1部【コーヒーを取りに行くだけ】
どのくらいぶりの投稿てしょうか?
遅筆過ぎる…
足音を殺し、リビングへ侵入する。
出来れば二人とも本当に意識を失っててくれ。
絡まれたくない故に、そう願いつつも歩を進める。
そして、テーブルの横に二人が折り重なるように倒れ伏しているのが見えた。
いや、重なるというより、速水さんが村石に腕十字をかけながら寝ている……ように見える。
村石は、うん、白目剥いてるな。
これなら放置していいか。
そして、「昨晩はお楽しみでしたね」と伝えてやろう。
さておき。
本来の目的は九花と一緒にのんびりコーヒーでも飲もうと思って出てきたのだ。
今のうちにサクッと準備してしまおう。
今回使うのは電気ケトルと適当に買ったコーヒー豆というかドリップコーヒーのパック、それぞれ専用のカップに砂糖やミルク、マドラーなど、必要なものをどんどんお盆に用意していく。
ケトルは載らないので、別途持って行くとして、あとはおかわり用の水としてペットボトルの水を念のため持ち出して用意完了だ。
これらを持ち出すとして、二往復。あの二人がその二往復の間に起きるという可能性は勿論あるので、慎重に往復するしかない。
息を殺し、足音を忍ばせ、物音も最低限。
これを意識し、そして実行する。
まずは音がなりにくいケトルとペットボトルだ。これを持ち出し、あいも変わらず技をかけてる状態なのを確認しながら横を通り過ぎる。
九花は……残念ながらこちらの様子を見てくれておらず、そのまま部屋に閉じ籠もったままだ。
取り敢えず、ドアの前に辿り着いたので、決めていた合図を出す。
音を大きく立てる訳には行かないので、ドアノブを2回動かす。
そうすれば、九花がドアを開けてくれる手筈となっている。
動かして少しの間、反応が無かったので視線を二人にやりながら焦っていると、やっとドアが開き始め、九花が顔を出す。
こちらを確認すると静かにかつ素早くこちらの荷物を受け取り、そしてすぐに閉じ籠もった。
慈悲も是非も無い。
少し悲しい。
何はともあれ、二往復目に取り掛かる。
先程の様に警戒しながら移動し、そして必要な物を手に九花のいる部屋に戻ろうとする。
先程と同じ様に動けばいい。
そう考えつつ二人を見やりながら移動すると、どうやら速水さんが少し動いている。
技の極まり具合が気に入らないのかポジションが気に食わないのか解らないが、モゾモゾしている。
どうする?
動くべきか?
先程と違い、その動きがあるだけで心臓がバクバクし、背中に汗が少し流れる。
その数瞬が永遠の様にも感じる。
頭の中の狭い個室で二択を迫られてる気がする。
これは某少年漫画の比喩だったか?
ただ、どちらにせよあれが目を覚まし、こちらに気付けば、あとは捕食されるだけになってしまう。
それだけは避けねばならない。
……大丈夫、行ける。
そう、自分を奮起させる。
あれはまだ目を覚まさない。
確信は無いが、このままここで棒立ちしてるよりも、少しでも可能性に縋って前に進む。
意を決し、摺り足で目標地点へと移動を開始する。
勿論、相手の様子を窺うのも忘れない。
まだモゾモゾしている。
だが、こちらに気付いている素振りもない。
行ける。
行けるはずだ。
そう思いながらも、心臓の動きは加速していく。
このまま息を殺して移動すると、倒れるんじゃないかと思えるぐらいに心臓がバクバクしている。
何で自分の部屋でこんな緊張感を感じなければならないのか?
村石に明日ボロクソ文句を言ってやる。
そう心の中で罵詈雑言を並べ立てていた時、上半身の動きがぶれてしまった。
瞬間。
カチャ……
お盆に載せていたカップが音を立ててしまう。
音がなった瞬間に速水さんを確認する。
変わらずモゾモゾしているようだ。
だが、このままでは危険だ。
なるべく早く移動する。
音を立ててしまったのだ。
もしかしたら気付いた可能性だってある。
先程よりも少し大胆に、しかし変わらず足音を忍ばせ移動する。
ドアの前に辿り着く。
そして急いで合図を出す。
ふと……振り向くと、そこにはボンヤリとした眼をこちらに向けていた速水さんが、ほんの少しニヤリと笑っていた。
「ひゅっ……」
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!
早く開けてくれ、九花!
この瞬間が長い永いながいナガイ……
そして速水はこちらに一歩、四足歩行の一歩目を歩き出したのだ。
最近、評価システムとかあるのか。
まぁ、あまり関係ないですかね…遅筆過ぎるので。




