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33話 覗きの趣味まであるなんて、最低ですね

 俺のことを変態呼ばわりしているベルさん。


 ベルさんの俺に向ける冷たい眼差し……。


 俺の中で何かが目覚めそうだ。


「ベルさんは二重人格なんですよね」


「え? 何のことですか?」


 ……とぼけてる?


 ホントに知らないのかな。


「……俺、ステータス鑑定があるから……」


「……覗きの趣味まであるなんて、最低ですね」


 更に、冷たい眼差し……癖になりそう。


 でも、これは会話が続かなそうだ。


「ダレンさん、俺だと信頼度が低くてダメみたい」


 ダレンさんに間に入ってもらおう。


「え……と、ベルさん。はじめまして。ワタクシ、神のダレンと申します」


「あ。どうも、貴方がダレンさん。バアル神様から、力になるように言われてます」


 好感度が違うと、普通じゃないか。


 これは差別だ。


「あの……。小林さん、何を聞けばいいんですか?」


「えっと、初期設定のために仕方がなくお腹に触っていたことを説明して……」


 誤解を解かないと、ダメだと思う。


 俺は変態ではない。


「え? 嗜好じゃなかったんですか?」


 ダレンさんの中の俺が度を越して変態すぎる。


「違うよ。ダレンさん、俺の変態のイメージを少しでいいから、減らしておいて」


 ここまでくると、否定は逆効果だ。


 度合いを軽減してもらおう。


「あの~、ベルさん。小林さんがお腹を触っていたのは貴女の初期設定のためだそうですよ」


「初期設定ですか?」


「身に覚えありませんか? 貴方は医療機器で、今は人型になっているのがワタクシは不思議です」


「……うん、初期設定の説明を確認してみますね」


 ベルさんが目を閉じて、記憶を思い返しているようだ。


 こんなに素直なら、ダレンさんに初期設定を……。


 そしたら、同じか。


 ダレンさんが変態扱いされる。


 まあ、それはそれで俺の望みが叶う。


「……初期設定をするのには自我ポイントが79ポイント必要です」


 ああ、ジョブはプレゼントだからね。

 

 ポイントには入ってないのか。


「うん知ってる。その前だよ」


「初期設定にはBELL-822の腹部に触れ、メニューを開いてポイントを割り振っていきます」


「そこそこ、腹部に触れるってあるでしょ?」


「……」


 ベルさんがバツの悪そうな表情で黙る。


「確かに、小林さんの言う通りみたいですね」


 ダレンさんが頷いている。


「私は最初から信じてたよ」


 ゴブリンが都合がいいように言ってる。


 変態ランキングで俺を上位に推しているのはゴブリンなのに。


 まあ、それは俺の探究心が悪く働きかけてしまっただけなんだけど。


「だからって、服の下から触れって書いてないです。やっぱり変態なのでは……」


 え……服の上からでいいんだ。


 おお、得した。


 じゃなくて、間違ってたのか。


「変態かどうか、ワタクシにはまだ判断がつきませんが、必要な行動だったのでは?」


 ダレンさんは俺に言われた通り、変態イメージを少し弱くしてくれたようだ。


「……そうですね。私がちょっと、勘違いしていたみたいです」


 そうそう、好感度マイナス1億はやめてください。


「そもそも、色々データに目を通したところ、私が自我を持てたのは貴方のお陰みたいですね」


「いや……それは偶然だから気にしなくていいよ。俺の命の恩人はベルさんだから」


 恩の大きさから言ったら、俺がベルさんから受けたモノのほうが大きい。


「私のステータスが、通常より高いのは貴方のお陰なのですね」


「それは加護を持っているから、上がるんじゃないかな」


 ベルゼバブブの授けた設定以外の何者でもない。


「まあ、どこまでも謙虚な人……分かりました、私のことをお話します」


 おお、なんか勝手にいい方向に転がった。


 色々キャラの設定がめんどくさそうだ。


 説明がないと未知過ぎて、一緒に暮らせそうにない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ステータス鑑定する事は、覗きに近い行為でしょうかね・・・。 でも、ステータス鑑定なら、未だいいですよ。 心の中で、今、考えている事を覗かれたら、本気で嫌ですね・・・。 変態のレッテルを貼…
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