8.その頃、別の場所では。
これにて第1章完結。
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「へぇ? 婆さん、負けたのか」
一人の少女が、男勝りな口調でそう言った。
その情報は、俗にいう舎弟と呼ばれる者たちからもたらされたのである。世界最強の魔法使いであり、七賢人に数えられるレクイエ・ウォータイム。
そんな彼女が、まだ若い青年によって破られた。
そのことは、この少女にとっても重要な事項であった。
「それなら、俺が行かないわけにはいかねぇよな!」
そう言って、少女は座っていた椅子から立ち上がる。
身の丈以上の大剣を軽々と抱え上げて、ヤンチャな笑みを浮かべるのだ。そして、まるで見えを切るかのようにして、こう名乗りを上げる。
「この、七賢人の中でも最強の剣士――」
心底、楽しげに。
「エリザベート・カーペンターが、な!!」――と。
舎弟たちが歓声を上げる。
それを聞いて、エリザベートは満足げに高笑いするのだった。
◆
そして、こちらにも動きがあった。
錬金術学会のデオン会長は、目の下に大きな隈を作りながら研究に勤しんでいる。それもこれも、基礎研究を誰も行っていないからであり、辛うじてそれを行えるのが彼しかいなかったため。そんなわけで、デオンは寝る間を惜しんで働いていた。
「ふ、ふふふふ……」
その最中である。
彼は唐突に、不気味な笑い声を発した。
「この理論なら、いける……!」
どうやら、なにかを発見したらしい。
一つの瓶の中に様々な材料を入れながら、デオンは口角を歪めた。
「そうだ。これで、いいのだ……!」
そして、こう口にする。
「神獣を模したキメラ! これで、錬金術学会は復権する!」――と。
誰もいない部屋で、男の笑い声が響き渡る。
だが、それはとかく乾ききっていた。
また後にこの研究が、大きな事件を引き起こす。
それを彼は知らなかった……。
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