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38話 ゴブリンの目覚め

 今何時くらいなんだろう。

 

 ゴブリンから話を聞いて、ベルさんが目覚めて、ゴブリンが寝て……随分時間が経った気がする。


 透析は夕飯食べて一休みしたら、やめてもらおうかな。


 いい加減疲れたかも。


 でも、身体は思ったよりだるくない。


 でも、昼から随分時間が経っているから、そろそろご飯を食べないと低カリウム血症になってしまう。


 いくら、高カリウムの食事を摂っているといっても、流石に夜中までは持たないな。


 カリウムが下がったのか、空腹なのかわからないけど、力が入らなくなってしまうよ。


「ダレンさん、人工膵臓着けたついでに、ご飯食べようよ。ベルさんも登録してさ」


 ベルさんは夢中で俺の……いや、雲と空の小説を読んでやが……いや、読んでいる。


「そうですね。もう19時を過ぎたみたいですし、そうしましょうか」


 ダレンさんはタブレットを操作している。


「あれ……ベルさんは初めから登録されてますよ」


 そういえば、登録しなくてもミルクを飲んでいたし、そういう設定なのかな。


「ベルさんは特別かもしれないですね。ゴブリンを起こしてもらえますか?」


 ダレンさんに頼んでみる。


「よく寝ているから、起こすのが可哀想ですね……ご飯を食べない方が可哀想か」


 ダレンさんは隣のベッドまで行き、ゴブリンを起こす。


「起きてください、起きてください。ご飯にしますよ」


 ゴブリンは起きない。


 ダレンさんが身体を揺さぶる。


 ゴブリンは起きない。


「小林さん、起きないんですけど」


「大丈夫? 生きてる? 呼吸してる?」


「呼吸はしてます。脈もあります。瞳孔も……散大ありません」


 ダレンさんが瞼を指でめくって、ライトを眼に当てたりして医者っぽいことをしてる。


「じゃあ、大丈夫だね……寝かせて置いたほうがいいのかな?」


「どうしましょうか……」


 よっぽど疲れてるんだなあ。


 ご飯いらないかな?


 寝かしておいたほうがいいのだろうか。


 でも……本当に起きないのかな……。


「上上、下下、左右、左右……えっと~なんだっけなあ」


 少し大きな声で、ゴブリンの方へ向かって言ってみた。


「……ん~~」


 なんか、動いてる。


「車のナンバープレートで1文字だけ使われない文字ってな~んだ」


 耳が動いているようだ。


「へ?」


「おお、合ってる」


 だいぶ起きてきたに違いない。


「家の親が2000万円相続するから、お金をくれるって言ってたんだけどさあ」


 聞いてるかな……。


「いざ貰ったら相続税が高くて、1円もくれないって言うんだ。どうしようか」


 バッ。


 ゴブリンが起き上がる。


「お兄ちゃん。……騙されちゃダメ。相続税は3600万以上から」


「おっ。起きた」


「お……起きましたね」


 ダレンさんが驚いてる。


 ゴブリンが大真面目な顔で俺のところに来た。


「さあ、お金を貰って私と結婚式を挙げましょう」


「え? 何言ってるの?」


 ゴブリンはよく見たら寝ぼけてるようだ。


「おーい。目をさませ~」


 デコピンに雷を込めて、ゴブリンの額にお見舞いする。


 バチッ。


「あっ! 痛っ」


 ゴブリンの目が正気に戻る。


 うん、なんとかマジックポイントが持つようになったみたいだ。


 ちょっと、一瞬きついけれど直に戻るだろう。


 名付けて命を賭けたデコピン。


「小林さん、魔法を使って大丈夫ですか?」


 ダレンさんが俺のことを心配している。


「大丈夫、大丈夫。俺も強くなってきてるから」


 本気でやれば、また白い世界に行くだろうけど、所詮は驚かせる程度の魔法……。


 戦闘になんて、まず使えない代物。


 流石に1回くらい撃てても、いいと思う。


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― 新着の感想 ―
[一言] 高カリウムの食事を小林君は、摂っているんですね。 カリウムは野菜や果物に含まれている栄養素でしたね。 野菜とかたくさん食べてるんですね。 食事もちゃんとしないと、低カリウム血症になるのが小林…
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