3話 ナオキクエスト2
画面が暗転している。
[おお、勇者よ。死んでしまうとは情けない]
ここ病院?
なんか、ハゲてる。
この人……。
ダレンさんか。
[勇者よ、アナタはハゲとヒゲをシンジマスカー?]
なんだ、これ?
[はい/いいえ]
カーソルが開くの?
[⇒はい]
いいえが消えた。
[おお、勇者よ。このダレン。この命。ハゲに変えても捧げます]
[ダレンが仲間になった]
この後、どうするんだろう。
[ステータス ナオキ レベル999 HP:1 ATK:3 DEF:3 AGI:3 ]
なんか、ステータスがおかしい。
いきなり戦闘画面。
[女神ドロシーが現れた]
これは勝てないだろ。
[女神ドロシーはナオキを見つめている]
こんなのあったっけ?
[ナオキは攻撃に備えている]
[ダレンはハゲている]
ダレンさんが何をしているのか、さっぱりだ。
[女神ドロシーの未来予知。繋がりの鎖を見い出した]
[ナオキは驚きすくみあがっている]
[ダレンの頭は光っている]
全く意味がわからん。
[女神ドロシーはゴブリーヌを召喚した]
[ゴブリーヌの攻撃。会心の一撃]
[ナオキは死んでしまった]
またまた、暗転。
[おお、勇者よ。死んでしまうとは情けない]
なんだ……ここ。
なにやら、事務所の一室。
可愛らしい容姿のキャラクターがいる。
カエルの要素があるようだが、それでも、ほぼ人間のようだ。
[私は多産と復活の神ヘケトです。アナタには世界を救う可能性があります]
誰なんだろう、この人。
[私はダレンさんとゴブリンとアナタの繋がりの鎖を、より強靭にして差し上げます]
また、暗転。
[お兄ちゃん、ダレンさんまだかな。寝てないで起きてよ]
緑のフィールドにいる自分。
あれ? ゴブリン?
ここどこだろう。
外のようだ。
少し離れたところに、〈病院の卵〉らしい建物がある。
ダレンさん? いないじゃん。
[何かが上から降ってきたようだ]
なんだ、これ……?
[スカイドラゴンが現れた]
は?
[ゴブリンの攻撃。スカイドラゴンに届かない]
[スカイドラゴンの攻撃。尻尾攻撃。ゴブリンは気絶した]
ゴブリンって、強かったはず。
これダメじゃないか。
[ベルゼバブブが現れた]
え……?
ベルゼバブブ?
[ベルゼバブブの攻撃。デビルカッターが切り刻む。スカイドラゴンを倒した]
赤髪の悪魔。
ベルゼバブブの容姿はどう見ても女性。
黒いボンテージに黒い翼。
攻撃方法といい、姿といい、どこかのアニメみたいだ。
[ベルゼバブブはいなくなった]
助けてくれたのだろうか。
俺の腎臓をダメにした張本人だと思うと、憎しみしかなかったが、女性だったのか。
[ダレンが現れた]
[ただいま。お二人共]
ダレンさん?
なんだか、容姿が違うのだけど。
ハゲじゃない。
[ゴブリンは気がついた]
[お兄ちゃん? ダレンさん? ダレンさんって誰?]
洒落?
[ああ、すいません。ワタクシの最愛の人がハゲをやめろというのでやめたんです]
この先、ハゲキャラは誰がやるのだろうか?
この感じで行くと、自分しかいない。
やばいな、髪の毛は濃いから毎日剃らなくちゃだ。
[お兄ちゃん? 変なことを考えてる?]
大丈夫。きっとまだ、登場キャラがいるはず。
いきなり、戦闘シーン。
[ゴブリンが現れた]
ゴブリン?
ゴブリンって、ゴブリーヌじゃないか。
[ゴブリンの攻撃……]
ふと……ドットの世界からの解放。
真っ白な世界。
目の前にはゴブリンがいる。
あれ、少し成長した?
身長が少し伸びた気がする。
[お兄ちゃん? 私が欲しい?]
え?
突如、ゴブリンが何も動かないにも関わらず、メッセージが流れた。
[ゴブリンの攻撃。ブラックティーバック。会心の一撃]
どういう攻撃なんだろう。
またまた、暗転。
[ナオキは死んでしまった]
◇
目が覚める。
何だか、息切れがする。
横にはゴブリン。
よく寝ている。
夢か……。
まだ、深夜の1時。
こういう時って、疲れていても夢を見てしまうよな。
また、眠りにつこう。
もう……疲れるから、夢は見せないで。
意識を、頑張って手放した。
……今度起きるときは、朝でありますように。
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