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枕の下に 希望の上に(7)

目的トリビア

入力者と出力者の間で

存在する人の息

どちらかが多ければ

不満で

無邪気に笑えないから

痩せ細った公園の猫と黄昏れる

二時間座っている間

猫は十回

公園の水溜りへ水を飲みに行った

きっと慢性腎不全だ

救わなくてはいけない者と

救われたくは無い者は

一緒に居る時がある

間違えてしまうのは

どちらも同じに見えるからだ

公園を出て行く

失った物も無くて

得た物も無い

勝手にゼロにして

煙みたいに生きていく





あれを引き摺り出すには

男が女になろうと

女が男になろうと

足りなくて

頭の中を腕力で解決しながら

丁寧に整理するしかなかった

180度回転しながら

カピカピになっている意識

回転寿司屋のねたより

手を付けられない

本当に無駄な時間だと思う

無駄な人間で居たいから

そうやって

それを理由にする

出来て初めて

狡い人間だと認められるんだ

生き方だってそうなんだ





火傷した親指で

スマートフォンの画面に触れても

イレギュラーに反応する

親指の腹に

軽くて小さな水膨れ

昨日のお好み焼き

鉄板と反射反応

そしてオミット

蛇口からの一滴

水滴音





勇敢なる者が居ない世界は

寝袋で寝た後の疲れに似ている

倫理観の賢者が居る世界は

世界にある滅びの予言が

一同に会する絶望感に似ている

どちらも存在する世界は

きっと衰退していく

争いという火種は

それを覆す為の安直な解だった

倫理観の賢者が

抑え込んだ風に見えるが

金儲けという解を提示したからだ

だが

それにも物申す倫理観の賢者が居る





では

次は何を提示する?

芸術や宗教は

既に人間の血液になっている

つまり

提示した所で効果は無い

エンターテイメントは

縛りあげられている

倫理観の賢者達が作り出した

変な形のワクチンは

今も進撃を続けている

では

次は何を提示するのだ





一歩前へ進むか

一歩後ろへ進むか

人は大抵そうなっている

集団になろうと

それは変わらないだろう

進む事しか出来ない生物なのだ

生き方が下手なのだが

だから愛着が湧く

水族館と動物園

植物園のお気に入りみたいな物だ

仕方ない

仕方ない




電話をした後

ATMで五万円を引き出し

公園へ戻る

いつもの場所に

いつもの様に猫は居る

抱き抱えると動物病院へ向かった

容易に抱かせてくれるくらい

一緒に居たのか

歩きながら思う

きっと飼えないだろう

余裕は無い

何処かの団体へ譲り渡す事になる

大切に丁重に扱われる筈だ

それでいて幸福だろう





「気づいてしまった」という行動に

責任を持った後

自宅近くのクリーニング店に

上着を出した

家は近いが

この季節は寒い

背中を丸めて歩いた

行動には責任が伴う

心情の動きを行動だと定義するなら

それにも責任が伴うのだ

気づかぬふりを嫌悪する理由である

もしかしたら

人間を嫌悪する理由かもしれない

そのような行動を取る人間に

なりたくはないが

心情まで入り込めば

汚い人の方が多いだろう





帰り着くと

ストーブと炬燵を動かして

暖を取った

テーブルの上に伏せると

払ったお金が

少なくて良かったと思う

保護もしている病院を選んだ

後ろ立てまで見つけるのは

動物を飼わない人間には難しかった

信頼出来る人なのかを

何回もチェックしたくは無い

こうやって汚れていくのだろう

保険は

純粋な生き物にとって

悪みたいな物だ

こうやって汚れていくのだろう

社会の中で上手くなりながら


















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― 新着の感想 ―
[良い点] >保険は 純粋な生き物にとって 悪みたいな物だ 私もそのように思います。 人間の中にある、不意に何かに心を寄せてしまう弱さが「保険」というものを作り出したとも思っています。 [一…
2018/01/22 14:56 退会済み
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