表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第一話 存在する理由

必ず完結させてみせますよ!



『なんだお前!や…やめろ!来るなぁ!』



『呪われる!近寄るな!塵が!』



『お前のせいで………父さんを返せ!』



『た…助け………うわぁぁぁぁぁあああああ!!!!』




















俺は………














俺は一体……………なんなんだ?









俺は………何のために……









やめろ…









やめろ……











やめろ!






俺を見るな!







やめろやめろやめろヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロ!!!!!!!!!!!!














「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!」





「うっわぁ!」



「はぁ………はぁ………?」




ここは……キッド様の………部屋?










~存在する理由~





「ど、どうしたんだシド?凄いうなされてたけど。」


キッド様………しまった、起こしてしまったか……


「すいませんキッド様、起こしてしまいましたね。申し訳ありません。」



「?、おいおいシド、二人しか居ない時はキッドっていつも呼んでるじゃんか。」


「あ……ごめん、キッド。」


この方はキッド・ルーア・ハイゼンムーブ様、この俺、シド・ルーア・ハイゼンムーブが仕える、王都【ハイゼンムーブ】の第八王子だ。でもまあ、小さい頃からの馴染みだから二人だけの時はこうやっていつも通りの………いや、いつも通りじゃ敬語か………まぁとにかくこんなかんじに軽く話して居られる。


「で、大丈夫か?」


「ん、何が?」


「さっき聞いたろ?うなされてたぞ?お前。しかも尋常じゃなく。」


「あぁ、あれは……」


さっきの……あれは…………


「少し…夢を見てさ…。」


「そうか、どんな夢……と、聞かない方が良いかな?」


「うん…その方が助かるから……。」


あまり、思い出したくない……まるで地獄の呪いのような、そんな悲しみ、憎しみ、苦しみ………いろんな負の感情が混ざり合った……………文字通り地獄だったのかもしれない…。


キッドは俺の主人なのに、そういうところまで配慮してくれるのがありがたい…心の救いになってくれる。


「そういえばキッド、今日は誰も……。」


「あぁ、来なかったよ。たまにはこういう静かな夜も良いんじゃないか?」


「まあ……な。」


最近は毎晩毎晩よくまぁ飽きもせず刺客が来る。毎回手が血で汚れるのは嫌なんだがな………。


「…………なあシド。」


「…?なんだ?」


「いや……やめとくわ。」


「そっか……。」


……………………………………………………………………………………………………………………。


どうやら今晩はゆっくりと眠れそうガシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!










………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。


くそ。


「下がっていて下さい!キッド様!」


「んあ!あぁわかった!」


せっかくの人の睡眠を……まったく、刺客さんも少しは人の都合考えやがれ!




相手は一人か……………


















潰す!




「……キッド・ルーア・ハイゼンムーブだな。」


………………


は?


こいつ………俺とキッドの事間違えてるぞ!?











いきなりだから『何刺客って』な人に説明すると……



キッドは【ハイゼンムーブ】の王位継承候補のなかでもっとも学力、武力、そして人望があるため、一番王位を引き継ぐ可能性が高いのだが……そのせいで他の王位継承候補………すなわち、兄弟たちから刺客を使って命を狙われるんだ。



全く………虚しい運命背負わせやがってよ………





ちなみにキッドは自分から刺客を送ることはまず無い。


なぜかって?それは………





「ま、待ってくれ!もうお前の事は狙わない!そ、そうだ!俺はキッド様につく!だから!」






まあこんな感じに一晩で兄弟みんな潰す事もできるのだが、キッドはそれを望んでいないんだ。


キッドは争いを好まない、だから自ら刺客は送らない。つか、キッドの兵士、武力は俺一人だからその隙を狙われたら危険って事もあるしな。まぁそんな時間無く潰すが。



「頼む!命だけは!」


「それが人の命を狙った屑の言える言葉か?」


俺は容赦なくそいつの左足首から先を潰す。


ゴリュアッ!!


「!?ぁぁぁぁぁあああああああっ!!!!!!!!!!!!」


「おいシド!あんまいたぶるな……」


「しかしキッド様、こいつはキッド様を狙ったんですよ?」


「だから……………………………………………………………苦しまないよう、一瞬で決めろ。」


「キッド……様。」


キッドはとても哀しそうな瞳でその名も無き刺客を見た。


………そうだよな、なんだかんだで一番辛いのはキッドだもんな………。


「御意。」


俺はもう一度その刺客に向き直すと、腰の剣を引き抜き……真っ直ぐ振り下ろした。



「そんな!た……助けっ。」



ザシュッ!



「………。」


「ありがとう……シド…。」


「………なあキッド。」


「ん?どうしたシド?」





━━━━━━俺は…何の為に存在するんだろうか…━━━━




聞こうと思ったが、止めた。



「何でも…ないや。」


「そ、そうか?ならいいけど…」


「それよりもう寝なキッド、こんな真夜中に。」


「あぁ、そうさせて貰うよ。シドは?」


寝たいのはやまやまなんだがな……さっきみたいに今晩来ないって保証は無いからな……。


「俺は…もう少し起きてるよ。」


「そうか、無理はするなよ?」


「ああ。」



俺が無理しないとあなたが危ないんだけどね……



「それじゃあお休み、シド。」


……………。



「えぇ、お休みなさいませ、キッド様。」


「シド?………どうし……た?…………すぅ。」


眠ったか……。




さて…………

















鼠狩りと行きますかね………!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ