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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

秘密のお泊まり会

「久々にお泊まり会だねー♪」

私は先輩につれられて先輩の家に来た。

お泊まり会ということは今知った。着替えとか持ってきてないけどどうしよう。と思ったが

「私の服を貸してあげる。」

とのことなので恐れ多いがその流れで行かせてもらうことにした…

やばい。めっちゃドキドキする。

私はひそかに先輩の事を好いている。

というか、密かにというより大胆に、かもしれない。

それじゃないと先輩に遊びに誘うなんてできない。誘ったのは私だが計画をたててくれたのは先輩であり、何をやるかなど何も知らされていない。

いつもかっこよくて、優しくて、いい人オーラがすごい先輩の家に上がるのは実はこれで二回目だ。

一度、同じ部活の女子たちとお泊まり会をやっている。しかし、二人きりのお泊まりは初めてだ。

何でこんなに冷静にいられるかわからないくらいドキドキしている。

「大丈夫?顔が強張ってるけど…嫌だった?」

『うわわわ!だ、大丈夫ですよ!先輩!』

「気分が悪かったら言ってね?」

『も、もちろんです!』

そう。これは遊び…遊びに来ただけなのだ…

何も変な気になってはいけない…変に期待してはいけないのだ…

………………

時間というのは早いもので、先輩とショッピングモールへ行って買い物をしているうちに、夕方になってしまった。

「そろそろ夕飯を買って帰りましょうか。」

『そうですね!先輩!』

大分この空気も慣れてきて、はいなかったがドキドキしっぱなしだが。平静を装うことが出来るようになった。

買い物をして、帰路へつく。今日は先輩の手作りのご飯らしい。

自炊も出来るなんて。やっぱり素敵だなぁ…

「さっきから何か変だよ?大丈夫?」

と先輩が微笑みかける。それが原因で変になってしまうんです先輩。

何て言えないんだけどね。

「今日は…お肉と野菜の炒め物ね!」

と先輩はエプロンを着て調理を開始する。私は何かできないかと先輩に聞くと

「じゃ、お風呂入れておいてー」

と言われた。私は先輩のご飯にとても期待しながらお風呂場へ向かった。

………………………………

『こんなもんかな。』

お風呂を洗って、お湯をいれた。

洗わなくてもいいんじゃないかというくらい、きれいだったが、一応、念のために。

『お風呂洗いましたよー…って先輩!?』

「…………」

そこには、必死になって肉をきざもうとする先輩の姿があった。

そう。先輩は料理が下手だったのだった。

「いやーごめんね。見栄張っちゃった。」

『いいんですよ!無理しないで、私にお任せください!』

「いいや、自分でやるの!だから、ちょっとご教授をお願いしていいかしら。」

『ええ!勿論です!ええとですね…』

私は初めて先輩に物事を教えた。それはとても楽しくて、嬉しくて、気恥ずかしいような感じだった。

先輩と一緒に作った料理の出来は、はっきりいって良い出来とは言えないものだった。が、とても違う美味しさがまたあったのもじじつだった。

「うんうん!美味しいわ!」

と先輩は言ってくれた。楽しかったし、良かった。

とても良い思い出になったと思う。

「さて。じゃあお風呂に入りましょうか。」

『ええ!……一緒にですか?』

「そ、そうだけど、嫌だった?」

『い、いいえ!全く!』

先輩はにこっと笑って着替えとかバスタオルとかを出してきた。

「ほらほら、お風呂に入りましょうねー♪」

と肩を押されて脱衣場に入れられた。入れられなくても入りたいくらいだったが。

………………

『うわぁ…先輩の体…きれい…』

スポーツ万能の先輩の体はスタイル抜群で、とても美しかった。

「そんなことないわよ…あなたもとてもきれいよ♪」

『え、そ、そんなことないですよ…』

やはり、私は百合っけがあるのかもしれない。

すごいどきどきしてきてしまった。

「……♪」

先輩に次いで、私もお風呂にはいる。

入る前にのぼせてしまいそうだったが、何とか気持ちを抑え込むことができた。

「……君は本当、いい後輩だね…本当、君に出会えて良かったって思ってるよ…」

『せ、せんぱい、急にどうしました…!?』

私は急にこんな話を降られて、動揺してしまった。

「あなたに大切な話があるの。ちゃんと聞いてくれるかしら。」

『え、ええ。も、も、勿論です!』

「とてもあなたってがんばりやさんで、見てていつも心配になっちゃうけど…あなたって人は、私なんかにも優しくしてくれて…いつもありがとうね。」

『……』

「何で私があなたをここに呼んだのか…私は…あなたのことが大好きなのよ。」

正直、息が止まりそうになった。心臓が爆発しそうだったと思う。

「女の子同士とか関係ない。あなたの性格に…私は惚れてしまった…のよ。うふふ」

と先輩は気恥ずかしそうにする。一つ一つの動作を気にしていられる暇なんてなかった。

「私でよかったら…これからもお付き合いしてくれないかしら…」

『………も、勿論です!あったり前じゃないですか!』

「なんてね。ふふ、ひっかかったわね。後輩ちゃん♪」

『!?』

「今日は何の日かしら。」

『4月…え』

「残念そうな顔をしないで。よしよし…」

とてもかなしかった。撫でられてもどうにもならないようなこの気持ちはどこにぶつけたらいいんだろう。

今日はエイプリルフールだった。何で気づかなかったのだろう。

それくらい気づけよ、自分のバカバカ!

「ごめんね、ちょっとからかってみたかったの。」

『うう…先輩…ひどいです…』

私は悲しくなった心を流そうと体を洗い、さっとあがった。

もう先輩…とちょっと拗ねてしまった。

………………………

しかし、サプライズはこれからだった。これは本当に予想外だった。

「楽しかったわね。今日は。」

と布団に入って先輩が話す。とても近くて、いい臭いがする。

『もう…最後ので台無しですよ…』

と先輩に言った。先輩はわるかったと言った態度で

「ごめんね…その気にさせてしまったら…」

と謝ってくれた。まあいいや。先輩に気に入られているのはわかったし。

いつか先輩の心をつかめばいいことだと思って切り替える。

「………」

『………』

二人きりのお泊まりってやっぱりドキドキする。

そういうお年頃だし…と思ってしまうと本当になってしまうと思うので、何も考えなかった。

しかし、二人きりで電気を消したとき、それはおこった。

「ねぇ…知ってる?」

と小声で私の耳元に話しかけてくる。

ちょっとドキドキする。なんだか胸がきゅんとしまる感じだ。

「エイプリルフールって、日曜日だと次の日になるのよ。」

『……~!?!?』

その言葉の意味がわかる前に、私は先輩にキスをされていた。

「……ふふっ。かわいいな、やっぱり。」

『…ふぇ…どういうことですか…』

頭が回らない状態で、私は先輩に聞いた。

「だから……エイプリルフールは…明日ってこと…」

『……えっ…それって……』

「もうっ…」

次の言葉を言う前に、私の口は先輩の口で塞がれた。

……今日の夜はとても長くなりそうだ。

……………

目が覚めると先輩の家だった。当たり前だった。

ふと隣を見ると幸せそうに先輩が眠っている。

昨日のことが嘘のようだが、私も先輩も服を着ていなかったので昨日のことは本当にあったことなのだろう。

……………………………

『………へっくしょん。』

「くちゅん。」

ほぼ同時にくしゃみをした。

その日、私たちは風邪を引いていた。

「あ~くしゃみが…へっくしょん。」

『…先輩が悪いんですよ…くちゅん。』

「あなただってノリノリだったわよ…あー…眠い…」

『うぅ……覚えてない…』

そんなノリノリだったのか……途中から全く覚えていないのはなぜなのだろう。

「まあ…それで、あなたの返事を聞いてなかったわ…」

『返事?』

「私の告白に対する…返事よ。」

と言われ、先輩は顔を伏せた。そういうところ、お茶目でかわいい。

勿論答えはひとつだ。


『いつまでも一緒ですよ。先輩。』

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