31話 覚醒したら大変態にクラスアップした
蛇への対抗策……何かないかな。
考える、考える、考える……頭が痛くなってきた。
「お兄ちゃん?」
「うーん、どうしたら倒せるかな。悩んじゃうな」
「ワタクシが支援魔法とか使えれば、便利なんでしょうけど……あるかな」
「そうですね、ダレンさんの支援魔法とかそれっぽいものがあれば、違うかも知れないですね」
うん、今のところ戦えるのがゴブリン一人だから辛いところ……。
俺が戦えれば……いや、死ぬな。
まあ、無責任みたいだから付いていくだけ付いて行きたいな。
というか、足でまといになっても一人で留守番なんて嫌だ。
「ちょっと、疲れたから休もうかな」
「お兄ちゃん……。透析中だものね。私も夕飯まで少し休もうっと」
そういえば、ゴブリンも病み上がりというか、さっきまで瀕死だったものな。
「ワタクシも何かないか、調べてみます」
……うん、みんな俺から離れていった。
残ったのは、ベッドの脇に立っているBELL-822。
これなら、ミッションを達成できそうだ。
勝手に変態ランキングの順位を上げずに……というかナンバーワンだよね。
ダレンさんが1位になってくれないかな。
変態の名声ばっかり、俺にみんなで押し付けて、まったく。
ベッドの頭部を少しギャッチアップ。
さっきより、余裕でさわれるようにしておく。
服を少しめくって、手の平をお腹に当ててみる。
柔らかい……いい弾力だ。
ちょっと嬉しくなってしまう。
[メニューを開きます]
[所持している自我ポイントは97ポイントです]
[自我の目覚めレベル1に残り7ポイント必要です。使用しました]
[選択してください。あなたの性別は男/女/両方/なし]
これは、男だよね。
[男とは全てを捨てて攻める/大事なものを命をかけて守る]
当然、命をかけて守るでしょ。
[質問の答えのパラメータに10ポイント割り振りました]
[好きな人に拒まれた時、更に攻める/本人の意思を確認する]
本人の意思を確認する以外に答えはない。
[質問の答えのパラメータに10ポイント割り振りました]
[女性とは太陽である/月である]
これは難しいけど、月なのかな。
[質問の答えの属性に10ポイント割り振りました。属性が変化しました]
[女性の強さとは強固な守り/強烈な攻め]
強固な守りだと思う。
女性は持続力や忍耐強さが男性より優れていると、聞いたことがある。
[質問の答えのパラメータに10ポイント割り振りました]
[貴方は女性が好きですか? はい/いいえ/どちらでもない]
これは、はい以外ないね。
[貴方は男性が好きですか? はい/いいえ/どちらでもない]
どういう意味だろう、はい、かな。
[基本性格の設定に10ポイント割り振りました]
[女性は堂々としている方がいい/少し恥じらいがあるほうがいい]
恥じらいがあったほうが、いいと思うのは男だからだろうか。
[基本性格の設定に10ポイント割り振りました]
[相手によって態度を変えるのは必要/必要ない]
普通に誰でも、態度を変えるだろ……変えない人のほうがおかしい。
[特性を追加しました。自我ポイントを10消費しました]
なんだ……特性って。
[質問は以上です。残りポイント20]
残りポイント……余りか。
[ベルゼバブブギフトを獲得しました。ジョブ、ナイトを残りポイントを使用して反映しました]
全ての設定が終わった。
結構、時間かかったかな。
視界がメニューで満たされて、背景が暗転していたから何も見えなかった。
BELL-822の瞳に光が宿る。
俺の手の平はお腹にあって、BELL-822と目が合う。
「はじめまして」
俺は、笑顔で挨拶をする。
「きゃーーーーーーーー」
「!」
「変なおじさんが私のお腹を触ってます。誰か助けて~」
変なおじさん?
誰だ?
あ、俺か。
やばい、この状況はどうしたものか。
ゴブリンがいつの間にか、目の前にいた。
ダレンさんもいつの間にか、傍にいた。
俺の手はお腹……。
俺の頭の中でレベルアップの効果音が鳴り響いた気がした。
変態レベルが上がった。
大変態にクラスアップした。
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