1.リュードの夜散歩。
ここから第2章!
応援よろしくです!!
※諸事情(活動報告参照)により、ちょこっとお休みします。
2020年10月2日夜から再開します!!
「ふむ。ここが、ライルくんの錬金術工房か……」
「そんな大したものはありませんよ?」
「いやいや、実に興味深い」
ライルの工房に、レクイエが訪れていた。
二人は研究の内容について、あれやこれやと話し込んでいる。その様子を眺めてボーっとしているのは、リュード。彼は基本的に、研究にはノータッチだ。
もっともライルに魂の【置換】について申し出られたら、やぶさかではない。むしろ全力で協力する所存だった。
「いやー、今日も生き生きしてるなぁ。相棒は」
何故なら、彼にとってライルは相棒であり弟のような存在だから。
レクイエと元気に話す姿を見て、ほっこりとするリュード。そこには生前の暴れ者として慣らした過去は、微塵も見て取れなかった。
それでも、思うことはある。
「オレも、相棒みたいな相手いねぇかな……」――と。
それは、先日の決闘でのこと。
その時のリュードは観客の一人として、ライルとレクイエの戦いを見守った。もとより分野違いの戦闘だったが、血沸き肉躍るとはこのこと。
もっとも血も肉もないのだが、とは思うが。
とにもかくにも、自分にも好敵手が欲しい。
リュードはそう思いながら、椅子に腰かけて大欠伸。
そして、不意にこう考えるのだった。
「なぁ、相棒。二人が話してるなら、オレ散歩行ってくるわ」
「ん、そう?」
生前のように、喧嘩相手を探してもいいのでは――と。
もっとも当時のようにソロではないので、相棒たるライルおよびレクイエに迷惑のかからない範囲で。思い立ったが吉日。リュードはすぐに行動に移した。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい」
彼と短い会話を交わして。
鎧姿の暴れ者は、軽い足取りで夜の街へと繰り出した。
「しっかし、この街も昔と変わらないなぁ」
そして、そんな独り言を口にする。
生前――どれほど前かは、曖昧だが――と比べても、王都の様子はこれっぽっちも変わっていなかった。だから、リュードはまるで庭であるかのように歩き回る。
そうして、喧嘩相手に相応しいならず者はいないか、周囲を見回した。
その時だ。
「…………ん?」
なにやら、異変を察知したのは。
女の子の声が聞こえた、そんな気がする。
リュードは揉め事だと思い、意気揚々とそこへと赴いた。すると――。
「お……?」
ちょうど路地裏に入ったところ。
そこには、大勢の男たちがたむろしていた。そして――。
「やっぱり、女の子か」
その中心に、一人の小柄な少女がいた。
暗がりで容姿はよく分からないが、リュードの半分もない背丈。そんな女の子を取り囲んで、男たちが下卑た声で何かを言っている。つまり、
「おいおい、そこのお兄さんたち。これは、ないんじゃないかい?」
これは、チャンスに他ならない。
そう思ったリュードは、勢いよくそこへ割って入った。
女の子を背に隠して、拳を構えるのだ。そして、こう口にした。
「このリュード様が、ちょっくら相手してやんよ!」
十数人はいる荒くれ者相手に。
彼は威勢よく、そう啖呵を切ってみせるのだった。
応援いただけますと執筆速度が跳ね上がります!
(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
面白かった
続きが気になる
更新がんばれ!
もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより★★★★★評価など。
創作の励みとなります。
応援よろしくお願いいたします!
<(_ _)>




