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5.レクイエの歓喜。

さぁさぁ、盛り上がってまいりました!

応援いただけますと執筆速度が跳ね上がります!








 ――隙のない魔法の連撃。

 しかし、レクイエさんの放つそれはどれも一級の威力を誇った。

 ボクは疑似空間転移を繰り返しながら、チャンスがないかを必死に探る。しかしながら、そこはやはり世界最強の魔法使いという名が示す通りだった。



「くっ……!」

「ははは! 逃げるだけでは、なんの解決にもならないよ!」



 こちらが守りに徹するのに対して、彼女は常に優位な立ち回り。

 魔素の欠片がエネルギー源だと見破っているらしく、付かず離れずの距離を保つのだ。言うまでもないが、一気に距離を詰めるのなら相応の欠片が必要になる。

 それを考えるなら、絶対的な好機でなければならない。

 そう、初撃を防いだ時にように――!



「さっきのトリックを教えてくれよ、ライルくん! 最初の一撃、キミはどうやって防いだんだい? 私はそれが気になって仕方ない!!」

「この戦いが終わったら、種明かししますよ……!」



 しかし『アレ』でさえ、思ったより大きな隙にはならなかった。

 それに、何よりも二度目以降は警戒される。その中でアレを成功させるのであれば、レクイエさんにも相応の魔法を使用させなければならない。


 だとすれば、どうするのか。

 考えろ。身体を常に動かしながら、考え続けるんだ……!



「くっそ、本当に無尽蔵だな!」

「お褒めに預かり光栄。でも、キミもやるじゃないか!」



 思わず出た悪態にも、彼女は飄々と対応する。

 攻撃の手は緩むことはなかった。でも、少し気になったことがある。



「だんだん、威力が増して……?」



 ――力の加減が、出来なくなっているのだろうか。



 ボクは魔法の着弾点を見て、そう思った。

 先ほどまでの彼女であればここまで、無意味な高火力では攻めてこなかったはず。それが、次第にペースが上がり、破壊力を高めていた。


 もしかして、レクイエさんはこの戦いを――楽しんでいる?



「………………」



 だとすれば、あるいは。

 ボクは思考を研ぎ澄ませて、一つの光明を見た。

 そして、魔素の欠片を握りしめて――。







 ――楽しい。楽しい、楽しい楽しい楽しい!



「期待以上だよ、ライルくん……!」



 レクイエは内心で青年に謝罪をしながら、続けざまに魔法を放った。

 先ほどは舐めた真似をして申し訳ない。だからこそ、ここからは思い切り命の取り合いを演じようではないか。舞台の上で、観衆の目の前で、最高の戦いを。


 彼女の思考は次第に研ぎ澄まされる。

 そして、それと同時に口角が歪んでいくのだ。

 レクイエにとって肌のひりつく戦いは、劇薬に等しいのだから。



「何が出てくるか分からない戦い! こんなの――!」





 ――アイツとの戦い以来だ!!





 おそらくライルのそれは、魔法ではない。

 魔法以前の、もっと技術的な部分における技に違いなかった。

 そのことがまた、魔法使いであるレクイエの気持ちを盛り上げていく。自分にはない力を駆使する者との戦いは、なによりも歓喜に満ちているのだから……!



「この感覚は、本当に――」



 レクイエは、叫んだ。





「二百年振りだァ!!」






 そしてまた、魔法を放つ。

 その時だった。




「……きた、か!」




 ライルが、彼女目がけて駆けてきたのは。

 ついに策を思いついたのか。それとも、ダメもとでの特攻か。

 いいや。ここまでの戦いをする人間が、無策にも突撃するなんてあり得ない。それに魔素の欠片にはまだ余裕があるはずだ。

 だとすれば、彼女のやることは一つ。



「ならば、こちらも最大火力で返礼を……!!」




 この戦いの終焉。

 それを告げるための鎮魂歌レクイエムを――!



「さぁ、魅せてくれ! この私に!! そして――」





 彼女は、最大火力の魔法を放つと同時にこう叫ぶのだった。








「私の旅を終わらせてくれ!!」――と。





 


応援よろしくです!!




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