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お父さんは神様です?!  作者: 浴衣
5/7

王都に遠足にいきましょう4

「追うと言ってもなぁ。先生、どうする?」


先生は、顎に手を当てて考えている。


「そうですね、日が暮れる前には帰りますので、それまでには捕まえて来て下さい。」


「あっ、はい。」


あなたがやるんだよ? ということである。


「面倒だなぁ、、、」


そう言うと、手を伸ばし空中で何かを掴み上げるような動作。

「あれ?」


ベルト代わりの紐をつまみ上げられる形で、3馬鹿の1人が突如として現れた。


「まずは、1匹。」


状況が飲み込めず、宙ぶらりんのまま顔を上げ辺りを見回している。


「お父さん、ズルしたー!!」


エルがコアラのように左腕にくっついていたまま、アビックを批難する。

かわいい。


「サー、センッ!!!」


同じ格好でもう1匹増え、アビックの右手に2匹が鈴生りになっている。


「?????」


鼻水を垂らしている。


「あー!!! またー!!! ダメなんだよーー!!!」


エルが首までよじ登り、アビックの頭をぺちぺちと平手でたたく。

平手なのに、手が丸っこい。


「だーって、面倒なんだよー?!!」

「ダメー!!」


競馬騎手のように、アビックの首は上下に振られている。

周りの子どもたちは、その様子が面白かったのかキャッキャと喜んでいる。

右手の2匹も首を巡らして、その様子を見上げている。


「「ヘッドバンキング!!」」

「やかましいわ!」


ポイとばかりに、2匹を離すように手を上げる。


「「プッチョアへンズアップ!」」

「「「ヤー!!」」」


ノリノリで子どもたちが手を上げる。

・・・この子達は、専門的な訓練を受けています。



「お姉さん達~!」


先生が年長組に声をかける。


「「はっ!」」


さっと、2人の女の子が立て膝をついて先生の前に参集している。


「やっておしまいなさい!」

「「はっ!」」


即座に縄でぐるぐる巻きにされる2匹。


「お代官さま!」

「あっしらは、レイモンにそそのかされて、仕方なく!」

「黙らっしゃい!!」


なんか、違うのも始まった。

最近、学校で流行っているらしい。

先生からしてノリノリなので、元凶が誰かは推して知るべしである。



「空間、繋げば、捕まえるの、楽なんだよ、あと、1匹ー!」

「ダメー!!」


頭を揺さぶられながら、アビックは怠けようと必死に訴えるのだが、エルさん許さないんだからっ!


「アイダダダダダ!」


背後からアビックの口に両手をかけて左右に引っ張りながら、耳に噛り付くという強行手段に訴え始めた。


「ぢゃんと、してーー!」

「わぁgった!wあかった!」


噛り付きながら耳元で叫ぶ。

堪らず、アビックはお手上げ降参と、諸手を上げる。

・・・強い。



エルのお仕置きから解放され、歯形の付いた耳たぶを擦りながら正面の通りに目を凝らす。


「ちゃんと、やるの? なんか、色々起きるんだけどなぁ。」


貯まった宿題を前にしたこどものようにウンザリした顔をするアビック。


「次は、頬っぺたを噛ります!美味しそうです!」


「ご期待に答えられるよう、誠心誠意取り組まさせて頂きます!」


仕事を受注出来た営業のような発言しか、許されないのである。


ふと、お縄になっている馬鹿2匹の方を見る。


「くっ、殺せっ!」


とか。


「私を倒そうとも、また、第2、第3の魔王が!」


などと、ボケ倒しているが、

「はいはい」、と軽く受け流されている辺り、日頃からこのようである。




「私たちは、予定どおりお買い物実習をしています。時間までにレイモンを捕まえて来てくださいね。」


そう言うと、

子どもたちが事前に用意していた設定に基づき、口々に予行演習を始めてた。


「親が倒れて、もう、3日もなにも食べていないんですっ!」


焼き菓子屋の泣き落としにかかる男の子は、ふくよかで大変 肌艶が良かった。



「じっちゃんが病気で死にそうで、、、どうしてもそれが欲しいって!」


・・・ブラジャーかぁ・・・。





「あ、本当にやるんだ。・・・価格交渉・泣き落とし。冗談かと思ってた。」


「えぇ、生きる力を養うのです!!」



頑張れ、負けるな子どもたち!

この先の君たちの授業には、暗雲が立ち込めているぞ!!

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