆なんですよ」


望月「逆……って言うと?」


愈女「ほら、妖怪や怨霊もきちんと(まつ)れば神になるって聞いたことないですか?」


ふゆ「あえてその名を丁重(ていちょう)に扱うことで、善きものに変じるよう心掛けております」


愈女「当社では!」


史「……神社ぐるみでやってんの? まぁ、そうな。 そういう考え方もあるわな。 悪い。サンキューね?」


幸介「そんで?」


望月「ちょっと……っ!」


史「あん?」


幸介「なんでそんなイカつい名前なん?」


穂葉「うわ………」


望月「あぁ………」


珠衣「たしかに気になるよねー」


史「別に、そんな大した話じゃねえよ?」


幸介「あ、そうなん?」


穂葉「いやー………?」


史「何なら話してやろうか? 今ここで」


幸介「お、マジで? 聞きてぇ!」


望月「ちょちょちょ……! それは、本当にあれ?」


史「あん?」


望月「本当に、聞いて大丈夫なヤツ?」


史「どうってこたねぇよ? 聞いた(もん)が発狂するくれぇだろ」


穂葉「はいおしまい! この話はここまでで」


ふゆ「色々ありますものね」


愈女「神様やってるとねー」


幸介「発狂はやべぇな………」


珠衣「触らぬ神にってヤツだね……」


史「別に(たた)りゃしねえや。 ちょっとアレがアレになるだけだ」


望月「その“アレ”の度合いがヤバいんよ……」


史「まぁいいや。 それよか、姫さん(がた)は行けるクチかね?」


ふゆ「お酒ですか?」


愈女「あ、好きですよ? 大社(うち)もたくさん新酒を頂くので」


史「じゃあ、ちと買ってくる」


ふゆ「あ、お気遣いなく」


愈女「じゃあ私も一緒に」


史「いいよ。 お客さんは座ってりゃいいさ」


幸介「お、出んの? 俺も行こー。アイス食いてぇ」


珠衣「あ、じゃあ私のもお願い」


幸介「おう、あれな? 了解! 千妃は?」


望月「じゃあ、あれで」


幸介「おう、ストロベリーのやつな」


史「ほんじゃ行ってきます」


穂葉「はい行ってらっしゃい」


望月「近くの酒屋さん?」


穂葉「そう。 酒に逃げる男………」


望月「まぁ、でも常備はしてないんでしょ? たまには、ね?」


穂葉「まぁねー」


望月「うん。 えーっと、じゃあ続いてのお便りは。 あ、本日最後のお便りだね」


ふゆ「あっと言う間ですね」


愈女「ねー? 楽しかった!」


珠衣「また遊びに来てね?」


愈女「うんうん!」


望月「お便りをくれたのは《九−二は?》さんですね、ありがとうございます」


『禍津星霊大神さまに折り()ってご相談があるのですが、近くお(うかが)いしてもよろしいでしょうか?』


珠衣「ぬわ!? なんかスゴい音したよ!」


史「なんか言ったな? いま何か言ったな?」


望月「うわぁ………」


穂葉「もういいから早く買い出し行ってくださいよ!」

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