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12話 バアルさんの所へ相談しに行こう

 ヘケトさんとの話が終わり、神様協会の事務所の建物から出てきました。


 下界が夜になってから出てきたので、神界も夜です。


 体感ですが、神界と第26世界は時差がないようです。


 ワタクシの中の時計も丁度、深夜23時30分を回ったところです。


 空には満天の星。


 なんだか、とても綺麗です。


 こういうのを星降る夜というのでしょうか。

 

 綺麗なものを見ると、ワタクシは胸が切なくなります。


 センチメンタル?


 感傷主義?


 侘びしい?


 この星の輝く夜に、一人の神が物思いにふける……。


 なんか、ワタクシってイケてるんじゃないでしょうか?

 

 それにしても、ワタクシが受けた神様の使いをするという依頼が2日も経たないうちに終わりを告げるとは、今でも信じられません。


 こんなに早く終わるとは思わなかったので、驚いています。


 報酬も支払われるし、世界管理者の試用期間を受けずにポイントさえ支払えば、上級神になれるということにもなったし、言うことはありません。


 願いの輪から生まれたドロシーは、きっと上手く試用期間を終えられると思います。


 終えた後、どうしたいのか元のドロシーは考えていなかったようで、そこら辺はこれから願いの輪のドロシーに考えて貰おうと思います。

 

 おそらくヘケトさんは、未来予知もどきの能力でドロシーのこれからの行動を予知した時には、もう既に何かしらの処分を決めていたのではないかと思います。

 

 暗殺とか、処分とかの言葉しか出てこない彼女の発言。


 ワタクシが何も気づかずに事が運んでいたらどうなっていたでしょう。


 運命の輪から生まれたドロシーの命が失われる未来しか考えられません。


 調査が入っても、何かワタクシの発言が虚偽だったという話にはならないでしょう。

 

 今やるべきことは、小林さんの身体を普通の人間と同じところまで回復させること。


 それが最重要事項だと思っています。


 ワタクシの目標も上級神になることです。


 小林さんの治療をやり遂げて、必要ポイントを3%でもいいから免除して貰おうと思います。


 ヘケトさんの依頼の遂行と、ワタクシがやろうとしていることは同じこと。


 そして、ワタクシがバアルさんの隣に並ぶのに通らなくてはいけない試練だと思います。


 これから先、小林さんの身体を治療するのには医学知識というモノの力が必要なはずです。


 そして……それは、ワタクシが手に入れるべきものだと思います。


 まず……その手段を得る上で、一番なにか方法を知っている可能性のある人はバアルさん。

 

 貴女しかいません。


 というわけで、バアルさんの所へ戻ろうと思います。


 病院の卵の作成者、バアルさんならば……。


 ワタクシは黒いコウモリの翼を出し、上空へ飛び上がりました。

 

 目指すはバアルさんのところです。


 あっ、という間でした。

 

 あっ、という間にバアルさんの所に着きました。

 

 空を飛べるのは本当に便利です。


 バアルさんの邸宅が見えました。

 

 今は、誰も来ていないようです。

 

 結界もきちんと張ってあります。


 結界の中に着陸しました。

 

「バアルさん、帰りましたよ」

 

 ガチャッと玄関のドアをあけました。


 1階には誰もいないようです。

 

 2階のバアルさんの自室に向かいました。


 まずは、ノックをします。

 

「バアルさん、帰りましたよ~」

 

 ドアの向こうで、声がします。

 

「あれ? ダレン? 暫く帰ってこないんじゃなかったの?」


「入っていいですか?」


「いいよ」


 部屋の中に入ります。バアルさんの良い香りがします。

 

「あの、ちょっと相談があるんですけど」

 

「ワタシも言いたいことがある」

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― 新着の感想 ―
[一言] 神界と第26世界は時差がない事ですが、 時差がないのは、とりあえず、いろんな所を行き来する人には助かりますね。 ダレンさんは、ちなみにロマンチストですね。 星降る夜に感激し、綺麗な物を見て…
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