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僕に唯一できることは。  作者: 伊月
相反する存在はそれだけで夢に満ちている
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 世界は平和になった。でもそれは、誰にとっての平和なのだろうか。それは本当に、「平和」なのだろうか


 たしかに科学は進歩して戦争はほとんどなくなったし、医療の進歩によって病気や怪我で亡くなる人も減った。けれど、未だに内戦が続いている地域はあるし、軍事力の強化を続けている国も多い。病気で死ななくなっても、自ら命を絶つ人間はいなくならない。


 この機械仕掛けの世界。生まれてからこれまで、僕はこの世界に温かみを感じたことが、本当にあるのだろうか。それは美衣も同じだ。だから彼女はデータの書籍ではなく紙の本を好むし、デジタルなゲームじゃなくてボードゲームやテーブルゲームが大好きだ。


 美衣は言っていた。スポーツがなくならないのと一緒だって。陸上も野球もサッカーも、生きるためには適度にやるだけで充分なんだ。それでもプロの人がいるのは、楽しいから、好きだからなんだって。それももちろんそうなのだけれど、それ以上に、僕はそこに熱があるからだと思っている。人の熱。温かさ。みんなそれを求めているんじゃないかって。


 きっと、だから僕は彼女のことを好きになったのだと思う。

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