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16話 魔法を覚えられたかも

「なんで?」


「上級神か上級悪魔の加護がないとレベルは上がりません」


「……何そのシステム。じゃあ、冒険者は?」


「神や悪魔と契約しないと、危険で街の外では戦えてないと思いますよ」


「じゃあ、俺なんて戦えないな。ゴブリンだけか……」


「ゴブリンも強くなりましたが、モンスターの中ではだいぶ弱い方だと思います」


「……」


 ゴブリンも隣のベッドに腰をかけて話を聞いている。


「モンスターは加護ないです。あるものもいますけど……だから、レベルが上がるようになれば……」


「レベルが上がらない今は、強いのに出会ったら勝てないじゃん……」

 

「大丈夫。小林さんへ加護を与えてくれる神には心当たりがあります」


「え? でも、病気が治ったらお願いします。今の俺には加護も勿体ないので」


「大丈夫です。ちょっと、論文を読んでみたのですが……腎臓治るかもしれません」


「どういうこと?」


「第23世界の2019年4月から日本で再生腎臓の研究プロジェクトが始まったのです」


 俺がこの世界に来る前の話だ。


 そういえば、雑誌に載っていたかな。


「……それ、大丈夫なの?」


「一応、今の段階でも透析から離脱できるくらいのことはできるみたいですよ」


「なる程……出来たらいいな」


「不完全なところはこっちの世界でうまくできないかなと思いまして……」


「まあ、元の世界の日本でできたのなら、ダレンさんにはできるかもしれないですね」


「やるだけやってみようかと思います」


 再生腎臓が元の世界で完成したら、人工透析をする患者はいなくなってしまうだろうな。


「そういえば、今日はこのまま食事できるの?」


「カリウムが下がって、大丈夫になったら食事しましょうか」


「あと、どのくらい?」


「まずは電気を流さなくても、心臓が動くようになることですね」


 まだ、あれから1時間も経ってない。


「カリウムって、そんなに上がるものなのかな」


「小林さんは糖尿病で筋肉がないですから、上がりやすいんですよ」


 確かにそうだ。今の俺は高血糖が続いたせいで筋肉が減少してしまった。


 筋肉がない分、血液中にカリウムが行ってしまい、結果的に心臓が止まりやすい。


 カリウムは透析中に食事を摂れば上がらないにしても、今の筋肉は格好悪い。


 これから先、モンスターと戦う事を考えると、どうにかして元の筋肉量まで戻さなくては。


「早くカリウム下がらないかな」


 未だに俺は除細動器の送ってくれる電気で心臓が動いてる。


 ピリピリするし、コードがたくさんで不快この上ない。


 すると、メッセージが聞こえた。

 

[除細動器BELL-822はレベルがあがった]


[BELL-822はスキル自己放電を獲得しました]


 空耳が聞こえたらしい。


 さっき、加護がないとレベルが上がらないと聞いたばかりだ。

 

 こんな生物でもない医療機器が上がるはずない。


[小林直樹は透析治療の影響でウォーターの魔法を獲得した]


 また、聞こえてきた。


 空耳がひどいらしい。


 意外とはっきり聞こえる空耳だ。


 なんせ、他の人には聞こえていないらしい。


 でも、もし本当だとしたら。


 俺は異世界っぽいことができるようになるかもしれない。


 俺の記憶が正しければ、俺のMPは10だ。


 1回くらいは出るかもしれない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 上級神か上級悪魔の加護でレベルが上がるとなると、レベルが 上がる為びは誰かに縛られている感じですね・・・。 モンスターの括りのゴブリンちゃんが 加護を受けられないならゴブリンちゃんの事は …
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